『(2)放射性廃棄物の分類
放射性廃棄物とは*『放射性物質および放射性物質によって汚染された物で廃棄しようとするもの』である。このように廃棄しようとしたときから廃棄物になる。廃棄物は、すべての工業産業過程において、形状は異なるが発生する。しかし、放射線および原子力施設(以後、単に原子力施設と書く)から生ずる廃棄物には放射線を発生するものが含まれており、廃棄物としての危害の上に放射線による危険性が加わる。
*放射性廃棄物の定義は下記の諸規定において行われており「核燃料物質および核燃料物質によって汚染された物で廃棄しようとするもの」となっている。
@試験研究の用に供する原子炉などの設置、運転に関する規則
A実用発電用原子炉の設置、運転に関する規則
B実用船舶用原子炉の設置、運転に関する規則
C核燃料物質などの工場又は事業所の外における廃棄に関する規則など
放射性廃棄物は、各種の物理的、化学的形態をし、多くの産物よりなり、多種類の放射性核種で構成され、濃度レベルも異なる。そこで、いろいろな方法により分類されているが、その代表的なものを表13.1に示す。
形態 |
気体 液体 固体 |
濃度レベル |
高レベル 中レベル 低レベル |
発生源 |
放射性同位元素取扱事業所 原子力発電所 再処理工場 その他 |
半減期 |
短半減期 長半減期 |
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Bq/m3 |
Bq/m3 |
Bq/m3 |
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極高レベル | >3.7×1015 | ||||
高レベル | >3.7×1013 | 高レベル | 3.7×1015〜3.7×1013 | 高レベル | >3.7×1014 |
中レベル | 3.7×1013〜3.7×1010 | 中レベル | 3.7×1013〜3.7×107 | 中レベル | 3.7×104〜3.7×10 |
低レベル | 3.7×1010〜3.7×107 | 低レベル | 3.7×107〜3.7×104 | 低レベル | 3.7×10〜3.7×10-2 |
極低レベル | <3.7×107 | 極低レベル | <3.7×104 | 極低レベル | <3.7×10-2 |
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mSv/h |
Bq/m3 |
Bq/m3 |
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高レベル | >20 |
極高レベル 高レベル 中レベル |
>3.7×1014 3.7×1014〜3.7×109 3.7×109〜3.7×107 |
高レベル | >3.7×104 |
低レベル | 20〜2 | 低レベル | 3.7×107〜3.7×104 | 低レベル | 3.7×104〜3.7 |
極低レベル | <2 | 極低レベル | <3.7×104 | 極低レベル | <3.7 |
ただし、α固体廃棄物は別区分としてBq/m3で表示する | |||||
注)1964年6月12日廃棄物処理専門部会報告書より引用。この場合報告書の1mR/hを0.01mSv/hに換算した。 |