経済産業省による(2007)〔『エネルギー白書2007年版』の第3部第7章から〕


電気事業法についてはこちらを参照。

1995年の電気事業制度改革の概要

  • 卸売事業の自由化
    〔1〕卸売事業への参入自由化
    〔2〕電源入札制度の導入
    〔3〕卸託送制度の整備
  • 小売供給事業への参入整備
    特定電気事業の創設
  • 料金規制見直し
    〔1〕ヤードスティック査定導入
    〔2〕届出制の選択約款導入
    〔3〕燃料費調整制度導入
    〔4〕経営効率化計画の策定

1999年の電気事業制度改革の概要

  • 小売の部分自由化の導入
    〔1〕特定規模電気事業者の創設
     特別高圧の需要家(2万V以上で受電、電気の契約電力が原則2,000kW以上)に対して、一般電気事業者(電力会社)以外の者でも、電気の供給を可能とする。
    〔2〕託送ルールの整備
     電力会社が維持及び運用する送電ネットワークを、新規参入者(特定規模電気事業者:PPS)が利用するための公正かつ公平なルールを整備する。
  • 料金規制の見直し
    〔1〕料金引下げ時においては届出制とする。
    〔2〕選択約款メニューの拡充を図る。
    〔3〕卸供給の料金規制を認可制から届出制とする。
  • その他
     電力会社の経営自主性の尊重、経営資源の有効活用の観点から、兼業規制を撤廃する。

2003年の電気事業制度改革の概要

  • 電力の供給システムの改革による安定供給の確保
    〔1〕ネットワーク部門の調整機能確保
     新規発電所の既存送電線への接続可否、送電可能容量限界時の出力変更指令等のネットワーク部門における調整機能確保のため、以下の措置を導入。
     (ア)発電から小売等の川上から川下まで一貫した体制で、確実に電気の供給を行う「責任ある供給主体」として、一般電気事業者制度を存続し、いわゆる発送電分離のような構造規制(アンバンドリング)を採用しない。
     (イ)ネットワーク部門の公平性・透明性についての市場参加者の信頼を確保し、ネットワーク部門が供給信頼度の維持に不可欠な調整機能を確保し得るよう、電力会社のネットワーク部門について、アクセス情報等の目的外利用の禁止、差別的取扱いの禁止、他部門との内部相互補助を防止するための会計分離及びその結果の公表の義務づけ等の措置を講ずる。
     (ウ)電力会社、新規参入者や学識経験者等が公平・透明な手続の下で送配電部門に係るルールの策定及び運用状況の監視等を行う仕組み(送配電等業務支援機関)を構築する(行政は公平性・透明性の遵守に係る事後チェックのみ実施)。
    〔2〕広域流通の円滑化
     全国の発電所の供給力を有効活用できるよう、供給区域をまたいで送電するごとに課金される仕組み(振替供給料金)を廃止する等、現行の託送制度を見直し、広域的な電力取引を円滑化する。なお、振替供給料金の廃止については、コスト回収、地域間精算、遠隔地立地への対処を図るとともに、廃止後の状況の推移をみて、大きな問題が生ずれば、直ちに廃止を見直すものとする。
    〔3〕電源開発投資環境の整備
     発送電一貫体制の維持及び全国的な電力流通の円滑化も、原子力を始めとする電源開発の投資環境整備に資するものであるが、これらに加えて、市場価格を投資リスクの判断に利用したり、余剰電力の販売先を確保する等投資リスク管理を容易にするため、全国規模の私設・任意の卸電力取引市場を創設する。
    〔4〕供給力の多様化に資する分散型電源による電力供給の容易化
     多様な電力供給手法を整備することにより、一層の安定供給を図るため、二重投資による著しい社会的弊害が生ずる場合を除き、コージェネ等の分散型電源から特定規模需要(自由化対象の需要)に対し、自らが維持・運用する電線路により電気を供給することを可能とする。
  • 環境への適合
     原子力、水力といった環境調和型電源の円滑な導入。
    (ア)全国的な電力流通の円滑化(上記〔2〕)等
    (イ)優先給電指令制度や送電容量の確保のための仕組みの構築(上記〔1〕)。
  • 需要家選択肢の拡大
     2004年4月から契約電力量500kW以上の高圧需要家、2005年4月から契約電力量50kW以上のすべての高圧需要家を対象に自由化。


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