経済産業省(2008):Cool Earth−エネルギー革新技術計画


Cool Earth −エネルギー革新技術計画について

 経済産業省では、平成20年3月5日、「Cool Earth−エネルギー革新技術計画」をとりまとめました。

1.検討の背景
 2007年5月、総理が「美しい星50(クールアース50)」を発表しました。世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比べて2050年までに半減するという長期目標を提案しました。 この目標の実現には、革新的技術の開発が不可欠です。 このため、経済産業大臣の下に有識者会議を設置し、「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」の策定を進めてきました。

2.検討の経緯
 第1回有識者会議:平成19年 8月31日
 第2回有識者会議:平成19年11月27日
第3回有識者会議:平成20年 3月 5日

3.「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」の概要
 エネルギー分野において、世界トップ水準の技術を有する我が国は、世界をリードできる技術分野に研究開発資源を重点化し、技術開発を加速・推進することにより競争力を強化・維持しつつ、技術は我が国の貴重な資源であるとの認識に立って、国際的な連携を協力に推進し、世界全体で2050年までの温室効果ガス排出量大幅削減に積極的に貢献していくことが必要です。このため、以下の検討を行いました。

・2050年の大幅削減に向けて、我が国が重点的に取り組むべき革新技術として「21」技術を選定
・長期にわたる技術開発のマイルストーンとして、各技術のロードマップの作成
・長期的視点から技術開発を着実に進めるためのロードマップを軸とした国際連携のあり方

 本報告書は、こうした検討内容を、「Cool Earth -エネルギー革新技術計画」有識者会議報告としてとりまとめたものです。

○「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」(概要)(PDF形式:372KB)  
○「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」(PDF形式:1,700KB)  
○Cool Earth-エネルギー革新技術 技術開発ロードマップ(PDF形式:817KB)


Cool Earth-エネルギー革新技術計画

 平成20年3月 経済産業省による(54p)。

目 次

1. はじめに………1
2. 重点的に取り組むべきエネルギー革新技術について………2
 (1) 重点的に取り組むべきエネルギー革新技術の絞り込みの考え方………2
 (2) 重点的に取り組むべきエネルギー革新技術「21」………2
 (3) 2050年に向けたエネルギー技術開発ロードマップ………5
3. エネルギー革新技術開発における国際的な連携の推進について………41
 (1) 世界におけるエネルギー技術開発の現状・技術ロードマップ策定の状況………41
 (2) 国際連携のあり方………43
 (3) エネルギー分野における国際連携の現状と今後の方向性………44
4. エネルギー技術面から見た2050年の社会システムの姿………48
5. おわりに−計画の着実な実施に向けて−………51

(別添) Cool Earth-エネルギー革新技術の技術開発ロードマップ

1. はじめに
 平成19年5月24日、地球温暖化に関する総理のイニシアティブ「美しい星50(クールアース50)」が発表され、この中で、世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比して2050年までに半減するという長期目標が提案された。この目標の実現は、従来の技術の延長では困難であり、革新的技術の開発が不可欠であるとされている。
 平成19年6月に開催されたハイリゲンダムサミットでは、気候変動が主要テーマの一つとなり、「2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減することなどを真剣に検討する」こと、技術開発については、「エネルギー安全保障を強化するとともに、気候変動を抑える鍵である」との位置づけでG8首脳の合意が得られた。
 エネルギー分野において、世界トップ水準の技術を有する我が国は、世界をリードできる技術分野に研究開発資源を重点化し、技術開発を加速・推進することにより、我が国の競争力を強化・維持しつつ、技術は我が国の貴重な資源であるとの認識に立った上で、国際的な連携を強力に推進し、世界全体での2050年までの大幅削減に積極的に貢献していくことが必要である。
 このため、2050年を見通した上で、エネルギー分野における革新的な技術開発の具体的な取組のあり方について検討を進めてきた。検討にあたっては、まず、2050年の大幅削減に向け我が国として重点的に取り組むべき技術を特定した上で、長期にわたる技術開発を着実に進めるためのマイルストーンとして、各技術の開発に向けたロードマップを作成した。次に、大幅削減は、国際的な協調なくしては達成しえないと考えられることから、技術開発に関する国際的な連携のあり方を検討した。特に、長期的な視点に立って技術開発を着実に進めるには、各国が技術開発の方向性を共有することが必要であり、ロードマップを軸とした国際連携のあり方について検討を行った。
本報告書は、こうした

5.おわりに−計画の着実な実施に向けて−
(技術開発の進捗に応じた適切な官民の役割分担)

 策定した技術開発ロードマップに沿って政府が研究開発投資を行う際には、市場化に近い段階にある技術については応分の民間負担を得る等、技術開発の進捗状況を踏まえた適切な官民の役割分担が必要である。また、技術開発の進捗状況に応じ、基礎的な研究開発を進めるべきもの、実用化・実証研究に重点的に取り組むべきものの双方に、適切な資源配分を行うことが必要である。
 また、産学官の緊密な連携とともに、業種間の垣根を越えた連携によって、技術の開発とその成果の普及を推進していくことが必要である。

(研究開発成果の円滑な普及・市場導入)
 公的機関への率先導入といった導入支援、国際標準化のための議論への積極的な参加、必要な制度・インフラの整備の検討等を併せて進めることにより、本計画に基づく技術開発の成果の導入・普及を促進していくことが必要である。

(技術開発ロードマップの定期的な見直し等)
 技術開発競争が激化し、技術革新のスピードが増加している中で、ロードマップに示されたマイルストーンを柔軟に見直していくことが必要である。本計画は10年間を第1フェーズとして推進し、今回策定した技術開発ロードマップについては、産学官の関係者の議論を踏まえて定期的に見直しを行うこととする。


エネルギー革新技術「21」
【発電・送電−効率向上】

 1)高効率天然ガス発電
 2)高効率石炭火力発電
 6)超電導高効率送電
【発電・送電−低炭素化】
 3)二酸化炭素回収・貯留(CCS)
 4)革新的太陽光発電
 5)先進的原子力発電
【運輸】
 7)高度道路交通システム
 8)燃料電池自動車
 9)プラグインハイブリッド自動車・電気自動車
 10)バイオマスからの輸送用代替燃料製造
【産業】
 11)革新的材料・製造・加工技術
 12)革新的製鉄プロセス
【民生】
 13)省エネ住宅・ビル
 14)次世代高効率照明
 15)定置用燃料電池
 16)超高効率ヒートポンプ
 17)省エネ型情報機器・システム
 18)HEMS(House Energy Management System)/BEMS(Building Energy Management System)/地域レベルEMS(Energy Management System)
【部門横断】
 19)高性能電力貯蔵
 20)パワーエレクトロニクス
 21)水素製造・輸送・貯蔵
 3)CCS(再掲)


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