梶原(1977)による〔『現代鉱床学の基礎』(215p)から〕


第15章 先カンブリア縞状鉄鉱層

梶原良道

§1 まえがき
 世界各地の楯状地およびそれらの周辺台地には、チャート起源のけい質岩薄層と鉄鉱物を主とした薄層との細かい互層から成る縞状構造の顕著に発達した鉄鉱層(iron-formation)−縞状鉄鉱層(banded iron-formation、略称BIF)−が広く分布している。これらは先カンブリア界を特徴づける、重要な、地殻表面で生じた岩石(supracrustal rocks)の一つであり、その成因に関する研究は地球進化史を理解するうえできわめて大きな意義を有している。これらは、また、世界の代表的鉄鉱資源として、その経済的価値もきわめて高い。ちなみに、縞状鉄鉱層として現在なお保存されている鉄鉱石総資源量は少なくとも4.7×10^12トンと見積もられており、これは世界の全鉄鉱石総資源量7.8×10^12トンの約60%に相当している。』

§2 記載岩石学的特徴
2.1 組織構造
2.2 鉄鉱相
2.3 化学組成
2.4 鉱物組成
2.5 アルゴマ型とスペリオル型
§3 分布−鉱床区・鉱床期
3.1 北アメリカ大陸
3.2 南アメリカ大陸
3.3 オーストラリア大陸
3.4 アフリカ大陸
3.5 インド亜大陸
3.6 ユーラシア大陸
§4 大陸造構造史的背景
§5 環境進化史的背景
主な参考書