京都メカニズム利用ガイド
Version 1.0
平成14年1月
経済産業省


はじめに
 T.京都メカニズム活用の必要性 5
 U.京都メカニズム活用のための基盤整備 6
 V.本利用ガイドの狙い 7
第1章 京都メカニズムを理解するための基礎知識
 T.附属書T国と非附属書T国 9
 U.各種クレジットと京都メカニズムの関係 9
 V.京都メカニズムと国内対策 11
第2章 CDM(クリーン開発制度)利用ガイド
 T.CDMプロジェクト総論 15
1. クリーン開発制度(CDM)とは何か 15
2. CDMプロジェクトとは何か 15
3. 早期CDM 17
4. 獲得されたクレジットの扱い 17
 U.CDM事業に関わる組織とは 17
1. COP/MOP 17
2. CDM理事会(Executive Board) 18
3. 指定運営機関(Designated Operational Entity) 19
 V.CDMの参加資格 21
1. 担当政府機関の指定 21
2. ホスト国の参加資 21
3. 投資国の参加資格 21
4. 民間企業の参加 22
5. 参加資格を喪失した場合とその回復手続き 22
 W.CER獲得までの手続 23
1. 投資国、ホスト国によるCDMプロジェクト承認 23
2. 指定運営機関の選定 24
3. パブリックコメント及び環境影響評価の実施 24
4. プロジェクト設計書の提出 25
5. 指定運営機関による有効化審査 28
6. CDM理事会による登録 29
7. CDM実施事業者によるモニタリン 30
8. 指定運営機関による検証 30
9. 指定運営機関による認証 31
10. CDM理事会によるCERの発行 31
 X.CER獲得後の手続や処分 32
1. CDM登録簿と国家登録簿との関係 32
2. 国家登録簿への移転手続 32
3. 事業者間のクレジット移転について 33
4. CDM事業によるクレジットにかかる諸制限について 33
 (参考1 )運営機関信任のためのガイドライン(Appendix A) 34
 (参考2 )CDMプロジェクト設計書(Appendix B) 36
 (参考3 )ベースライン、モニタリング手法の確立に関する参照事項(Appendix C) 38
 (参考4 )CDM登録簿(Appendix D) 39
 (図)CDM の事業の流れ 41
 (図)CDMフロー 42
第3章 共同実施(JI)利用ガイド
 T.JIプロジェクト総論 43
1. 共同実施(JI)とは何か 43
2. JIの2トラック・アプローチ 43
3. JIプロジェクトとは何か 44
4. JIプロジェクトの実施時期、クレジット獲得時期. 44
5. 得られたJIクレジット(ERU)の扱い 44
 U.JIに係わる関連組織 44
1. COP/MOP 45
2. 6条監督委員会(Article 6 Supervisory Committee) 45
3. 独立機関(Independent Entity) 46
 V.JIの参加資格 47
1. 担当政府機関の指定 47
2. JIプロジェクト承認の国内ガイドライン・手続の策定 47
3. ホスト国・投資国の参加資格 47
4. 民間企業の参加資格 49
5. 参加資格を喪失した場合とその回復手続き 49
 W.日本が投資国となる場合のERUを獲得するまでの手続き−第2トラックを中心に− 49
1. 投資国、ホスト国によるJIプロジェクト承認 50
2. 信任独立機関の選定 51
3. 環境影響評価等の実施 51
4. プロジェクト設計書の提出 51
5. 信任独立機関によるプロジェクト設計書の適格性決定 52
6. JIプロジェクト実施事業者によるモニタリング 53
7. 信任独立機関による排出削減(吸収量増大)実績の決定 53
8. ホスト国によるERUの発行・移転 53
9. ホスト国が第1トラックの要件を満たしている場合 54
 X.ERU獲得後の手続き・処分 54
 Y.日本がJIのホスト国となる場合 54
1. 第1トラックと第2トラック 55
2. 日本政府によるプロジェクト承認 55
 (参考1)独立機関の信任ガイドライン(Appendix A) 56
 (参考2)ベースライン設定、モニタリングの基準(Appendix B) 58
 (図)共同実施事業(JI)の流れ 59
 (図)JIフロー(第1トラック) 60
 (図)JIフロー(第2トラック) 61
第4章 排出量取引利用ガイド
1. 排出量取引とは何か 62
2. 排出量取引の参加資格 62
3. 法人の参加 63
4. 参加資格を喪失した場合とその回復手続き 63
5. 約束期間リザーブ(CPR:Commitment Period Reserve) 64
6. 排出量取引の実施に向けた取り組み 65
 (図)排出量取引フロー 66
第5章 京都議定書第7条第4項の概要
 T.割当量の計算 67
1. 割当量とは何か 67
2. 第一約束期間における割当量の計算 67
3. 割当量への追加及び割当量からの控除 68
4. 遵守評価 69
5. 次期約束期間への繰り越し 69
 U.登録簿に関する必要事項 70
1. 登録簿とは何か 70
2. ERU、AAU、RMUの発行 73
3. 移転、獲得、取消、償却、繰越 74
4. トランザクション・ログ 75
5. 公開情報 76

はじめに

T.京都メカニズム活用の必要性

1. 1997年12月の気候変動枠組み条約第3回締約国会合(COP3)において署名された京都議定書では、我が国を含む附属書T国(先進国)について、1990年を基準年とし、第1約束期間(2008年〜2012年)における温室効果ガス排出削減目標が法的義務として規定されています(我が国の場合、90年比▲6%が目標)。この目標を達成するための一つの手段として、いわゆる京都メカニズムの枠組みが京都議定書の中に盛り込まれています。

2. 京都メカニズムには、議定書第6条に基づく共同実施(JI:Joint Implementation)議定書12条に基づくクリーン開発制度(CDM:Clean Development Mechanism)議定書17条に基づく排出量取引の3つがあり、それぞれの概要は以下のとおりです。
(1)共同実施(JI)
  附属書T国間で省エネプロジェクト等を共同で実施し、当該プロジェクトから得られる温室効果ガスの追加的削減量の全部又は一部をクレジットとして当事者間の合意に基づき移転する仕組み
(2)クリーン開発制度(CDM)
  非附属書T国(途上国)において附属書T国が省エネプロジェクト等を実施し、当該プロジェクトから得られる温室効果ガスの追加的削減量を第三者機関が認証してクレジットを発行し、その全部又は一部を当事者間の合意によって、移転する仕組み
(3)排出量取引
  附属書T国間で初期割当量の一部や共同実施、クリーン開発制度を通じて獲得したクレジットを売買する仕組み

3. 京都メカニズムは温室効果ガス排出削減のための限界費用が低い国から高い国に移転することによって、費用対効果の高い排出削減に向けた地球規模の取組を可能にする制度です。とりわけ、既に相当程度の省エネ対策が推進され、温室効果ガスの限界削減費用が諸外国に比べて高い我が国にとって、京都メカニズムの活用は目標達成に伴う我が国経済への影響を最小限にする上で不可欠です。

4. 京都メカニズムには各国の政府のみならず、民間企業も広く参加することが想定されています。我が国においても民間企業が創意工夫を活かし、京都メカニズムに基づくプロジェクトの実施やクレジット取引を進め、温室効果ガス削減に向けた自主的取組みの一環として活用していくことが期待されます。

5. 京都メカニズムについては、その実施細則に関し、COP3以来、複雑多岐にわたる国際交渉が行われてきましたが、昨年10月末〜11月にマラケシュで開催されたCOP7において漸く合意(いわゆる「マラケシュアコード」)に達し、京都メカニズムのスキームの骨格が固まりました。このため、第1約束期間に向けて京都メカニズムを活用しうる条件を如何に整備していくかが今後の課題になっており、各国もそのための取り組みを強化しています。』



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