『1.2 資源の分類
ここで資源(resource)という言葉について考えてみましょう。現代社会ではよく資源という言葉が使われますが、そもそも資源とは一体何でしょうか。
広辞苑によれば、資源とは「生産活動のもとになる物質・水力・労働力などの総称」とあります。すなわち、物質、エネルギー、情報など、私たちが生産活動に利用できるものは、なんであれすべてが資源ということになります。したがって、資源とは現在の文明にとって、そして私たちの毎日の生活にとって必要不可欠な要素ともいえるのです。
しかし、一口に資源といっても実際面でのその言葉の意味するところや用いられ方はさまざまの場合によって異なり、必ずしも明瞭なものではありません。
私たちが資源という場合、ふつう天然資源(natural resource)をさすことが多いようです。自然界に存在する金属鉱物資源(metallic
mineral resource)や石油や石炭などの化石燃料資源(fossil fuel resource)はその代表であり、いわゆる地下資源(underground
resource)です。このほか水や森林なども重要な天然資源です。これらを狭義の資源ということにします。
資源はその用途により、エネルギーを得るためのもの(エネルギー資源)と原料として用いるもの(原料資源)との二つに大別することができます。いま、天然資源を地下資源を中心に分類し、それぞれをさらに類別して、具体的な例をあげると、おおよそ図1.2のようになります。
地下資源 | エネルギー資源 | 化石燃料資源 | 石油、石炭、天然ガスなど | |
核燃料資源 | ウラン鉱、トリウム鉱、海水など | |||
自然エネルギー | 太陽、水力、風力、潮汐、地熱エネルギーなど | |||
原料資源 | 鉱物資源 | 金属鉱物資源 | 鉄鉱石、ボーキサイト、銅鉱石など | |
非金属鉱物資源 | 石灰石、粘土鉱物、リン鉱など | |||
化石燃料資源 | 石油、石炭など |