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ラジウム（Ra）　Radium

• 『1898年、ピッチブレンド中の放射能を分離検討したCurie夫妻とBemontはポロニウムの発見された部分とは別の部分にも強い放射能を認め、バリウムに似ているが異なるスペクトル線を呈する新元素を発見し、ラテン語radius（光線）にちなみラジウムと命名した。多量の原料につきその後分別結晶法を丹念に繰返し、0.1gのRaCl2を得て、1902年にはその原子量も測定された。また、M.CurieとA.Debierneは、塩化ラジウム水溶液から電解により水銀陰極にアマルガムとしてRaを取出し、それを鉄容器に入れ水素気流中で加熱、水銀を蒸発除去し、金属Raを得た。』

同位体

放射性核種 （放射性同位体）	半減期	壊変形式
224Ra	3.66日	α壊変
226Ra	1.600×103年	α壊変
228Ra	5.75年	β-壊変

電子構造

原子 番号	元素	原子の基底状態の 電子配置	原子の 基底状態	第1イオン化電位 E i1/V	イオンの 基底状態	第2イオン化電位 E i2/V
88	Ra	[Rn]7s2	1S	5.277	2S	10.14

物理的特性

物理的特性

原子番号		88
原子量		[226]
結晶構造
密度	kg・m-3（×103）	5.（室温）
融点	℃	700
沸点	℃	1140
抵抗率（0℃）	Ω・m
抵抗の温度係数（0〜100℃）	℃-1
熱伝導率（0℃）	W・m-1・K-1
比熱（298.15K）	J・K-1・mol-1
熱膨張率（293K）	K-1
ヤング率	Pa

産状

【地圏】（mg/kg）²²⁶Ra

• 花崗岩：0.7μ？　玄武岩：0.6μ？　土壌：0.8μ。頁岩：1.1μ。石灰岩：0.4μ。砂岩：0.7μ。
• 普通鉱物：ピッチブレンド。

【水圏】（mg/kg）²²⁶Ra

• 海水：8.9×10^-11。淡水：4×10^-10。

【生物圏】（mg/kgDM）²²⁶Ra

• 陸上植物：0.2μ。可食野菜：0.03μ〜1.6μ。哺乳動物の筋肉：0.00023μ。哺乳動物の骨：0.004μ。海藻：0.03μ〜0.1μ。海水魚：0.015μ。
• 蓄積者：樹木Bertholletia（ブラジルナットノキ属）；哺乳動物の骨。毒性：放射能のため哺乳動物には非常に有毒。
• 注意：μ＝×10^-6

【その他】

• 総説：土壌中のRa、MegumiとMamuro（1977）；環境と生物中のRa、de BortoliとGaglione（1972）。

リンク

• 人類にとってラジウム放射能とは？ 医学に何をもたらしたか？　http://www.jfcr.or.jp/Ra100/innervision/tateno1.html
  　舘野之男氏による。(株)医療科学社　月刊INNERVISION（インナービジョン）1998年4月号（Vol.13, No.5）。キュリー夫妻ラジウム発見100周年記念事業実行委員会による『キュリー夫妻ラジウム発見100周年記念事業　1998年1月〜12月』の『キュリ ー夫妻の業績と医学応用の軌跡』の中のページ。
• ラジウムの地球化学−ラジウムと放射線測定器の1世紀−　　http://www.gsj.jp/Muse/c_news/pdf/2000/10/00_10_03.pdf
  　金井　豊氏による。地質ニュース、554号、17-29、2000年10月号。
• ラジウム　　http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0
  　フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』の中のページ。
  Radium　　http://en.wikipedia.org/wiki/Radium
  　Wikipedia, the free encyclopediaの中のページ。

文献

• de Bortoli,M.C. and Gaglione,P.(1972): Health Phys., 22, 43.
• Megumi,K. and Mamuro,T.(1972): J.Geophys.Res., 82, 353.