牧・松本(2000)による〔『石灰石鉱業の現状と課題』(23-25p)から〕


1.はじめに

2.石灰石鉱床〜鉱床分布と稼行状況〜
 世界の炭酸塩岩の分布の概要は第1図(略)に示されている。
 世界の地表面における炭酸塩岩の分布面積は陸地面積のおよそ12%であろうと推定されており、北半球での分布面積が大きいのが特徴となっている。
 また、世界の石灰石の生産量並びに国別ベスト10は第1表に示す通りとなっている。
第1表 世界の石灰石生産量。(単位:千トン)
  国名 1991 1992 1993 1994 1995
1 アメリカ 655,440   711,000 788,000 801,000
2 中国 317,250 386,050 459,370 523,940 553,330
3 日本 206,840 203,850 200,460 202,480 201,090
4 イタリア 120,000 125,000 120,000 120,000 120,000
5 イギリス 94,100 89,100 93,930 106,830 97,200
6 インド 71,020 75,170 82,100 86,200 90,000
7 韓国 59,220 65,450 76,890 28,810 87,230
8 ドイツ 58,110 63,000 59,900 62,270 60,000
9 ブラジル 60,000 60,000 60,000 60,000 60,000
10 ロシア   89,440 71,540 54,400 53,940

世界の合計
  2,960,000 3,140,000 3,070,000  
米国地質調査所(1995、1996)、Minerals YearBookより作成。

 日本の石灰石鉱床の分布は第2図(略)に示されている。また、日本の石灰石の地質時代別分布図は第3図(略)に示されている。
 石灰石鉱床の生成時代は、古生代シルル紀から現代も生成しつつある珊瑚礁のものにまでわたっている。しかし、鉱山として稼行されている大規模な鉱床は古生代石炭紀・二畳紀・三畳紀に集中している。ジュラ紀鳥の巣層にも石灰岩層は発達するが、大きなものは僅かである。白亜紀のオルビトリナ石灰岩なども稼行の対象となると思われるものは北海道中部の一ヵ所位のようである。地理的に見れば、石灰岩に恵まれているところは北上山地、美濃帯などが上げられる。岡山−広島の県境付近、山口県西部−福岡県東部一帯のほか、四国、九州、西南日本外帯も二畳−石炭系の石灰石の多い地方である。新生代層には南西諸島の隆起石灰岩層がある。石炭紀、二畳紀のフズリナ(紡錘虫)による分帯例は、第2図のとおりである。
 現在稼行中の鉱山において確認されている石灰石の可採鉱量(確定可採粗鉱量)は、約100億トンである。』

3.石灰石の用途と品質条件
4.石灰石鉱業(技術)の変遷

(1)生産と需要の推移
  ◎生産
  ◎需要
(2)採掘法の変遷
  ◎積込、運搬
  ◎採鉱能率
(3)輸送方法の変遷
(4)鉱害防止
(5)環境保全
(6)協調採掘
5.業界の現状と課題
  現状
  今後の課題
参考文献