(財)日本エネルギー経済研究所計量分析部(編)(2001)による〔『図解 エネルギー・経済データの読み方入門』(258-261p)から〕


第5章 新エネルギー
1.新エネルギーの定義

 地球温暖化や大気汚染・酸性雨など環境問題の解決策の1つとして、新エネルギーが脚光を浴びている。新エネルギーは地下資源を使わない再生可能エネルギーと、地下資源を使ってもその効率利用やクリーンな利用を促す技術に分けることができよう。近年では風力の経済性が高くなっており急速に導入が進んでいる。一方、日本においては世界の流れである風力ブームに加えて、太陽光発電の導入が進んでいることが特徴的である。

 新エネルギーという言葉は日本独特の言い方であり、欧米では再生可能エネルギー(Renewables)という名称でよばれることが多い。しかし日本独特のこの言い方は、コージェネレーションや燃料電池など−利用技術であるがそれによって効率化が図れたり新しい需給形態が開けるもの−も含めて、新エネルギーと総称している。図V-5-1に、新エネルギーとよばれているものについて簡単な分類を行った。
図V-5-1 “新エネルギー”の分類
  地下資源エネルギー 再生可能エネルギー








石油・石炭・天然ガス
原子力(核分裂)
大規模水力
地熱



オイルサンド
ヘビーオイル
コールベッドメタン

原子力(高速増殖炉)
原子力(核融合)
風力
太陽光
バイオマス
廃棄物
太陽熱

小水力
温度差発電
波力・潮力




リーンコールテクノロジー  

コージェネレーション
クリーンエネルギー車
燃料電池
(解説) 破線で囲まれた部分(注:黄色の部分)が、一般的に“新エネルギー”とよばれるもの。また、下線を引いたエネルギー源については、本章第3節に簡単な解説を行っている。

 ここでは、まず、エネルギー源なのか利用形態なのかで、大きく2つに分けた(行)。その上で、“エネルギー源”の中を、地下資源を採掘することで得るのか、再生可能なエネルギーとして得るのかで2つに分け(列)、従来型の技術なのか比較的新しい技術なのかで2つに分けた(行)。また、“利用形態”については、地下資源型に限られるものとしてクリーンコールテクノロジーを、エネルギー源は問わないものとしてコージェネレーション・クリーンエネルギー車・燃料電池を取り上げた。この分類は絶対的なものではないが、ひとつの目安とはなり得よう。なお、2点鎖線で囲まれた部分が(注:黄色の部分)が一般的に“新エネルギー”とよばれるものであり、下線を引いたエネルギー源については、本章第3節にて詳細に扱っている。
 また、総合エネルギー調査会新エネルギー部会資料(平成11年12月)では、新エネルギーについて、以下の定義を行っている(図V-5-2:略)。
新エネルギーとは
@技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので
A石油代替エネルギーの導入を図るため、とくに必要なもの
と定義される(新エネ法/1997年9月施行)。

具体的には以下のとおり。
(1)再生可能(自然)エネルギー
・太陽光発電、風力発電、太陽熱利用、エネルギー作物(バイオマス)
(2)リサイクル型エネルギー
・廃棄物発電、廃棄物熱利用、廃棄物燃料製造、温度差エネルギー、黒液・廃材等(バイオマス)
(3)従来型エネルギーの新利用形態
・クリーンエネルギー自動車、天然ガスコージェネレーション、燃料電池
 また、総合エネルギー調査会による長期エネルギー需給見通しでは、“新エネルギー”と“従来型エネルギーの新利用形態”に分け、それぞれ図V-5-3のように分類している。
図V-5-3 長期エネルギー需給見通しにおける新エネルギー
新エネルギー
  太陽光発電
  太陽熱利用
  風力発電
  廃棄物発電
  廃棄物熱利用
  温度差エネルギー等
  黒液・廃材等
従来型エネルギーの新利用形態(広義の新エネルギー)
  コージェネレーション
  クリーンエネルギー自動車
  燃料電池
(出所) 通産省、総合エネルギー調査会資料、1998年6月
 また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「新エネルギーデータ集」では、図V-5-4のような分類を行っている。詳細な技術を出力とともに掲載しているのが特徴的である。
図V-5-4 NEDOによる新エネルギーの分類
カテゴリー 新エネルギー技術 出力
再生可能エネルギー 太陽 太陽光発電 電力
太陽熱利用 電力・熱
風力発電 電力
地熱発電 電力
海洋 海洋温度差 電力
波力・潮力・海流 電力
温度差エネルギー(スーパーヒートポンプ)
バイオマス 薪、炭、エタノール 燃料
廃棄物発電 電力・熱
メタン発酵ガス 燃料
燃料形態転換 石炭液化(褐炭、瀝青炭) 燃料
石炭ガス化(水素製造) 燃料
石炭ガス化複合発電 電力
天然ガス液化・脱炭素化(メタノール、ガソリン、水素) 燃料
省エネルギー 燃料電池 電力・熱
セラミックガスタービン 電力・熱
超電導発電機 電力・熱
新型電池 (電力)
超電導電力貯蔵 (電力)
クリーンエネルギー
自動車
電気自動車(ハイブリッド含む) 動力
メタノール自動車 動力
天然ガス自動車 動力
ディーゼル代替LPG自動車 動力
水素自動車 動力
燃料電池自動車 動力
(出所) 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、「新エネルギーデータ集 平成11年度版」