『〔要約〕
■中国では水資源量が伸び悩むと同時に水質汚染が深刻化しており、中国での水へのアクセスは困難な状態になりつつある。
■中国政府は国策として環境保護を進めており、08年6月の「水質汚染防止法」の施行をはじめ水汚染防止のための対策を強化するなど汚染物質の排出削減に向けた施策に取り組んでいる。
■日本企業を含めた外資系企業も水汚染防止にどのように取り組んでいくかが問われており、企業は自社の活動による水質汚染を防ぐための最大限の環境活動を行うべきである。』
はじめに
1.中国における水環境
水資源の稀少化が進む
水質汚染の深刻化も進む
水環境悪化コストは4兆3,000億円相当に
2.中国政府の取組み
(1) 水資源・水質汚染防止に関する国家レベルの計画
水質汚染物質削減が国家の最重要目標に
水資源に関する具体的目標も策定
汚染物質削減を加速するための総合プランを公表
環境保護分野に重点をおいた計画も策定
(2) 法整備の動向
「水資源」に関する基本法である「水法」
水質汚染防止に関する施策を統合した法律を施行
(3) 政府による施策の効果と課題
2007年より厳しい行政処罰を開始
2007年のCOD排出量は前年比で減少
3.結び
期待されるビジネスチャンスの拡大
求められる企業の環境対応とリスク管理
図表1 中国の水資源量(総量/1 人当たり)の年度別推移 図表2 中国の行政区別の一人当たり水資源量(2006 年) 図表3 中国の七大水系の水質の年度別推移 図表4 七大水系別の水質比率(2007 年) 図表5 中国の工業廃水・生活汚水の年度別排出量 図表8:中国のCOD 排出量の年度別推移 図表9 中国における汚染防止関連投資額の年度別推移 横塚(2008)による『中国における水環境問題』から |