戦略的環境アセスメント総合研究会(2007):戦略的環境アセスメント総合研究会報告書.21p.


目次

前文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
戦略的環境アセスメント導入ガイドライン(上位計画のうち事業の位置・規模等の検討段階) ・・・・・・3
1.ガイドラインの目的・・・・・・・・・・・・・・・・3
2.対象計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
3.実施主体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
4.SEAに関する手続等・・・・・・・・・・・・・・・・4
5.評価の実施方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
6.その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
参考付表−1 主な評価項目の選定の考え方・・・・・・・14
参考付表−2 予測手法及び情報源等・・・・・・・・・・16
SEA 導入ガイドラインの取扱いとSEA の効果的な実施等・・・18

参考資料  http://www.env.go.jp/policy/assess/2-4strategic/3sea-6/sea_h18_houkoku/s-ref.pdf(61p)
T.第三次環境基本計画(抜粋)
U.最近のSEA 等を巡る動向について
V.上位計画等の策定プロセス
W.評価イメージ(廃棄物最終処分場に係るケーススタディ)
X.都道府県・政令指定都市における「地域の環境情報」の整備状況

参考  http://www.env.go.jp/policy/assess/2-4strategic/3sea-6/sea_h18_houkoku/ref.pdf(3p)
戦略的環境アセスメント総合研究会検討員名簿
戦略的環境アセスメント総合研究会審議経過



前文

 「環境的側面、経済的側面、社会的側面の統合的向上」は、持続可能な社会の構築を目指す第三次環境基本計画(平成18 年4 月閣議決定)の示す今後の環境政策の展開における基本的な方向性である。
 これを踏まえ、第三次環境基本計画は、環境政策の展開の重点的分野として「長期的な視野を持った科学技術、環境情報、政策手法等の基盤整備」を掲げるとともに、その具体的な施策として、戦略的環境アセスメント(SEA)については、第二次計画を一歩進めて、「共通的なガイドライン」の作成を図ることとしている。
 国際的には、SEA は、持続可能な社会形成のツールとして、北米に続き、EUの加盟各国において2001 年のSEA 指令に基づいて制度化され、韓国、中国などにおいても制度化されるなど、広く導入されている。多くの国のSEAは政策、計画、プログラムの策定に環境配慮の組み込みを図る制度となっている。
 SEA の導入は、本研究会が平成12 年8 月に取りまとめた戦略的環境アセスメント総合研究会報告書にあるように、政策や上位の計画において、既に事業の枠組みが決定されているために、環境アセスメントを事業の実施段階で行ったのでは、意思決定段階として遅すぎ、また、検討の幅が限られてしまうために環境の保全に有効な案の検討が行えない等の事業の実施段階の環境アセスメントの限界を補い、計画に環境配慮を適切に組み込むものであり、持続可能な社会の構築に資する。また、早期の段階で環境的側面について検討を適切に行うことにより、法に基づく環境影響評価の段階での事業内容の検討の手戻りを回避することにも資することとなる。

 本研究会は、前述の報告書として取りまとめ、公表した戦略的環境アセスメントのシステムについての考え方を基礎として、今般、その後の諸外国や地方公共団体の動向を参考にしつつ、計画制度や環境影響評価制度の成り立ち等が国によって様々であることを踏まえ、第三次環境基本計画で上位計画の決定に当たってのSEA の制度化に向けた取組の一環として定められた、我が国における計画の特性や計画決定プロセス等の実態に即したSEA の「共通的なガイドライン」の取りまとめに向けた検討を行った。
 この「共通的なガイドライン」は、計画策定プロセスや手続等が異なる様々な事業について、計画策定の早期の段階での環境配慮の組み込みに向けたシステムの基本的な考え方等を示すものである。また、「共通的なガイドライン」は、地方公共団体において今後このようなシステムの導入を検討する際の参考に供することも目的としている。
 ただし、今回は、これまでの環境影響評価の経験や実績の積み重ねを基礎として、現行環境影響評価法の対象事業に係る計画(事業の位置・規模等の検討段階のもの)を対象に検討を行い、その策定の早期の段階で環境配慮を促進させる戦略的環境アセスメントのガイドラインを示すものとした。
 我々は、本ガイドラインに基づいて各計画に応じたシステムが早急に導入され、各計画に適切な環境配慮が組み込まれることにより、持続可能な社会の構築への新たな歩みが加速されることを期待するものである。


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