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授業科目『地下資源論』（２００５年度前期）〔大学院〕（終了）

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• ２００６年度後期は『授業科目『地球構成物質論』（大学院）』となります。

• シラバス

本授業科目について

　本授業は、固体地球の構成物質の構成単位である鉱物、そしてその集合体である岩石について概説し、地表で見られる風化作用および土壌化作用により形成される土壌資源について理解することを目標にしています。

• 　『資源一般』、『鉱物資源』、『地球科学一般』、『鉱物学関連』、『地質学関連』などのページには、インターネット上で参考になるサイトを集めています。また、関連する説明を、市販の図書などからの引用（一部）により行っています。
• 土壌については『土壌とは』、『粘土と粘土鉱物』、『風化とは』、『風化・土壌関連用語集』、『土壌資源』、『土壌汚染』などのページを参照。

• レポートの提出について 下記のテーマから一つを選んで、レポートを提出しなさい。 【テーマ�@】　自分の修士論文における調査地域について、その地質と土壌について説明しなさい。　 【テーマ�A】　土壌の成因について、風化作用および土壌生成作用を中心に説明しなさい。 【テーマ�B】　自分の専門と『土壌』との関係について、本授業内容以外のことも含めて、解説しなさい。 【様　式】　任意。 【提出〆切】　２００５年７月末日 【提出先】　Ｃ５０５まで。あるいは、メール（添付ファイル）でもよい〔mfukuok@hiroshima-u.ac.jp〕。

配布プリント等

第１回（4/15）

• 授業全体の概説および参考書の紹介。
  【全般】
  �@周藤賢治・牛来正夫（1997）：地殻・マントル構成物質．
  　　　岩石・鉱物全般を概説したもの。
  【鉱物学】
  �A森本信男（1989）：造岩鉱物学．
  　　　造岩鉱物についての本はこれだけ。
  【粘土鉱物学・粘土科学】
  �B白水晴雄（1988）：粘土鉱物学−粘土科学の基礎−．
  　　　粘土鉱物学の概説的な参考書の代表。お奨め。
  �C下田　右（1985）：粘土鉱物研究法．
  　　　粘土鉱物の研究法をとくに説明。
  �D須藤談話会（編）（2000）：粘土科学への招待−粘土の素顔と魅力−．
  　　　一般向けに、わかりやすい内容。
  �E須藤談話会（編）（1986）：土をみつめる−粘土鉱物の世界−．
  　　　上記の旧版的なもの。
  �F日本粘土学会（編）（1997）：粘土の世界．
  　　　一般向けに、おもしろく編集。
  【岩石学】
  �G周藤賢治・小山内康人（2002）：記載岩石学−岩石学のための情報収集マニュアル．
  �H周藤賢治・小山内康人（2002）：解析岩石学−成因的岩石学へのガイド．
  　　　上記２冊は、岩石学全般の最近の研究結果を集成している。やや専門的。
  �I水谷伸治郎ほか（編）（1987）：日本の堆積岩．
  �J久城育夫ほか（編）（1989）：日本の火成岩．
  �K橋本光男（1987）：日本の変成岩．
  　　　上記３冊は、日本の岩石の記載をまとめたもの。
  【地球化学（水−岩石相互作用】
  �L鹿園直建（1997）：地球システムの化学　環境･資源の解析と予測．
  　　　地球化学的物質循環についての研究をまとめたもの。やや専門的。お奨め。
  �M黒田吉益（2002）：水素同位体比から見た　水と岩石・鉱物．　
  　　　とくに水素同位体比から、岩石と鉱物の性質を説明。
  【土壌学】
  �N久馬一剛（編）（1997）：最新土壌学．
  　　　土壌学全般の概説。お奨め。
  �O松井　健・岡崎正規（編著）（1993）：環境土壌学−人間の環境としての土壌学−．
  　　　環境学的側面から土壌をみたもの。
  【その他】
  �P熊澤峰夫・丸山茂徳（編）（2002）：プルームテクトニクスと全地球史解読．
  　　　現在の新しい地球観をまとめたもの。やや専門的。非常にお奨め。
• 評価（試験）はレポートによる。テーマ等の提示は７月頃の予定。

第２回（4/22）

• 内容は、鉱物概論。
  　鉱物学の歴史、鉱物の成因（宇宙の元素存在度、地球の元素存在度、地殻の元素存在度）、造岩鉱物（地殻の鉱物存在度）など。
• 配布プリント1種（およびファイル１冊）：
  「１．鉱物と造岩鉱物」、「２．鉱物の記載と分類」…『造岩鉱物学』（3-29p）
• 紹介した参考図書：
  【鉱物学】（鉱物学の日本語の参考書は非常に少ない）
  �@森本信男（1989）：造岩鉱物学．
  　　　（前述）
  �A秋月瑞彦（1998）：鉱物学概論−形態と組織−．
  　　　とくに、鉱物の形態と組織を説明。
  �B森本信男ほか（1975）：鉱物学．
  　　　後述しているように、日本語の鉱物学の参考書の代表的なもの。ただし、少し古い。
  【地球構成物質（鉱物＋岩石）】
  �C周藤賢治・牛来正夫（1997）：地殻・マントル構成物質．
  　　　（前述）
  【Mineralogy】
  �DHibbard,M.J.(2002): Mineralogy −A Geologist's Point of View.
  　　　地質家から見た鉱物学の書名のように、地質環境において鉱物が示す特徴および分析機器と分析手法にかなりの紙面を割いている。
  �EKlein,C.(2001): The 22nd Edition of the Manual of Mineral Science (after J.D.Dana)(with one CD-ROM).
  　　　Danaにより1912年に出版された鉱物学の参考書の22版。図表はCD-ROMでも提供されている。
  �FNesse,W.D.(2000): Introduction to Mineralogy.
  　　　鉱物学入門として、100を超える鉱物の記載（産状や成因をふくむ）がかなり詳しい。

第３回（5/6）

• 配布プリント1種：
  「第1章　造岩鉱物」…『地殻・マントル構成物質』（1-49p）
• 内容は、造岩鉱物−１（珪酸塩鉱物）。
  普通の岩石を構成する鉱物である『造岩鉱物』について、プリントを使って概説。

第４回（5/13）

• 配布プリント７種：
  １）（鉱物分類表）…『鉱物の科学』（表紙見返し、裏表紙見返し）
  ２）有効イオン半径の表…『鉱物学』（136-137p）
  ３）｢Atomic and ionic radii｣、｢Coordination of ions｣…『The 22nd Edition of the Manual of Mineral Science』（64-75p）
  ４）｢Silicate classification｣…『The 22nd Edition of the Manual of Mineral Science』（442-445p）
  ５）｢Silicate structures｣…『Introduction to Mineralogy』（184-185p）
  ６）地学標本室用鉱物リスト（おもに理科年表から）
  ７）表1.1(鉱物資源)…『鉱床学概論』（2-7p）から
• 内容は、イオン半径と配位数、および珪酸塩鉱物の構造による分類の復習。
• 地学標本室で、鉱物標本を使っての説明。

第５回（5/20）

• 配布プリント1種：
  「３．地殻の物質」…『基礎地球科学』（47-86p）
• 岩石の概説（プレートテクトニクスによるプレート境界の火成作用を中心として、火成岩・変成岩・堆積岩の生成条件と生成場の違いについて説明）。

第６回（5/27）

• 配布プリント2種：
  「1章　火成岩」…『岩石と地下資源』（1-63p）
  （岩石の分類）…『岩石と地下資源』（表紙見返し、裏表紙見返し）
• 「火成岩」の分類などの説明。

第７回（6/3）

• 配布プリント1種：
  「第4章　変成岩」…『地殻・マントル構成物質』（185-210p）
• 地質調査所（1992）の日本地質図（1：1,000,000）の紹介と簡単な説明。
• 変成作用と変成岩について、とくに変成相と変成相系列を中心に説明。

第８回（6/10）

• 配布プリント1種：
  「第3章　堆積岩」…『地殻・マントル構成物質』（169-184p）
• 堆積作用と堆積岩について説明。風化作用、浸食作用、運搬作用、堆積作用、続成作用など。砕屑岩、化学沈殿岩、生物岩。

第９回（6/17）

• 配布プリント2種：
  『ケイ酸塩の風化とその生成物』（6-18p）
  「１．土壌とは何か−地球上におけるその意義と役割」、「２．土壌の生成と分類」、「３．土壌の材料」…『最新土壌学』（1-42p）
• 風化作用をプリントに沿って説明。

第１０回（6/24）

• 配布プリントなし。
• 前回配布のプリントの「１．土壌とは何か−地球上におけるその意義と役割」、「２．土壌の生成と分類、「３．土壌の材料」について、プリントに沿って説明。

第１１回（7/1）

• 配布プリント1種：
  「第1章　序論」、「第2章　粘土鉱物の化学組成と結晶構造」、「第3章　粘土の化学的物理的性質」…『粘土鉱物学』（1-52p）
• 粘土と粘土鉱物についてプリントに沿って説明。
• レポートについて説明（こちら）。

第１２回（7/8）

• 配布プリント3種：
  「４．土壌の有機物」…『最新土壌学』（43-53p）
  「５．土壌の生物性」…『最新土壌学』（54-72p）
  「６．土壌の化学性」…『最新土壌学』（73-95p）
• 配付資料に沿って、土壌の有機物と生物性について説明。
• ホイッタカーによる生物の五界説によれば：
  

  五界	細胞の特徴	働き
  植物界	多細胞真核	光合成有機物生産（生産者）
  菌類界	〃	有機物分解還元（分解者）
  動物界	〃	有機物消費（消費者）
  原生生物界	単細胞真核
  モネラ界	単細胞原核

  
  

  表5.1　土壌微生物の種類*
  種類	ホイッタカーの五界	形態と大きさ	栄養性、酸素要求性
  細菌	モネラ界	単細胞（0.4〜2.0μm）、あるいは細胞の連鎖状	有機栄養、無機栄養、好気性、嫌気性
  放線菌	モネラ界	糸状の細胞（直径0.5〜2.0μm）	有機栄養、好気性
  糸状菌	菌類界（＋モネラ界）	分糸状の菌糸（直径3.0〜50μm）	有機栄養、好気性
  藍藻	モネラ界	単細胞、細胞の連結状・糸状（直径3.0〜50μm）	無機栄養、好気性
  原生動物	原生生物界	単細胞（体長20〜200μm）	有機栄養、好気性
  *　上記プリントの該当表に一部加筆。

第１３回（7/15）

• 配布プリント1種：
  「７．土壌の物理性」…『最新土壌学』（96-118p）
• 土壌の化学性および物理性をプリントに沿って説明。
• 土壌標本各種観察。
  ◇原生土壌標本10種（花崗岩、閃緑岩、斑レイ岩、蛇紋岩、安山岩、玄武岩、粘板岩、砂岩、凝灰岩、石灰岩）
  ◇一般土壌標本30種（砕屑土壌、風化土壌、火山灰土壌、風成土壌）
  ◇標準土壌標本5種（礫土、砂土、壌土、埴土、腐植土）
  ◇岩石風化標本8種
• 学生アンケート。

補足説明

• 地球科学用語は『地球科学用語集』のページを参照。

第１回（4/15）

• 日本語で書かれた鉱物学および岩石学の参考書で、代表的（古典的）なものは次のとおり（出版は古い）：
  【鉱物学】
  　・森本信男ほか（1975）：鉱物学．
  　・原田準平（1973）：鉱物概論　第2版　岩波全書230．
  【岩石学】
  　・都城秋穂・久城育夫（1972）：岩石学I　偏光顕微鏡と造岩鉱物．
  　・都城秋穂・久城育夫（1975）：岩石学II　岩石の性質と分類．
  　・都城秋穂・久城育夫（1977）：岩石学III　岩石の成因．
• 紹介しなかった、その他の参考書：
  【全般】
  　・通商産業省工業技術院地質調査所（編）（1992）：日本の岩石と鉱物．
  【鉱物学】
  　・秋月瑞彦（1998）：鉱物学概論−形態と組織−．
  【土壌学】
  　・E･M･ブリッジズ（1990）：世界の土壌．
  　・P･Bullockほか（1989）：土壌薄片記載ハンドブック．
  　・大羽　裕・永塚鎮男（1988）：土壌生成分類学．

第４回（5/13）

• 鉱物標本については『授業科目『地学実験』』のページの『鉱物の肉眼鑑定』を参照。
• 鉱物は『鉱物の定義と分類』のページを参照。

第５回（5/20）

• プレート･テクトニクスは『プレート･テクトニクスとは』のページを参照。
• 岩石（火成岩・変成岩・堆積岩）は『岩石の種類』のページを参照。

第７回（6/3）

• 地質図については『地質図とは』のページを参照。
• 変成作用については『変成作用とは』のページを参照。

第８回（6/10）

• 堆積作用については『堆積作用とは』のページを参照。

第９回（6/17）

• 風化作用については『風化とは』のページを参照。

第１１回（7/1）

• 粘土鉱物については『粘土と粘土鉱物』のページを参照。

第１２回（7/8）

• 土壌は『土壌とは』のページを参照。