『活断層(かつだんそう)
地表に現れている断層のうち、最近数十万年間にたびたび動いた証拠がみとめられ、今後も同様の動きを行うだろうと思われるもの。近年大地震を発生して動いた断層や、現在クリープがみとめられている断層は活断層である。活断層は、地形・地質学的調査や航空写真の調査などによって発見・研究されている(58ページ図27参照:略)。
活断層の長年にわたる平均変位速度は断層ごとに異なっており、それによって断層はA・B・C……というような階級に分類される。たとえば阿寺断層は2万7000年間に140m変位していることがわかっているので、平均変位速度は1年当り5mmとなりA級とされる。この断層付近では微小地震がおこっていないので、この断層がクリープしているとは考えられない。もし、この断層の1回の動きによってM7〜8の大地震がおこり5mの変位が生じるとすれば、2万7000年間に28回、ほぼ1000年ごとに大地震が発生したことになる。この断層付近には歴史上の大地震は知られていないので、近い将来大地震がおこるかもしれず、注意しなければならない断層である。中央構造線の四国の部分でも、同様のことがいえる。
級 | 平均変位速度(mm/年) | 例 |
AA | 10〜100 | 南海トラフ・サンアンドレアス断層 |
A | 1〜10 | 山崎断層・阿寺断層・根尾谷断層・丹那断層・跡津川断層 |
B | 0.1〜1 | 千屋断層・石廊崎断層・福島断層・立川断層 |
C | 0.01〜0.1 | 鳥取断層・郷村断層・深溝断層 |