IPCC(気象庁訳)(2007):気候変動に関する政府間パネル第3作業部会により受諾された報告書 技術要約.69p.


目 次

1 はじめに...................................................................................................3
2 枠組み........................................................................................................9
3 長期的な視点からみた緩和.........................................................13
4 エネルギー供給..................................................................................19
5 運輸とインフラ..................................................................................24
6 住宅用および商業用建築..............................................................29
7 産業..........................................................................................................34
8 農業..........................................................................................................39
9 森林・林業...........................................................................................43
10 廃棄物管理........................................................................................47
11 部門横断的視点からみた緩和.................................................52
12 持続可能な開発と緩和................................................................57
13 政策、手段、協力協定................................................................63
14 知識上のギャップ.........................................................................68



図TS.1a: 世界の人為起源の温室効果ガス排出量、1970-2004年、1996年のIPCC第2次評価報告書(SAR)の100年基準地球温暖化係数(GWPs)を用いて、二酸化炭素換算の排出量を計算(参照 UNFCCC報告ガイドライン)。ガスは、UNFCCC報告ガイドラインの報告対象。グラフ中の不確実性は、メタン、一酸化二窒素の場合に大きく(30-50%の規模)、農業および林業からの二酸化炭素の不確実性はさらに大きい[図1.1a]。

注:
1) その他の一酸化二窒素には、工業プロセス、森林減少/サバンナ焼却、廃水、廃棄物焼却からのものを含む。
2) その他のメタンは、工業プロセスやサバンナ焼却によるものを指す。
3) バイオエネルギーの生産と利用による排出量も含む。
4) 伐採や森林減少後に残る地上バイオマスの腐朽(分解)からの二酸化炭素排出量及び泥炭火災や水抜き後のピート土の腐朽による二酸化炭素排出量。
5) 従来型のバイオマスの利用は全体の10%。90%は持続可能なバイオマス生産と仮定する。燃焼後、炭として残ることが想定されるバイオマス中の炭素量を10%として修正。
6) 1997-2002年における大規模森林および低灌木地帯のバイオマス燃料の平均値。
7) セメント生産と天然ガスのフレア。
8) 化石燃料の利用には、原料からの排出量も含む。


図TS.1b: 2004年の世界の人為的温室効果ガス排出量[図1.1b]


図TS.2a: 1990年と2004年の部門別温室効果ガス排出量。二酸化炭素換算排出量計算には、1996年のIPCC第2次評価報告書(SAR)の100年基準地球温暖化係数を用いた。グラフ中の不確実性は、メタンと一酸化二窒素において大きい(30-50%規模)。農業及び林業の二酸化炭素排出量の不確実性はさらに大きい。大規模なバイオマスの燃焼では、1997-2002年の平均的な活動データとして、地球規模火災排出量データベースの人工衛星によるデータを用いた。泥炭(火災と腐朽)の排出量はWL/Delft水力学の最近のデータに基づく[図1.3a]。

図TS.2b: 2004年の部門別温室効果ガス排出量[図1.3b]

図TS.2aと2bの注
1) 製鉄所、コークス炉など、産業部門に含まれるものを除く。
2) 国際輸送(バンカー油)を含み、漁業は含まない。道路交通以外の農業および林業の車両および機械は除く。
3) 従来型のバイオマスの利用を含む。第6章の排出量も最終用途での配分に基づき報告される(集中型電源による排出量に占める当該部門のシェアを含む)。これは、電力消費量の低下によるこの部門の緩和の実績を全て当該部門の緩和部門のクレジットとするためである。
4) 製鉄所、コークスオーブンなどを含む。第7章に報告する排出量も最終用途における配分に基づき報告される(集中型電源による排出量に占める当該部門のシェアを含む)。これにより、電力消費量の低下による当該部門の緩和実績は、全て当該部門のクレジットとなる。
5) 農業廃棄物の燃焼、サバンナの燃焼(二酸化炭素以外の排出量)、農耕用土壌からの二酸化炭素排出量、そして/または除去量は、このデータベースの推計に含まない。
6) データには、森林減少による二酸化炭素排出量、伐採および森林減少後に残る地上バイオマスの腐朽(分解)による二酸化炭素排出量、泥炭火災および排水された泥炭土の腐朽による二酸化炭素排出量を含む。第9章では、森林減少による排出量のみを含む。
7) 埋立地メタン、廃水メタンと一酸化二窒素、廃棄物焼却処分(化石燃料のみ)による二酸化炭素排出量を含む。


図TS.4a: 各諸国グループの人口当たりの温室効果ガス排出量。
2004年の地域別分布図(土地利用からのものも含む、京都議定書規定の全てのガスが対象)。棒グラフ中の数字は世界の温室効果ガス排出量に占める各地域の割合[図1.4a]。


図TS.4b: 2004年の地域別温室効果ガス排出量の分布、諸国グループのGDPpppに対するGDPppp米ドル当たりの数値(土地利用からのものも含め、京都議定書規定の全てのガスが対象)。棒グラフ中の%は世界の温室効果ガス排出量に占める各地域の割合[図1.4b]。

:各国はUNFCCCおよび京都議定書の分類に基づきグループ化される。このため、それ以後にEUに加盟した各国は、EIT附属書Iに分類される。2004年で全ての国のデータが完全にそろっているわけではない。各地域の内訳は:
・ EIT附属書I: ベラルーシ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア、ウクライナ
・ 欧州附属書U& M&T: オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、モナコ、トルコ
・ JANZ: 日本、オーストラリア、ニュージーランド
・ 中東: バーレーン、イラン、イスラエル、ヨルダン、クウェート、レバノン、オマーン、カタール、サウジアラビア、シリア、アラブ首長国連邦、イエメン
・ ラテンアメリカ・カリブ諸国: アンティグアバービューダ、アルゼンチン、バハマ、バルバドス、ベリーズ、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニク、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、グレナダ、グアテマラ、ギアナ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、セントルシア、セントキッテナビスアンギヤ、セントビンセントグレナディン、スリナム、トリニダードトバゴ、ウルグアイ、ベネズエラ
・ 非附属書I東アジア: カンボジア、中国、北朝鮮(DPR)、ラオス(PDR)、モンゴル、韓国、ベトナム
・ 南アジア: アフガニスタン、バングラディシュ、ブータン、コモロ、クック諸島、フィジー、インド、インドネシア、キリバチ、マレーシア、モーリシャス、マーシャル諸島、ミクロネシア、ミャンマー、ナウル、ニウエ、ネパール、パキスタン、パラオ、パプア・ニューギニア、フィリピン、シンガポール、ソロモン諸島、スリランカ、タイ、東チモール、トンガ、ツバル、バヌアツ
・ 北米: カナダ、米国
・ 他の非附属書I国: アルバニア、アルメニア、アゼルバイジャン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、キプロス、グルジア、カザフスタン、キルギスタン、マルタ、モルドバ、サンマリノ、セルビア、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、マケドニア
・ アフリカ: アルジェリア、アンゴラ、ベニン、ボツワナ、ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、カーボ・ヴェルデ、中央アフリカ、チャド、コンゴ、コンゴ民主共和国、コートジボアール、ジブチ、エジプト、赤道ギニア、エリトリア、エチオピア、ガボン、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、レソト、リベリア、リビア、マダガスカル、マラウィ、マリ、モーリタニア、モーリシャス、モロッコ、モザンビーク、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、サントメプリンシペ、セネガル、セイシェル、シェラレオーネ、南アフリカ、スーダン、スワジランド、トーゴ、ウガンダ、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ

IPCC(2007)による『気候変動に関する政府間パネル第3作業部会により受諾された報告書 技術要約』から


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