平成22年度・新入社員のタイプは「ETC型」  http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity000974.html
 公益財団法人日本生産性本部の「職業のあり方研究会」による。


平成22年度・新入社員のタイプは「ETC型」

 新入社員タイプは、公益財団法人 日本生産性本部の「職業のあり方研究会」(座長:夏目孝吉 文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所所長、日本生産性本部 社会労働部「就職力センター」センター長)が命名し、毎年発表を行っている。学識経験者などで構成される当研究会では、多くの企業・学校等の就職・採用関係者の協力を得て、本年4月の新卒入社者の特徴を検討し、タイプの命名を行ったので、ここに発表する。

平成22年度・新入社員のタイプについて

「ETC型」
性急に関係を築こうとすると直前まで心の「バー」が開かないので、スピードの出し過ぎにご用心。IT活用には長けているが、人との直接的な対話がなくなるのが心配。理解していけば、スマートさなど良い点も段々見えてくるだろう。“ゆとり”ある心を持って、上手に接したいもの。


ネーミング詳細

 厳しい就職戦線をくぐり抜けてきた今年の新入社員は、携帯電話などIT活用にも長けており、情報交換も積極的。時間の使い方も効率的で物事をスムーズに進めるようなスマートさもある。また、CO2の排出量削減など環境問題への関心も高い。
ただ、ドライバーと徴収員との対話がなくなったように、効率性を重視するあまり人との直接的なコミュニケーションが不足する場面も。
打ち解けて心を開くまで時間が掛かるため、性急に関係を築こうとすると直前まで心のバーが開かないので、上司や先輩はスピードの出し過ぎにご用心。理解しようとすれば、仕事のスマートさやIT活用の器用さなどメリットも見えてくるので、会社は、ゆとりをもって接し、永く活躍できるよううまく育ててほしい。

〜就職環境〜
 前年は、後になって内定取り消しが関心を集めたものの、大量採用する企業が多く、売り手市場だったと言われた。一転して今年は、世界金融危機以降の先行き不透明感から採用に慎重な企業が目立った。特に学生に人気の業種で採用を減らす企業が多く、このため就職活動が難航した学生が多かった。

*ETCとは : 高速国道等を利用する際に料金所で停止することなく通行料を収受し、通過できるシステム。専用機器を搭載した車両が接近すると無線にて情報収集(情報確認)を行い料金所のバーが自動的に上がる仕組み。渋滞緩和に一役買いCO2排出量の削減にも貢献。ETCによる通行料金の支払額に応じてポイントが貯まるマイレージサービス(ポイントを還元額(無料通行分)と交換可能)もある。(Electric Toll Collection systemの略)


入社年度

タイプ

特徴
2009 エコバック型 環境問題(エコ)に関心が強く、節約志向(エコ)で無駄を嫌う傾向があり、折り目正しい。小さくたためて便利だが、使うときには大きく広げる(育成する)必要がある。酷使すると長持ちしない(早期離職)が、意外に耐久性に優れた面もあり、活用次第で有用となるだろう。早く消費を上向かせ、エコバッグを活用する機会を増やしたいものである。
2008 カーリング型 冬季オリンピックでおなじみになったカーリング、新入社員は磨けば光るとばかりに、育成の方向を定め、そっと背中を押し、ブラシでこすりつつ、周りは働きやすい環境作りに腐心する。しかし、少しでもブラシでこするのをやめると、減速したり、止まってしまったりしかねない。
また、売り手市場入社組だけに会社への帰属意識は低めで、磨きすぎると目標地点を越えてしまったり、はみだしてしまったりということもあるだろう。就職は楽勝だったかもしれないが、サブプライムローンの問題等の影響により経済の先行きは一気に不透明になった。これからも波乱万丈の試合展開が予想され、安心してはいられない。自分の将来は自分の努力で切り開いていくという、本人の意志(石)が大事になろう。
2007 デイトレーダー型 景気の回復で久々の大量採用だったが、氷河期前とは異なり、細かい損得勘定で銘柄(会社)の物色を継続し、安定株主になりにくい。売り手市場だっただけに、早期転職が予想される。ネットを駆使した横のつながりで情報交換が活発だが、情報に踊らされない慎重さも必要。
2006 ブログ型 表面は従順だが、様々な思いを内に秘め、時にインターネット上の日記を通じ大胆に自己主張する。繊細な感受性とブログ的なネットワーク力に優れるが、パソコンに語るだけに止まる傾向もある。
2005 発光ダイオード型 電流を通す(=ちゃんと指導する)と、きれいに光る(=いい仕事をする)が、決して熱くはならない(=冷めている)。
2004 ネットオークション型 ネット上で取引が始まり、良いものには人気が殺到しさっさと売れる一方で、PR不足による売れ残りも多数。一方で、ブランド名やアピールに釣られて高値で落札したものの、入手後にアテが外れることもある。
2003 カメラ付ケータイ型 その場で瞬時に情報を取り込み発信するセンスや処理能力を持ち、機能も豊富だが、経験や知識がなかなか蓄積されない。また、中高年者にとって使いこなしきれない側面もある。
2002 ボディピロー型
(抱き付き枕)
クッション性あり、等身大に近いので気分はいいが、上司・先輩が気ままに扱いすぎると、床に落ちたり(早期退職)、変形しやすいので、素材(新人の質)によっては、いろいろなメンテナンスが必要となる。
2001 キシリトールガム型 種類は豊富、価格も手ごろ。清潔イメージで虫歯(不祥事)予防に効果ありそうで、味は大差ない。
2000 栄養補助食品型 ビタミンやミネラル(語学力やパソコン活用能力)を豊富に含み、企業の体力増強に役立ちそうだが、直射日光(叱責)に弱く、賞味期限(試用期間)内に効果(ヤル気)薄れることあり。
1999 形態安定シャツ型 防縮性、耐摩耗性の生地(新人)多く、ソフト仕上げで、丸洗い(厳しい研修・指導)OK。但し型崩れ防止アイロン(注意・指示)必要。
1998 再生紙型 無理な漂白(社風押し付け)はダイオキシン出るが、脱墨技術(育成法)の向上次第で新タイプの紙(新入社員)として大いに市場価値あり。
1997 ボディシャンプー型 泡立ち(適応性)よく、香り(個性)楽しめるが、肌(会社体質)に会わないこともある。石鹸(従来社員)以外に肌を慣らすことも必要。
1996 床暖房型 断熱材(評価)いれないと熱(やる気)が床下(社外)に逃げる。
1995 四コママンガ型 理解に時間がかからず傑作もある一方で市場にあふれているので安く調達できる。
1994 浄水器型 取り付け不十分だと臭くてまずいが、うまくいけば必需品。
1993 もつ鍋型 一見得体知れずで厄介だが、煮ても焼いても食えそう。
1992 バーコード型 読み取り機(上司)次第で、迅速・正確・詳細な処理可能。
1991 お仕立券付ワイシャツ型 価格高く仕立てに時間かかり、生地によっては困難。
1990 タイヤチェーン型 装着大変だが、装着の具合次第で安全・駆動力OK。
1989 液晶テレビ型 反応早いが、値段高く色不鮮明。改良次第で可能性大。
1988 養殖ハマチ型 過保護で栄養分高いが、魚らしくピチピチしていない。
1987 テレフォンカード型 一定方向に入れないと作動しないし、仕事が終わるとうるさい。
1986 日替わり定食型 期待したわりには変わり映えせず、同じ材料の繰り返し。
1985 使い捨てカイロ型 もまないと熱くならず、扱い方もむずかしい。
1984 コピー食品型 外見のみ本物風で手間いらずだが、歯ごたえなく栄養も心配。
1983 麻雀牌型 大きさと形同じで並べやすいが、中身はわからず。
1982 瞬間湯沸かし器型 新式と旧式の二種類存在し、反応・熱意が正反対。
1981 漢方薬型 煎じ方悪ければ、効き目なく副作用生じる
1980 コインロッカー型 小じんまりと画一的で、外見も反応もすべて同じ。
1979 お子様ランチ型 何でも揃って綺麗だが、幼さ抜けず歯ごたえなし。
1978 カラオケ型 伴奏ばかりで他と音程合わず。不景気な歌に素直。
1977 人工芝型 見た目きれいで根が生えず、夜のネオンでよみがえる。
1976 たいやきクン型 頭から尾まで過保護のアンコがギッシリ。
1975 カモメのジョナサン型 群れから外れやすく上空からしらけた眼で見ている。一方でめざとい。
1974 ムーミン型 人畜無害でおとなしいが、大人か子供か得体知れず。
1973 パンダ型 おとなしく可愛いが、人になつかず世話が大変。
資料出所:「現代コミュニケーション・センター」〔所長 坂川 山輝夫 氏〕資料より(※昭和48年度から平成14年度までは、現代コミュニケーション・センターが命名・発表)


【参考】


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