1.はじめに
2.方法
3.結果と考察
1)可給態リン酸含量測定値の分布特性
2)地目別可給態リン酸含量とその変動
3)土壌群別可給態リン酸含量とその変動
4)地域性について
5)土壌化学性との関係
6)施肥との関係
7)改善目標との関係
『4.要約
可給態リン酸は、定点調査実施期間において全国的に明瞭な増加を示した。
地目別には、施設と茶園が非常に高いレベルにあり、水田と牧草地が低かった。
土壌群別では、水田としての利用が多い土壌群と黒ボク土グループが低い含量を示し、樹園地や普通畑に多く使われている岩屑土、非黒ボク土グループの褐色森林土、赤色土、黄色土、褐色低地土、砂丘未熟土が高い含量を示した。
地域的には、瀬戸内から中部地域で高い含量を示した。また、地域区分によると中部、東海地域が高い含量を示した。
経年的には、地目別、土壌別、地域別などによる区分の多くで1巡目から3巡目までは明瞭な増加傾向が認められた。しかし、3巡目から4巡目には増加率が低いなど、減少傾向を示す区分が多く、水田を中心に可給態リン酸の増加傾向が鈍化していた。これには化成肥料のリン酸投入量にみられるようなリン酸施肥量の減少が貢献していた。改善目標値と比較すると、目標値以下の部分は水田や普通畑では改善されつつあるが、4巡目でもまだ2割程度は不足域にある。一方、目標値の適正域を超える地点は、水田・牧草地では少ないが、その他の地目では10〜78%程度とかなりの割合を占め、増加傾向にある。』
謝辞
文献
(Abstract)
図8 可給態リン酸の区分ごとの地点数割合の変動(地目別) 地目の上の数字は調査巡次. 小原・中井(2004)による『農耕地土壌の可給態リン酸の全国的変動 農耕地土壌の特性変動(II)』から |