深海底鉱物資源(1)JOGMEC の深海底鉱物資源調査への取り組み http://www.jogmec.go.jp/mric_web/kogyojoho/2006-05/MRv36n1-12.pdf
菱田 元氏による(2006年5月)。10p。
表1 深海底鉱物資源に含まれる主な有価金属
深海底鉱物資源の種類 |
マンガン団塊 |
コバルト・リッチ・クラスト鉱床 |
海底熱水鉱床 |
含まれる有価金属(品位は概略) |
Mn |
28.8% |
Mn |
24.7% |
Cu |
1〜3% |
Cu |
1.0% |
Cu |
0.1% |
Pb |
0.1〜5% |
Ni |
1.3% |
Ni |
0.5% |
Zn |
30〜55% |
Co |
0.3% |
Co |
0.9% |
Au |
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|
Pt |
0.5ppm |
Ag |
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JOGMEC作成 |
【マンガン団塊】
- 〔マンガン団塊は、英国海洋観測船チャレンジャー号(H.M.S.Challenger)の航海(1872〜1876年)で、1873年2月18日に大西洋カナリア諸島のイエロ島沖南西約300kmの深海から採取されたものが最初。〕
- 水深4,000〜6,000mの深海底表層に、直径数〜十数cmの球状〜楕円状として存在。マンガン・鉄の水酸化物。
- Archer(1976)による推定資源量:Mn 1,260億t、Ni 56億t、Cu 46億t、Co 11.5億t。
- 日本は金属鉱業事業団が1974年に地質調査船白嶺丸を建造、1975年に賦存状況調査を開始。
- 1980年に探査開発の推進母体として深海資源開発株式会社(DORD)が設立。1996年に調査終了。1997年に国際海底機構から計画を承認。2001年にDORDと国際海底機構の間で取得鉱区内の15年間の探査契約が締結。
- クラリオン断裂帯とクリッパートン断裂帯間(公海で284.6万km2)が「マンガン銀座」。
【海底熱水鉱床】
- 1960年代に紅海で重金属泥の発見、大西洋中央海嶺(1974年)、東太平洋海膨(1979年)、ガラパゴス拡大軸(1981年)で発見。
- 水深1,500〜3,000mの海底拡大軸や背弧海盆に分布。
- 金・銀に富む銅・鉛・亜鉛の硫化鉱物からなる。
- 金属鉱業事業団が1985年から、東太平洋海膨海域(メキシコ沖)(1985〜1994)と沖縄トラフ海域(1995〜1999)(伊平屋海嶺、伊是名海穴、南奄美西海丘、伊平屋海凹北方海丘)と伊豆・小笠原海域(2000〜2003)(明神海丘、ベヨネーズ海丘)の3海域で賦存状況調査を実施。2003年に終了。
【コバルト・リッチ・クラスト鉱床】
- 水深800〜2,400mの海山斜面や頂部に賦存。マンガン・鉄の水酸化物が基盤岩を皮殻状に覆う。
- 1981年に、中部太平洋ライン諸島のもの(マンガン団塊の約3倍のコバルト品位)について、米国と旧西ドイツの合同調査団が提唱。
- 金属鉱業事業団が、1987年に南鳥島−ウェーク島海域で、1988年にウェーク島−ジョンストン島海域で調査開始。
【SOPAC調査】
【大水深基礎調査(大陸棚延伸のための調査)】
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