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フッ素（F）　Fluorine

• 『HFは17世紀には知られていたが、二原子分子の単体F2は、1886年H.Moissanにより初めて単離された。元素名は原鉱石ホタル石（fluorspar；CaF2）に由来する。』

同位体 *印は天然放射性同位体	質　量	存在度 〔原子百分率〕 （　）内の数字は誤差
19F	18.99840320	100

放射性核種 （放射性同位体）	半減期	壊変形式
18F	109.77分	β+壊変、 軌道電子捕獲

電子構造

原子 番号	元素	原子の基底状態の 電子配置	原子の 基底状態	第1イオン化電位 E i1/V	イオンの 基底状態	第2イオン化電位 E i2/V
9	F	[He]2s22p5	2P3/2	17.423	3P2	34.98

物理的特性

物理的特性

原子番号		9
原子量		18.9984032
結晶構造
密度	kg・m-3（×103）	1.696（気体、0℃） 1.108（液体、-188.1℃） 1.5（固体、-273℃）
融点	℃	-219.62
沸点	℃	-188.14
抵抗率（0℃）	Ω・m
抵抗の温度係数（0〜100℃）	℃-1
熱伝導率（0℃）	W・m-1・K-1
比熱（298.15K）	J・K-1・mol-1
熱膨張率（293K）	K-1
ヤング率	Pa

産状

【地圏】（mg/kg）

• 花崗岩：1400。玄武岩：510。土壌：200。頁岩：800。石灰岩：220。砂岩：180。
• 普通鉱物：CaF2、フッ素リンカイ石。

【水圏】（mg/kg）

• 海水：1.3。淡水：0.1。

【気圏】

• 空気：1〜400ng/m³。

【生物圏】（mg/kgDM）

• 陸上植物：0.02〜24。可食野菜：3〜19。哺乳動物の筋肉：0.05。哺乳動物の骨：2000〜12,000。海藻：4.5〜11。海水魚：1400。
• 蓄積者：いくらかの植物；Acacia georginae（アカシヤの一種）、Dichapetalum spp.（ディカペルム科の一種）、Gastrolobium grandiflorum（マメ科の一種）；哺乳動物の骨と歯；海綿動物のDysidea crawshayi。恐らく哺乳動物に必須。天然化合物：フッ酸（稀）とヌクレオシディン（nucleocidin）（Miller, 1973）。毒性：5mg/lは植物に有毒；人間には20mg/日で有毒、2g/日で致死量。機能：燐灰石の構成分；抗生物質的機能。

【その他】

• 年循環量　天然：3800。採鉱量：2000×10⁹g/年。
• 総説：食物中、Jonesら（1971）、KumpulainenとKoivistoinen（1977）；細菌中のF、Kelly（1965）；動物中のF、Underwood（1977）；人間中のF、Prasad（1976）；心臓病との関連、Taves（1978）；骨中のF、Zipkin（1973）；植物中のF、Hall（1977）。

リンク

• フッ素毒警告ネットワーク　　http://members.jcom.home.ne.jp/tomura/index.htm
  　村上　徹氏による。分室も。
• フッ素　　http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%83%E7%B4%A0
  　フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』の中のページ。
  Fluorine　　http://en.wikipedia.org/wiki/Fluorine
  　Wikipedia, the free encyclopediaの中のページ。

文献

• Hall,R.J.(1977): “Trace Substances in Environmental Health”, Vol.11, p.156 (Hemphill,D.D., ed.), Univ.Missouri, Columbia.
• Jones,C.M., Harries,J.M. and Martin,A.E.(1971): J.Sci.Food Agric., 22, 602.
• Kelly,M.(1965): Nature, Lond., 208, 809.
• Kumpulainen,J. and Koivistoinen,P.(1977): Residue Rev., 68, 37.
• Miller,L.P.(1973): “Phytochemistry”, Vol.3, a, D.Van Nostrand, Florence, Ky.
• Prasad,A.S.(ed.)(1976): “Trace Elements in Human Health and Disease”, Academic Press, London, New York.
• Taves,D.R.(1978): Nature, Lond., 272, 361.
• Underwood,E.J.(1977): “Trace Elements in Human and Animal Nutrition”, 4th Ed., Academic Press, London, NewYork.
• Zipkin,I.(1973): “Biological Mineralization”, p.487 (Zipkin,I., ed.), John Wiley and Sons, London, New York.