稲垣・小丸(1992)による〔『西暦2000年の資源地質』(128p)から〕


我が国の可塑性粘土の現状と今後の問題

稲垣 昇・小丸伊久雄

Abstract

1.はじめに
  バブル景気という事情も手伝ったと思うが、タイル衛生陶器の出荷量の伸びは近年、年次約6%の高成長率を示している。従って原料の使用量も増加し、粘土の枯渇化に拍車をかける状況となった。此処に最も身近な窯業原料という意味で木節粘土と蛙目粘土に視点を置き、現在欧米では原料をどのように扱っているかを紹介し、今後どの様に対処したら良いのかの私見を述べて見たい。
 なお可塑性粘土とは可塑性のある堆積性層状粘土を総称し、木節粘土、蛙目粘土はこれに含まれる。欧文では焼成呈色が白いのをBall-clayと呼び、その他をPlastic clayと呼んでいる。』

2.最近7年間に於ける粘土採掘量と埋蔵鉱量
3.海外の可塑性粘土の開発の現況
@可塑性粘土の堆積時代と粘土の品質
A可塑性粘土の年産量と開発の状況
4.枯渇化対策の私見
(1)東濃、瀬戸地区鉱床の見直し
(2)低品質粘土の改質
(3)本邦近隣諸国のBall-clayの問題
5.結語
文献