萩原(監修)(1983)による〔『地震の事典』(141-143p)から〕


活断層(かつだんそう)
 地表に現れている断層のうち、最近数十万年間にたびたび動いた証拠がみとめられ、今後も同様の動きを行うだろうと思われるもの。近年大地震を発生して動いた断層や、現在クリープがみとめられている断層は活断層である。活断層は、地形・地質学的調査や航空写真の調査などによって発見・研究されている(58ページ図27参照:略)。
 活断層の長年にわたる平均変位速度は断層ごとに異なっており、それによって断層はA・B・C……というような階級に分類される。たとえば阿寺断層は2万7000年間に140m変位していることがわかっているので、平均変位速度は1年当り5mmとなりA級とされる。この断層付近では微小地震がおこっていないので、この断層がクリープしているとは考えられない。もし、この断層の1回の動きによってM7〜8の大地震がおこり5mの変位が生じるとすれば、2万7000年間に28回、ほぼ1000年ごとに大地震が発生したことになる。この断層付近には歴史上の大地震は知られていないので、近い将来大地震がおこるかもしれず、注意しなければならない断層である。中央構造線の四国の部分でも、同様のことがいえる。
活断層の等級
平均変位速度(mm/年)
AA 10〜100 南海トラフ・サンアンドレアス断層
A 1〜10 山崎断層・阿寺断層・根尾谷断層・丹那断層・跡津川断層
B 0.1〜1 千屋断層・石廊崎断層・福島断層・立川断層
C 0.01〜0.1 鳥取断層・郷村断層・深溝断層

 三陸沖や東海道・南海道沖の海溝の内側で大地震を発生する逆断層は、平均変位速度がA級よりも一桁大きいと考えられ、AA級とされている。アメリカ合衆国カリフォルニア州のサンアンドレアス断層もこの級に属する。
 日本内陸部にあるA級の活断層は、丹那断層が1930年と841年北伊豆地震のとき動いたように、大まかにいって1000年に1回の割合でM7クラスの地震をおこしていると考えられる。M7クラスの地震はB級・C級の活断層からもおこるので、その調査・研究は、大地震の予知に非常にたいせつである。近年、活断層を横断して深い溝を掘り、活断層の過去の活動状況を研究することが行われている。』



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