葉賀(1985)による〔『日本の金銀鉱石 第三集』(226、227p)から〕


わが国産金・産銀の推移

葉賀 七三男

1.はじめに
2.明治以降の産金・産銀
3.江戸時代以前の産金・産銀
4.古代における産金・産銀

5.おわりに
 わが国の産金量は、前述のとおり明治以降1,205トン、江戸時代100トン、安土桃山時代225トン、室町時代以前30トン、総計で1,560トンとなる。産銀量は、明治以降34,024トン、江戸時代6,600トン、安土桃山時代1,100トン、室町時代以前10トン、総計で41,734トンとなる。したがって、昭和59年末では産金約1,600トン、産銀45,000トンと見込まれる。なお、比較のために世界の産金、産銀の好資料(25)表4として紹介しておくこととする。1849年以降のカリフォルニアのゴールドラッシュがいかに大規模のものであったかをうかがうことができよう。
表4 亜米利加発見以来の世界金銀産出高一覧表
期間 金 kg 銀 t 金銀比
1493〜1520
1521〜1544
1545〜1560
1561〜1580
1581〜1600
1601〜1620
1621〜1640
1641〜1660
1661〜1680
1681〜1700
1701〜1720
1721〜1740
1741〜1760
1761〜1780
1781〜1800
1801〜1810
1811〜1820
1821〜1830
1831〜1840
1841〜1850
1851〜1855
1856〜1860
1861〜1865
1866〜1870
1871〜1875
1876〜1880
1881〜1885
1886
1887
1888
1889
1890
1891
1892
1893
162,117
171,541
135,923
136,562
147,343
170,103
165,711
175,094
184,877
214,925
255,953
380,935
491,342
413,378
355,180
177,472
114,251
141,912
202,536
546,636
995,203
1,006,992
923,673
973,431
868,005
860,568
744,386
159,217
158,879
165,521
185,486
178,516
196,242
219,746
236,163
12,615,822
1,313.7
2,161.0
4,976.9
5,979.6
8,363.4
8,443.3
7,858.3
7,313.2
6,735.1
6,826.1
7,099.6
8,609.0
10,644.3
13,032.1
17,550.6
8,925.9
5,398.3
4,597.6
5,954.1
7,790.6
4,422.9
4,517.1
5,496.2
6,683.8
9,830.0
12,230.0
14,283.6
2,896.2
2,984.7
3,379.1
3,732.6
3,915.3
4,259.2
4,748.8
5,023.1
237,968.2
11.0:89.0
7.4:92.6
2.7:97.3
2.2:97.8
1.7:98.3
2.0:98.0
2.1:97.9
2.3:97.7
2.7:97.3
3.1:96.9
3.5:96.5
4.2:95.8
4.4:95.6
3.1:96.9
2.0:98.0
1.9:98.1
2.1:97.9
3.0:97,0
3.3:96.7
6.6:93.4
18.4:81.6
18.2:81.8
14.2:85.6
12.7:87.3
8.1:91.9
6.6:93.4
5.0:95.0
5.2:94.8
5.0:95.0
4.6:95.4
4.7:95.3
4.3:95.7
4.4:95.6
4.5:95.5
5.0:95.0
5.3:94.7

 最後に産金、産銀量について種々示教を賜わった京都大学名誉教授小葉田淳、広島工業大学教授(日本鉱業史研究会々長)土井正民、故愛媛大学教授宮久三千年の諸先生、また拙論発表の機会を与えられた鹿児島大学教授浦島幸世先生に篤く感謝申し上げる次第である。』

文献(関係分のみ)
(25) 官報(1896):亜米利加発見以来の世界金銀産出高一覧表。