黒田吉益・諏訪兼位(1983)による〔『偏光顕微鏡と岩石鉱物〔第2版〕』(158p)から〕


表4.5 主要な造岩鉱物の特徴
  石 英 カリ長石 斜長石 黒雲母 普通角閃石 普通輝石 紫蘇輝石 かんらん石
他形、火山岩で融食形 ほとんど他形 長柱〜短柱状 板状、薄片では長柱状に見える場合が多い 長柱状 短柱状 長〜短柱状 ころころした紡錘形
へき開 なし 直交する、切り方では一方だけみられる 直交、切り方では一方だけみられる 1方向、切り方では見えない 56゜±に交わる。切り方では1方向だけでみられる 直交、きり方では1方向だけみられる 直交、切り方では1方向だけみられる 弱いへき開が1方向にみられる
なし なし(しばしばよごれた感じを示す) なし 茶褐色〜黒褐色 黄緑色〜褐色 ほとんどない 無色〜淡緑色・淡褐色 なし
多色性 なし なし なし きわめて強い。(001)に平行なときはない かなり強い なし 弱い。縦方向が緑っぽく、横方向が赤っぽい なし
屈折率 バルサムより高く、表面が平滑 バルサムより低い 組成により石英より低いものからかなり高いものまである やや高い 黒雲母より高い 角閃石より高い 角閃石より高い 輝石と同じかやや高い
さめ肌状
干渉色 白以下 灰色以下 白〜灰以下 二次〜三次 一次〜二次 二次 一次 二次〜三次
消光角 直消光するが不明のことが多い 直消光または小さい 組成によって変化する 直消光 25゜以下 40゜前後 直消光 直消光
光軸角 一軸性正号 二軸性負号 二軸性、組成によって変化する 二軸性負号できわめて小さい 二軸性負号で大 二軸性正号で小 二軸性正号〜負号で大 二軸性正号〜負号で大
その他 小さい気泡・液泡を含む パーサイトを示すことが多い、微斜長石では微斜長石構造 累帯構造、アルバイト式集片双晶を示すことが多い ジルコンによる多色性ハロを示すことが多い     火山岩中で単斜輝石の反応縁をもつことがある 蛇紋石、イディングス石に変質することが多い



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