『要旨
　橋本ら（1996）による瀬戸内海全域の季節別水質調査結果を基に、窒素・リンの形態別現存量比率、及びDIN/DIPの季節変動について議論した。DIP：SOP：POPは各季節で変動するが、年平均ではおおよそ１：１：１の割合で、窒素についても同様の傾向が見受けられた。基礎生産は、瀬戸内海東部海域ではリンに、西部海域では窒素に律速される傾向がある。

キーワード：瀬戸内海、栄養段階；栄養塩；基礎生産』

１．目的
２．使用データ
３．解析方法
４．結果及び考察
　4.1. 形態別現存比率
　　a) 窒素
　　b) リン
　4.2. Si/DIP及びDIN/DIP
謝辞
References
Abstract

• 橋本俊也・山本民次・多田邦尚・松田　治・永末寿宏・多田充利・郷　秋雄・中口和光（1996）：瀬戸内海全域の季節別水質調査結果．広島大学生物生産学部紀要、35、243-278．

表１（部分）　図１に区分されたA〜Ｉ海域における各季節と年平均についてのTN・DOP・DIN・クロロフィルa窒素・PON−クロロフィルa窒素・TP・DOP・クロロフィルaリン・POP−クロロフィルaリン・Siの測定値と比率

年 間 平 均	海 域	測定値					比率				測定値					比率				測 定 値
		TN (uM)	DON (uM)	DIN (uM)	Chl.aN (uM)	PON-Chl.aN (uM)	DON：DIN：Chl.aN：PON-Chl.aN				TP (uM)	DOP (uM)	DIP (uM)	Chl.aP (uM)	POP-Chl.aP (uM)	DOP：DIP：Chl.aP：POP-Chl.aP				Si (uM)
	A	28.10	4.98	13.32	2.01	7.79	2	7	1	4	1.61	0.33	0.52	0.13	0.64	3	4	1	5	23.74
	B	15.52	4.07	7.33	0.87	3.25	5	8	1	4	0.79	0.23	0.28	0.05	0.23	4	5	1	4	14.95
	C	15.36	6.43	4.24	1.16	3.52	6	4	1	3	0.76	0.24	0.18	0.07	0.27	3	3	1	4	18.35
	D	14.24	6.14	4.31	0.98	2.81	6	4	1	3	0.79	0.23	0.23	0.06	0.27	4	4	1	4	20.92
	E	12.54	6.72	2.35	0.97	2.50	7	2	1	3	0.60	0.16	0.19	0.06	0.19	3	3	1	3	17.93
	F	10.30	5.35	2.96	0.54	1.45	10	6	1	3	0.48	0.13	0.20	0.03	0.11	4	6	1	3	16.86
	G	14.02	5.39	3.38	1.66	3.58	3	2	1	2	0.64	0.15	0.19	0.10	0.20	1	2	1	2	22.08
	H	11.49	6.40	1.59	0.69	2.81	9	2	1	4	0.48	0.14	0.14	0.04	0.16	3	3	1	4	16.92
	I	11.20	5.74	3.26	0.38	1.83	15	9	1	5	0.43	0.15	0.17	0.02	0.08	7	7	1	3	15.29
	平 均	14.75	5.69	4.75	1.03	3.28	6	5	1	3	0.73	0.20	0.23	0.06	0.24	3	4	1	4	18.56
海域は：A＝大阪湾北部、B＝大阪湾南部、C＝播磨灘、D＝備讃瀬戸、E＝燧灘、F＝安芸灘、G＝広島湾北部、H＝伊予灘・周防灘、I＝速吸瀬戸。