数
字
・
アルファベット |
DJ(ディスクジョッキー) |
Disc
jockey |
ディスクジョッキー(disc jockey)または単にDJ(ディージェイ)とはラジオ番組の司会者、あるいはディスコやクラブ、パーティー、ライブ、野外レイブなどでレコードなどの録音媒体を使い音楽を掛ける人である。 |
DTM(デスクトップミュージック) |
|
デスクトップミュージック(英語:desktop
music 、略称:DTM)とは、パソコンと電子楽器をMIDIなどで接続して演奏する音楽、あるいはその音楽制作行為の総称。"DTP"(デスクトップパブリッシング)をもじって作られた和製英語である。
電子楽器を使わない場合もこの呼称を使う。
この言葉が使われ始めた1990年代前半当時狭義のDTMはパソコンの使用を前提とし、かつ日常的な環境においてある程度限定された規模での音楽制作を指す場合が多い。ローランドのSCシリーズ等を始めとする音源モジュールをパソコンと接続し、その音源モジュール1台にボーカル以外のすべての演奏を任せるというシステムがDTMの一般的な形であった。
DTMはパソコンの使用が前提であるため、パソコンを使わず、シーケンサー専用機やシーケンサー内蔵シンセサイザーを単体で使用する場合はいわゆる打ち込みには含まれるがDTMとは通常呼ばれない。
ユーザーが楽曲制作上で中心的に操作するのは演奏データを入力し、自動演奏を行うパソコンのシーケンスソフトである。パソコンのシーケンサーソフト上に表示される譜面に、マウスで音符や休符を置くといった作業、または音源モジュールと接続されたMIDIキーボードを演奏して、シーケンサーソフトにリアルタイム入力をするといった作業によって自動演奏データ/カラオケデータを作成していくのである。
このDTMに対して高価な機材やソフトウェアを導入したり、プロユースに耐えうる本格的なシステムを構築したりする音楽制作の環境をデジタルオーディオワークステーション(DAW)と呼んでしばしば差別化する。ただし昨今のコンピュータの高性能化やソフトウェアの進歩、ハイエンド環境のコストの低下、それらに伴うDTMを取り巻く状況の変化などから、互いの決定的な違いはレコーディング環境程度になってきているとも言える。このため昨今では「DTM」が、「DAW」を内包するより広義な意味で使われることも少なくない。 |
J-POP |
J-pop |
J-POP(ジェイポップ、英: Japanese
Popの略)は、日本のポピュラー音楽、ポップ・ミュージックを指す言葉である。特に1990年代から次世代にかけて若者が歌唱する曲のジャンルである。 |
MIDI |
MIDI |
MIDI(ミディ、Musical
Instrument Digital Interface)は、日本のMIDI規格協議会(JMSC、現在の社団法人音楽電子事業協会)と国際団体のMIDI
Manufacturers Association (MMA) により策定された、電子楽器の演奏データを機器間でデジタル転送するための世界共通規格。物理的な送受信回路・インタフェース、通信プロトコル、ファイルフォーマットなど複数の規定からなる。 |
R&B(リズム・アンド・ブルース) |
Rhythm
and
blues |
リズム・アンド・ブルース(英: Rhythm
and blues)は、音楽のジャンルである。略称はR&B(アール・アンド・ビー)またはRnB、RB。
スイング感のあるリズムとビートに乗りながら、叫ぶように歌うのが特徴。のちのロックンロールなどのジャンルにも影響を与えた。1940年代後半に、ジャズやブルース、ゴスペルといったブラック・ミュージックが発展する形で生まれた。 |
Word
painting |
Word
painting |
Word painting(またはtone
painting or text painting、ドイツ語:Sinnbild(象徴、表象、比喩))とは、音楽が歌を文字通りに模倣する音楽技法。たとえば、上がることに関する歌詞には上昇する音階が伴い、死に関する歌詞には遅く暗い音楽が伴う。
Word paintingは遅くともグレゴリオ聖歌まで遡る。短い音楽パターンは喜びなどのような感情のみならず神学的な意味も表現する音楽の言葉である。たとえば、ファ-ミ-ソ-ラのパターンはキリストの屈辱と死および栄光の復活を意味する。具体的に言うと、ファ-ミが非難を意味する一方で、ソは復活の、ラは復活のさらに上、つまりキリストの天の栄光(surrexit Jesus)の音調となる。このような音楽的言葉は聖書のラテン語テキストの言葉にあてはめられる。たとえば、ファ-ミ-ソ-ラは「et
libera」(六旬節の日曜日の入祭唱)にあてはまり、それは死と復活を通して、キリストが人々を罪から解放することを意味する。 |
あ |
ア・カペラ |
A cappella |
ア・カペラ(イタリア語 : a cappella)は、簡素化された教会音楽の様式のこと。また、そこから転じて、教会音楽に限らず無伴奏で合唱・重唱を行うこと、またはそのための楽曲全般を指す。日本語では「アカペラ」、あるいはイタリア語の発音に近い「ア・カペッラ」、英語発音に近い「アーカペラ」と表記されることもある。 |
アンサンブル |
|
アンサンブル (ensemble) とは、音楽用語で2人以上が同時に演奏すること。
合奏、重奏、合唱、重唱の意味、あるいはそれらの団体の意味にも用いられる。一般的に、オーケストラ(管弦楽団)は規定の楽器編成を満たした大人数の演奏団体(50人から100人前後)を意味するため、これに含まれない室内楽の演奏団体をアンサンブルと呼ぶことが多い。
古典派やロマン派では、室内楽の編成として弦楽四重奏やピアノ三重奏、木管五重奏、金管五重奏などのある程度固定化された演奏形態が存在し、これらのうち独立した団体として頻繁に演奏活動を行う団体もあるが、それ以上の人数でなおかつ標準的なオーケストラまでは必要としないアンサンブルとなると、室内管弦楽団(チェンバー・オーケストラ)という名称の演奏団体として活動するか、フルオーケストラの中の抜粋メンバーがそれらの音楽を演奏する。また、金管のみいくつも必要とするなどの特殊編成の場合はオーケストラのメンバーだと賄いきれず、金管奏者のみが多数揃った金管アンサンブルが演奏を担う(他の楽器でも同様)。
古楽や現代音楽では独特の編成を持つ楽曲も多く、これらの曲を専門に手がける演奏団体が存在し、それらのうちのいくつかはアンサンブルという名称を名乗っている。 |
歌 |
Song |
歌、唄(うた)とは、声によって音楽的な音を生み出す行為のことであり、リズムや節(旋律)をつけて歌詞などを連続発声する音楽、娯楽・芸術のひとつである。歌謡(かよう)、歌唱(かしょう)とも。
また歌・歌謡は、文学における用語でもあり、詩の一形式または韻律文芸の総称で、和歌などを指す。 |
演歌 |
Enka |
演歌(えんか)とは、
1. 明治時代の自由民権運動において政府批判を歌に託した演説歌の略。
2. 日本の歌謡曲から派生したジャンルの一つであり、日本人独特の感覚や情念に基づく娯楽的な歌曲の分類。歌手独自の歌唱法や歌詞の性向から、同じ音韻である「艶歌」や「怨歌」の字を当てることもある。 |
演奏会 |
Concert |
演奏会(えんそうかい)またはコンサート(concert)は、専ら音楽そのものを聞きにくる聴衆をターゲットとして音楽を演奏するイベント。ポピュラー音楽においては専ら、ライブ(LIVE)とも呼ばれている。生演奏でなくても、「フィルムコンサート」「ビデオコンサート」というように使われる場合もある。
音楽の演奏を含む物であっても、オペラ、バレエ、ミュージカル等のように、演劇や踊りの付属物、伴奏としての性格が強い場合や、パーティなどで、余興、BGMとして演奏される場合は、演奏会とはみなさない場合が多い。 |
演奏記号 |
List
of
musical
symbols |
演奏記号(えんそうきごう)は五線記譜法による楽譜にあって、演奏をするために必要なさまざまな記号のうち、五線、音部記号、拍子記号、音符、休符、調号、臨時記号などをのぞいた、重要であるが記譜法上必要不可欠な要素ではない記号をいう。演奏記号には、文字を用いてことばによって示すものと、それ以外のマークやシンボルによるものとがある(どちらも記号と呼ばれる)。
文字を用いる記号を標語という。標語は基本的にイタリア語で書かれる。声楽曲の場合にはその曲の歌詞の言語で書かれることもあり、器楽曲でもドイツ語やフランス語で書かれることもあるが、全体としては例外的である。また、標語を含めた様々な音楽用語を楽語と呼ぶことがある。 |
オクターヴ |
Octave |
オクターヴとは、西洋音楽における8度音程であり、周波数比2:1の音程である。
「オクターブ」とも表記される。
西洋音楽で用いられる全音階は、古代ギリシャのディアトノンのテトラコルドに由来し、周波数比2:1の音の間を全音間隔5箇所と半音間隔2箇所で分割した七音音階である。
西洋音楽では同度を1度音程として数え始めるため、七音音階で高さの異なる同じ音に辿り着く音程が8度となる。「8番目=8度音程」を意味するラテン語は“octavus”であり、そこからフランス語“octave”、英語“octave”、ドイツ語“Oktave”、など他の各言語へと派生・定着した。
オクターヴが単に8度音程という意味であるため、厳密には重減8度・減8度・完全8度・増8度・重増8度を含むが、一般にオクターヴと表現する際は、完全8度音程やその音程を隔てた音のことを意味する。時には8度音程としての1オクターヴだけでなく、2オクターヴや3オクターヴなど、数オクターヴのことを意味することもある。また、七音音階以外の場合でも周波数比2:1の音程に対してオクターヴという用語が広く適用されることもある。
インドにおいては、オクターヴに相当する用語として、7を意味する“saptak”(サプタカ)という語が使われている。これは、1サプタカに7個の音(Sa,
Ri, Ga, Ma, Pa, Dha, Ni)が含まれているためであるが、西洋音楽とは異なり、同度を0度と数える方式によっているためである。 |
オーケストラ |
Orchestra |
オーケストラ(英: orchestra、独:
Orchester)は、管弦楽団とも呼ばれ、管弦楽曲、すなわち複数の弦楽器、管楽器および打楽器の編成による音楽を演奏するために組織された団体である。主にクラシック音楽を演奏するが、ラテン音楽やジャズ、その他のジャンルを演奏する団体もある。
『オーケストラの一覧』も参照。 |
オペラ |
Opera |
オペラ(英語・イタリア語:Opera、ドイツ語:Oper、フランス語:Opera(eの頭に´))は、演劇と音楽によって構成される舞台芸術である。歌劇(かげき)とも呼ばれる。 |
音域 |
Range |
音域(おんいき)とは、音高の範囲のことである。
『音域一覧』も参照。 |
音価 |
Note
value |
音価(音楽理論)
音価(おんか)とは、音楽において、ある音(または休止)に与えられた楽譜上の時間の長さをいう。例えば、楽譜に2分音符が示されているならば、その音符の音の長さ、つまり2拍分が、その音符の音価といえる。
音価はその音符または休符が支配する時間を示すものであるから、その符の開始点から次の符の開始点までがその符の音価である。人間の耳は音の開始には敏感であるが音の終了にはあまり注意を払わない傾向がある。特にものを叩く音のような次第に弱くなっていく音においてその傾向は顕著である。したがって、音を音価の途中で始めることはなくても音価の途中でやめることはよくあることである。スタッカートは、音符の音価の途中で音をやめることを明示する記号の一つであるし、音が持続しない打楽器や撥弦楽器では実際の音がどこで終わったのか明確でないこともある。
また、音符(または休符)が拍に対する相対的な長さを示すものである以上、音価もまたそうであって、拍の長さが(すなわちテンポが)変わればそれに伴って同じ音価も長くなったり短くなったりする。 |
音階 |
Scale |
音階(おんかい、英語: scale:スケール)は、音を音高により昇順あるいは降順にならべたものである。
旋法と混同されがちであるが、音階が単に「音を高低の順番に並べたもの」であるのに対し、旋法は旋律を構成する原理であり、終止音や音域などの規定を含む。
「音階」は西洋音楽の音楽理論用語Tonleiter,
Skala(ドイツ語)gamma(イタリア語)gamme(フランス語)scale(英語)などの訳語として明治期に日本語に登場した。それまでの日本で使われていた音階に似た用語を探すと、雅楽や声明の世界において使われていた「五声・五音」「七声・七音」「調(西洋音楽で定義される『調』とは意味が違う)」などが挙げられる(更にこれらは中国音楽の音楽理論用語からきている)。したがって基本的には「音階」とは西洋音楽理論において定義されるそれ(音を高低の順番に並べたもの)である。 |
音楽 |
Music |
音楽(おんがく、英: music)は、人間が組織づけた音。音のもつ様々な性質を利用して感情や思想を表現したもの。
音楽の定義には、「音による芸術」といったものから「音による時間の表現」といったものまで、様々なものがある。
音楽は、ある音を選好し、ある音を選好しない、という人間の性質に依存する。
音楽には以下の3つの要件がある。
1. 材料に音を用いる。
2. 音の性質を利用して組み合わせる。
3. 時間の流れの中で材料(音)を組み合わせる。
西洋音楽では、リズム(律動)、メロディー(旋律)、ハーモニー(和声)をもつものが音楽とされる。そして、このような特性をもつ音を様々な方法で発したり、聴いたり、想像したり、楽しむ行為のことをも指す。広くは人間が楽しめたり、意味を感じたりすることのできる音全体のことをさす場合もある。
音楽の歴史は、有史以前まで遡ることが出来る。
西洋音楽では、音楽の要素は、リズム、メロディー、ハーモニーの三要素からなる、と考えられている。この場合における和声、ハーモニーとはメロディとの相対的な倍音関係を構成しており、メロディをより際立たせる役割を持っている。
音楽行為に関しては、現代では一般的に「作曲」「演奏」「鑑賞」が基本として考えられている。作曲とは、作曲者の心に感じた事を音によって表現することである。演奏(えんそう)とは、再現芸術ともよばれ、作曲された音楽を実際に音として表現する行為であり、原曲を変えて演奏したり(編曲)、声楽曲を器楽曲に変える等(編曲)する行為も演奏行為とされる。鑑賞とは音楽を聴いてそれを味わったり、価値を見極めたりすることである。
音楽には様式があり、それを「ジャンル」と呼んでいる。「民族音楽」「クラシック音楽」「ジャズ」「ロック」などといった名称で呼ばれているのがそれである。
近年では人々の音楽を聴く行為を統計的に見ると、再生音楽が聴かれている割合が多くなっている。
『Category:音楽の一覧』・『音楽のカテゴリ一覧』・『Category:音楽のジャンル』・『Category:音楽作品』なども参照。 |
音楽番組 |
|
音楽番組(おんがくばんぐみ)とは、歌手、ミュージシャン、音楽家が出演し、楽曲の演奏を披露することを主体とした放送番組(テレビ番組、ラジオ番組)である。
ジャンルは歌謡曲、ポップス、J-POP、洋楽、K-POP、ロック、ジャズ、クラシックなど多種多様である。
楽曲の歌唱を主体としたものは、歌番組(うたばんぐみ)とも呼ばれる。 |
音高 |
Pitch |
音高(おんこう)、ピッチとは、
1.音楽用語
2.音声学用語
で、知覚される音の高さ、もしくは音の物理的な高さ(基本周波数[Hz])のこと。
「音高」の聴覚上の概要と物理的な意味(波数)は必ずしも一致しない。物理的な測定によってある音の基本周波数が決定されたとしても、倍音や部分音(Partial)のために、知覚される音高とは異なる場合もある。 |
音痴 |
Tone
deafness |
音痴(おんち)とは、音に対して感覚が鈍い人を指す言葉であり、とりわけ歌唱に必要な能力が劣る人を指す言葉である。自覚している場合があるが、感受性による音痴の場合、他人に指摘されないと分からない場合も見られる。
なお、音楽用語で「音痴」とは「大脳の先天的音楽機能不全(平凡社「音楽大辞典」より)」のことを指す。そのため近年では音楽教育の分野で「調子外れ」という用語が使われることがある。
一概に音痴と言うと、音程の違いを把握できずにずれてしまう、いわゆるメロディ音痴を指すことが多いが、他に
・リズムが調節できない。いわゆるリズム音痴。
・声量の調節ができない。
・音程の維持ができない。
・特定の音域を出せない。または声が不自然に裏返ったり、声量が突然小さくなったりする。
このようなケースも全てひっくるめて音痴と呼ぶようである。いずれにしても、これらの感覚や能力が劣っていると、歌が拙く聞こえてしまうことが多い。また、実際は歌えるのに、自分の歌声や表に出て歌うこと自体が恥ずかしくて声が出ない人らも音痴と自覚したりすることがある。 |
音程 |
Interval |
音程(おんてい、英語:interval、インターバル)とは、ふたつの音の高さの隔たり、あるいは関係をいう。ふつう全音階上で考え、1度から8度の度に分類された上で、細分される。完全1度はユニゾンとも呼ばれ、この場合の隔たりはゼロである。全音階上で隣り合う2音の音程は1度ではなく、2度になる。
なお、習熟の程度を問わず、いわゆる音楽家の会話では、一見音の高さそのもののことも「音程」と呼んでいるように見受けられることが頻繁にある。これは必ずしも誤った使い方ではなく、半音以内のごくわずかな音の高さの違いが話題になっている場合が多い。
この項目では主に半音以上の音程について述べている。半音未満の音程については、微分音の項目を参照。 |
音符 |
Note |
音符(おんぷ)とは、西洋音楽の楽譜において、音を書き表すのに使われる符号である。
音符は五線譜などの中で、相対的な音の長さ(音価)と時間的な位置、および高さ(音高)を表す。また、音価によってその形が異なる。それぞれの音符は、符頭(たま)、符幹(ぼう)、符尾(はた)の3部分から成るが、符尾を欠くもの、符幹と符尾を欠くものがある(符幹と符尾をまとめて符尾と呼ぶこともある)。時間的な位置と音高は、五線譜の中で符頭の位置によって示される。
音符の対になるものに休符がある。休符は音の出ないことを表す。音符や休符は原則として続けて演奏される。 |
音部記号 |
Clef |
音部記号(おんぶきごう)は楽譜に書かれている音楽記号の一種。ある位置に書かれている音符が何の音を示すのかを明示するために用いられる。
音部記号の種類
音部記号の名称には、その音部記号自体の名称と音部記号の置かれた場所による名称とがある。
音部記号自体の名称にはト音記号(高音部記号)、ヘ音記号(低音部記号)、ハ音記号(中音部記号)がある。
音部記号の置かれた場所による名称には次のものがある。
次の楽譜で、黒い全音符は中央ハ音、緑は中央ハ音のすぐ上のト音、赤は中央ハ音のすぐ下のヘ音である。
これらのうち現在最も一般的に使用されているのは、ヴァイオリン記号、バス記号の2種類であり、それぞれ記号自体の名称でト音記号、ヘ音記号と呼ばれている。そのほかアルト記号、テノール記号が補助的に使われている。この内アルト記号は記号自体の名称でハ音記号と呼ばれることも多い。
楽譜を印刷する技術が未発達であった時代には、加線をなるべく用いずに記譜できるように各種音部記号が活用されたが、現在では、上記4種以外はあまり用いられない。 |
音名・階名表記 |
Key
signature
names
and
translations |
音名・階名表記(おんめい・かいめいひょうき)
このページは西洋音楽における音の高さの書き表し方、および国ごとに異なるその言い表し方の一覧である。前者では音度・音名・階名について、後者では日・米英・独・伊・仏式について述べる。
- 音名(おんめい)は絶対的な音の高さを表す。異なるオクターブに属する同じ音には同じ音名が与えられる。すなわち、ちょうど1オクターブ異なる音には同じ名前が与えられる。ただし、後述のように、音名は楽譜の書き方に依存するので、楽譜の書き方が異なれば、同じ高さの音が出る場合でも、異なる音名となる。日本では音名に日本語の他、英語、ドイツ語が多く用いられ、国際的にはその他にイタリア語やフランス語も広く使われる。7つの幹音(かんおん、楽譜上、♯や♭を付けずに書き表せる音)には独立した名前が与えられる。そして、派生音(はせいおん、♯や♭の付く音)には、幹音の音名に♯や♭を表す言葉を付け加える。また、オクターブを示す言葉を添える場合もある。
- 階名(かいめい)は、主音に対する相対的な高さを表す言葉である。階名には一般にイタリア語を用いる。階名にあっては、調にかかわらず主音は常にDoである。ただし、短調の場合には主音をLaとすることが多い。また、数字(ローマ数字)を用いることもあるが、この場合、主音は常に i である。階名で歌うことを階名唱法と呼び、また、ドが音名に対して移動するので移動ド唱法と呼ぶことがある。これに対して、音名で歌うことを音名唱法、固定ド唱法と呼ぶ。移動ドと固定ドのどちらが有利であるかという議論は古くからあり、決着を見ることがないが、移動ドの方が理論的であると言われながら、実際には固定ドの方が多く使われているのが現状である。おおざっぱに言って歌唱や弦楽器には移動ドが、ピアノなどの楽器演奏には固定ドが適しているようである。
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音律 |
Musical
temperament |
音律(おんりつ)とは、一組のピッチクラスを与える周波数の関係の規定である。周波数の関係は比で表現されることが多いが、この比が数値として把握されることが必要条件ではない。これは「あるピッチがやや高め」というような規定の仕方もあり得ることを意味している。実践あるいは理論が依拠する音組織によって必要なピッチクラスは異なり、また音律の根拠も多様なので、これに応じて複数の音律が存在する。
一方で、英語におけるtemperamentという語は、音階中の音程を純正音程から調整して、より破綻の少ない音律を得る方式を指す。したがって
純正律やピタゴラス音律はtemperamentとは呼ばれない。 |
か |
楽音 |
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楽音
楽音(がくおん)とは、音を振動の形態によって純音・楽音・噪音の3つに分類する場合の一つである。その場合規則的な振動が持続する音のうち、純音を除いたものをいう。
楽音には明確な音の高さを感じることができる。旋律を奏でられる楽器(弦楽器・管楽器・電子音源・歌唱時の人声など)の通常の奏法で出される音は概ね楽音である。
楽音を正弦波の集合に分解(フーリエ変換)すると、 基本振動となる正弦波(基音)と、その周波数の2以上の整数倍の周波数の正弦波群(倍音)が得られる。人間はフーリエ変換に相当する作業を脳で行い、基音の周波数を「音の高さ」、倍音の組合せを「音色」として知覚している。
純音
ひとつの正弦波(単振動)の音は純音という。音叉や時報の音などは純音といわれる。純音は倍音を含まないために音色としての特徴を欠いていて空虚な印象を与える。また、器楽や発声においてハーモニクスやフラジオレットといったある種の演奏法で生じる音には、ほとんど純音と見なせるものがある。また、楽音の高さがある程度(個人差はあるが耳の良い若い人の最高値で20kHz程度)を越えると可聴域に倍音が存在しない、あるいは存在しても殆ど聴こえないため音源の種類に関わらず純音に聴こえる。
また電子楽器にはサインウェーブという名称で正弦波音色が用意されているものがある(ただし必ずしも完全な純音とは限らない)。
噪音
振動に一定の規則性が認められにくい音は噪音(そうおん)と呼ばれる。従って音高を感じにくい音である。 打撃音や物が壊れる時の音などのパルス状の音波や、摩擦音、声の子音などは噪音である。非楽音ともいわれる。 |
楽譜 |
Sheet
music |
楽譜(がくふ)は、音楽を記録するために演奏記号や符号を使って記号化したものである。一般に、西洋音楽に発祥したものを指すが、世界の音楽において、様々な楽譜が存在している。また、この記号化の規則を記譜法といい、楽譜を譜面と呼んだり、単に譜と呼んだりもする。 |
神楽 |
Kagura |
神楽(かぐら)は、日本の神道の神事において神に奉納するため奏される歌舞。
神社の祭礼などで見受けられ、まれに寺院でも行われる。平安中期に様式が完成したとされ、約90首の神楽歌が存在する。神楽は、神社に「神楽殿」がある場合、そこで行われる事が多い。
一般に、「かぐら」の語源は「神座」(かむくら・かみくら)が転じたとされる。神座は「神の宿るところ」「招魂・鎮魂を行う場所」を意味し、神座に神々を降ろし、巫・巫女が人々の穢れを祓ったり、神懸かりして人々と交流するなど神人一体の宴の場であり、そこでの歌舞が神楽と呼ばれるようになったとされる。古事記・日本書紀の岩戸隠れの段でアメノウズメが神懸りして舞った舞いが神楽の起源とされる。アメノウズメの子孫とされる猿女君が宮中で鎮魂の儀に関わるため、本来神楽は招魂・鎮魂・魂振に伴う神遊びだったとも考えられる。
神楽は、宮中の御神楽(みかぐら)と、民間の里神楽(さとかぐら)に分けられる。また幾つかの神社では、近代に作られた神楽も行われている。 |
楽器 |
Musical
instrument |
楽器とは音楽を奏でるために用いる音の出る器具である。広くは音を出すことができるものすべてを楽器とすることもあるが、一般的には音を出すために作られた器具を指す。
多くの楽器は、
・振動源(励振系):振動を作り出す部位(弦、リード、マウスピース、声帯など)
・共鳴部(共振系):共振(共鳴)によって音を大きくする部位(共鳴箱、共鳴筒、口腔など)
の双方から成っているが、後者を持たない物もある。
なお、「音を出すものでも、風鈴など演奏を目的として作られていないものは楽器とは言わず、音具と呼ぶ」という風説もあるが、「そもそも『演奏』とは何か、『音楽』とは何か」という問題も含めて区別は全く不明確であり、一般的な概念ではない。
『楽器分類別一覧』・『音域一覧』も参照。 |
楽器分類学 |
Musical
instrument
classification |
楽器分類学は、楽器を体系的に分類するための学問である。比較音楽学の一部である比較楽器学を基礎とする。現在は、ザックス=ホルンボステル分類をもとに、体鳴楽器・膜鳴楽器・弦鳴楽器・気鳴楽器・電鳴楽器の5つに分類するのが一般的である。同じような意味で「楽器分類法」ということばが用いられることもあるが、こちらは学問的考察によらず、歴史的な経緯で用いられている分類を意味する場合が多い。
『楽器分類別一覧』も参照。 |
楽曲 |
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楽曲(がっきょく)とは、音楽において続けて演奏されるひとまとまりのこと。
音楽作品はいくつかの楽章に分かれることがある。この場合、楽章と楽章の間で完全に音楽が停止することがあるが、それらの楽章と楽章が相前後して演奏されるから、全体でひとつの楽曲である。
個々の楽曲には名前が付けられるが、必ずしも個性的な名前でないこともあり、『交響曲』のように、楽曲の種別名がそのまま付けられることがある。この場合は作曲者名を添えて楽曲を区別したり、同じ作曲者の同じ種別の曲が複数ある場合には番号が付けられることがある。またこのような場合、作曲者自身、または後人によって愛称が付けられる場合もある。
J-POP等の楽曲は、(特にシングル盤として扱われた場合)ナンバーとも呼ばれる。 |
合唱 |
Choir |
合唱(がっしょう)は、複数の人が複数の声部に分かれて各々のパートを複数で歌う音楽の演奏形態のこと。各々のパートがひとりずつとなるものを重唱と呼んで区別するほか、複数人が同一の旋律を歌うことも斉唱といい、区別される(広義では斉唱も合唱に含まれる)。無論、ひとりで歌う独唱とも区別される。
ただし、これらの区別は、楽曲の大半の部分をどの形態で占めているかによる。よって、合唱曲の途中に「重唱」「斉唱」「独唱」の部分が混ざる場合であっても、全体としては合唱である。逆に、独唱曲のクライマックス部分に、混声四部によるバックコーラスが付く場合も、全体としては独唱に分類される。
「合唱」は、器楽の「合奏」の対語でもある。クワイア(choir)、コーラス(chorus)とも呼ばれる。
なお、交響曲第9番
(ベートーヴェン)が「合唱」と呼ばれることもある。 |
歌謡曲 |
Kayokyoku(最初のoの頭に-) |
歌謡曲(かようきょく)は、日本のポピュラー音楽の総称、およびジャンルの1つ。 |
カラオケ |
Karaoke |
カラオケとは、歌唱またはメロディパート(主旋律)を担う楽器を演奏する際に、生演奏ではなく事前に録音された伴奏を再生し合唱・合奏する行為をいう。1970年代以降、演奏装置そのものを「カラオケ」と呼ぶ機会も増えている。尚、対語として生演奏を生オケと言う。
カラオケという言葉が普及する以前は「空演奏」と表現することが多かった。
通常、楽曲の伴奏部分だけを「事前に記録」している記録媒体(音楽テープやディスク等)で再生する。この言葉のうまれは、「生伴奏なし」と同義で、「カラオケね」は「伴奏なしでやろう」という意味だった。これは放送業界で生放送において伴奏へ多くの注意や経費を払わなくていいところから重宝した。ここまでは放送業界用語であり、この意味のカラオケはいまでも使っている。
カラオケのしかけ、つまり、歌を歌うための装置、さらにはその装置を使って歌うことだけでなく、歌うための場所を提供している店(カラオケボックス)のことなどをカラオケと略して指すようにもなっている。これはカラオケがそれだけ一般化していることの証でもある。カラオケは、歌ってストレスを発散させたりするため、娯楽に分類し、レジャー白書で統計を取る一項目ともなった。
この形式は日本で生まれたもので、「カラオケ」のローマ字表記「Karaoke」をもとにした各国語の表記・発音で呼ばれている。
2008年にイギリス政府が2500人以上の成人を対象に行った「最も重要と思いつつも最も不快に感じる電子機器(gadgets)」の調査では、カラオケが22%を獲得し携帯電話などを抑えて1位となった。イギリスでは、日本のように防音施設が整った個室型のカラオケボックスがまだあまり広まっておらず、カラオケを設置しているパブで音痴の人や酔っぱらいの歌声が“騒音”被害を招いているとの理由から。
インストゥルメンタルの楽曲を聴くサービスも登場している。 |
カンツォーネ |
Canzone |
カンツォーネ (Canzone) は、イタリア語では単に歌を指す単語である。しかし、日本国内においては主に19世紀末から20世紀初頭に書かれたイタリアの大衆歌曲、特にナポリのもの(カンツォーネ・ナポレターナ、Canzone
napoletana)を指すことが多い。これらはイタリア民謡とよばれることもあるが、古くより伝承された作者不詳の歌ではなく、近代において専門的な作曲家によって作曲された流行歌であるため、「民謡」と呼ぶのは適切ではないとする意見もある。この他、1960年代〜1970年代に日本で流行したイタリアのポップスのこともカンツォーネと呼ばれる。
小規模のカンツォーネのことをカンツォネッタ (Canzonetta)
と呼ぶ。 |
カントリー・ミュージック |
Country
music |
カントリー・ミュージック(英語: Country
Music)とは、アメリカ合衆国南部で発祥した音楽である。アパラチアン・ミュージック、マウンテン・ミュージック、ヒルビリー、カントリー&ウエスタンなどと呼ばれた時期を経て、現在の名称となった。
ヨーロッパの伝統的な民謡やケルト音楽などが、スピリチュアルやゴスペルなど霊歌・賛美歌の影響を受けて1930年代に成立した。ブルーグラス、ジャグバンドなどの分野とは、相互に影響を与え合って発展してきた。主流の保守的なカントリーに対して、オルタナ・カントリー、アウトロー・カントリーなどのジャンルもある。また近年、アメリカーナという新しいジャンルも音楽界に創設された。 |
ギター |
Guitar |
ギター (Guitar)
は、リュート属に分類される弦楽器。指、またはピックで弦を弾くことにより演奏する撥弦楽器である。
クラシック音楽、フラメンコのほか、ジャズ、ロック、フォルクローレ、ポピュラー音楽など幅広いジャンルで用いられる。
ギターの演奏者をギタリスト(Guitarist) という。
また、エレクトリック・ギター(エレキギター)を単にエレキと呼ぶ場合も多い。 |
記譜法 |
Musical
notation |
記譜法(きふほう、英語: notation)は、楽譜を書くための一定の規則をいう。
五線記譜法
現在最も一般的な、水平に引かれた五本の線を用いる記譜法である。配置された各種の音符は5本の水平線によって音高が相対的に示される。垂直線は普通小節線だけであり、水平線のようには細かく書かれないので、音符や休符を順次並べ、それの持つ音価によって時間要素を示す。
音高を絶対的に表すために普通音部記号を五線の左端などに置く。また、調を示し、その調の表記に便利なように、音部記号の次位に調号を置くことが多い。拍子記号はその次に置かれる。これらは五線の途中で変わるときには、そこに置かれる。音高の小さな半音単位の変化を示すためには、臨時記号を音符の左に置く。
音楽の要素は音高と時間の2要素ではないし、この2要素ですら五線と音符だけでは十分に表しきれないので、さまざまな補助的な記号を用いる。それらは演奏記号と総称するのが普通である。演奏記号には、文字を用いて言葉によって示すものと、それ以外のマークやシンボルによるものとがある。(どちらも記号と呼ばれる。)
声楽曲では歌詞が加えられる。
また、合奏練習などのために、練習番号、小節番号といった楽譜上の位置を知るための記号を加えることがある。これらの記号は音符の下または上に書かれる。 |
協奏曲 |
Concerto |
協奏曲(きょうそうきょく、伊: 英:
仏: concerto、独: Konzert)は、今日では主として一つまたは複数の独奏楽器(群)と管弦楽によって演奏される多楽章からなる楽曲を指す。イタリア語のままコンチェルトともいう。 |
キリスト教音楽 |
Christian
music |
本項はキリスト教の祈祷(公祈祷・礼拝)で用いられる聖歌・音楽を中心に扱うとともに、礼拝ではほとんど用いられないが演奏会などでは用いられるキリスト教音楽についても扱う。教会音楽(きょうかいおんがく)という語もあるが、こちらは教会で用いられる音楽にほぼ限定して指すことがほとんどであり、演奏会向けのキリスト教音楽のことはあまり含まれない。キリスト教における礼拝音楽(れいはいおんがく)、典礼音楽(てんれいおんがく)はさらに狭義となり、公祈祷・礼拝で用いられる音楽のみを指す(ただし、礼拝音楽、典礼音楽は他宗教の音楽にも使われる用語である)。
キリスト教音楽には、祈祷(公祈祷・礼拝)における聖歌・賛美歌・カンタータなどの音楽がある。加えて、オラトリオなど、礼拝においてはあまり用いられないがキリスト教のメッセージを伝えようとする音楽が数えられる。
キリスト教にテクスト・音楽性の題材をとる音楽も場合によってはキリスト教音楽に含まれうるが、キリスト教に題材をとっている曲だからといってキリスト教音楽とみなされるとは限らない。たとえ歌詞がキリスト教的世界観に深甚な影響を受けていたとしても、ゴシックメタル等のジャンルの音楽は、通例「キリスト教音楽」とは扱われない。他方、キリスト教的世界観を伴った歌詞を持つ交響曲(例えばマーラーの交響曲第8番第1楽章など)をキリスト教音楽とみなすかどうかは判断がわかれるなど、キリスト教音楽の定義には究極的には曖昧さが避けられない部分がある。 |
近代音楽 |
Modernism |
近代音楽(きんだいおんがく)は、西洋のクラシック音楽においておおよそ20世紀初頭(あるいは19世紀末)頃から第二次世界大戦の終わり頃までの音楽を指す。
それ以降の音楽は現代音楽と呼ばれるが、本稿で扱う近代音楽に対しての現代音楽との境界は現在も議論が続き、第一次世界大戦後、第二次世界大戦後、1950年などいくつかの意見がある。また、このような分類をしないで1900年以降を全てまとめて現代音楽とするという考えもある。本稿では冒頭の通り、20世紀初頭から第二次世界大戦の終わりまでを近代音楽と定義する。 |
クラシック音楽 |
Classical
music |
クラシック音楽(クラシックおんがく
英classical music)は、直訳すると古典的(classical)音楽になるが、一般には西洋の芸術音楽を指す。「クラシック音楽」の対語としてしばしば「ポピュラー音楽」「軽音楽」が使われる。
『Category:クラシック音楽の一覧』・『クラシック音楽の作曲家一覧』・『クラシック音楽の曲名一覧』・『クラシック音楽の指揮者一覧』・『クラシック音楽の演奏家一覧』なども参照。 |
ゲームミュージック |
Video
game
music |
ゲームミュージックは、コンピュータゲームに付随する音楽のことである。ゲーム音楽、ビデオゲームミュージックとも呼ばれている。
ゲームミュージックという言葉には、単にゲームに付随する音楽という意味合いしかなく、その実態は非常に多岐にわたる。映画のサウンドトラックと同様に、音楽ジャンルの一種として括られることがあるが、黎明期のビープ音で作られた短いメロディから、昨今の他の音楽と変わらないものまで含まれる。
1980年代から1990年代までは、PCやゲーム機で用いられた音声処理チップ(PSG、FM音源、波形メモリ音源、SIDなど)を制御演奏したものが主流だったが、2000年前後を境にCD-DAやPCMによるストリーム再生方式が主流となっていった。
『Sid
Meier's Civilization IV』(主題歌「Baba
Yetu」)ではゲーム音楽史上初のグラミー賞(第53回グラミー賞)を受賞した。 |
現代音楽 |
Contemporary
classical
music |
現代音楽(げんだいおんがく)は、西洋クラシック音楽の流れにあり20世紀後半から現在に至る音楽を指す。ドイツ語では「Neue
Musik」、英語では「20th century classical music」などと表記されるようにその定義も非常に曖昧であり、他の時代の西洋音楽史の区分のように、様式によって区分されたものではない。現代音楽は調性をはじめとする従来の音楽様式を否定した先鋭的な音楽を指すことが多い。最も顕著な特徴は無調への傾倒と不協和音の多用である。また、一般大衆向けよりもどちらかというと、一部のマニア的聴衆や専門家向けに書かれることが多く、スノビズムであるとの批判が次第に高まっていく。
現代音楽という用語が一般的に指し示す範疇にとらわれない、ポップ・ミュージックやジャズ、ロックなど現代における音楽全般については、現代の音楽の項を参照のこと。また地域別の動向も参照のこと。なお、現代音楽という用語自体が、「現代の音楽」全体の中で特権的であり、エリート的であるとする批判もなされている。 |
現代の音楽 |
現代の音楽(げんだいのおんがく)は、リアルタイムで制作される音楽の全般を指す。
「現代音楽」と「現代の音楽」の違い
現代音楽というと、西欧戦後前衛の実験的な試みを想起させるため、これと区別する為に現代の音楽(げんだいのおんがく)という用語を便宜上用いなければならなくなった。20世紀以降の世界の放送音楽や教育音楽の需要から、「現代音楽」と「現代の音楽」を区別する必要が第二次世界大戦終了以降強くなった。現代音楽はContemporary
Musicと訳せるが、現代の音楽はMusic of our centuryとしか訳しようがない。
21世紀現在では、ポピュラー音楽でも現代音楽でもない音楽を指す言葉として使われる率が多くなり、商業音楽や実用音楽を直截に指すかどうかも疑わしい。近年のゲームミュージックは機材の進化とともに、徐々にクラシック音楽やポピュラー音楽のかつての姿に近似しており、これらの領域の音楽を好んで作曲する者も「現代の音楽の作曲家」と呼ばれつつある。
ちなみにマチアス・シュパーリンガーは「現代音楽は、他の如何なる形態をとる音楽とも、全てに於いて切り離された存在である」と定義するが、これはドイツ語原文を直訳した為に紛らわしい表現になった。彼の主張は「現代音楽と、現代の音楽は、違う」という、今日の音楽家全員に突きつけられた定義そのものである。 |
交響曲 |
Symphony |
交響曲(こうきょうきょく)は、主に管弦楽によって演奏される多楽章からなる大規模な楽曲。シンフォニー(英:symphony、独:Sinfonie, Symphonie)、シンフォニア(伊:sinfonia)とも呼ばれ「管弦楽のためのソナタ」。
原則として4つ程度の楽章によって構成され、そのうちの少なくとも1つの楽章がソナタ形式であることが定義であるが、特に近現代においては、例外も多い。
なお、交響楽(こうきょうがく)ともいうが、どちらもドイツ留学経験のある森鴎外による訳語である。 |
ゴスペル |
Gospel
music |
ゴスペル(Gospel music)は、アメリカ発祥の音楽の一ジャンル。元来はキリスト教プロテスタント系の宗教音楽。ゴスペルは英語で福音および福音書の意。ゴスペルソング、またゴスペル音楽(ゴスペルおんがく)ともいう。
奴隷としてアメリカ大陸に連行されたアフリカ人は彼ら独自の言語・宗教などをいっさい剥奪された。その苦しい状況下で、彼らのうちのある人々は、救いを与えるゴスペル(福音)と出会い、個人的なキリスト教への改心を経て、神に彼ら独自の賛美をささげるようになった。こうしてアフリカ特有の跳躍するリズム、ブルー・ノート・スケールや口承の伝統などとヨーロッパ賛美歌などの音楽的・詩的感性が融合してスピリチュアル(黒人霊歌 negro spiritual などとも言う)という現在のゴスペルの基調となる音楽が生まれた。後年になってジャズやロックなど様々なジャンルと結びついてその音楽性は今も進化し続けている。
キリスト教会でもこれを用いる教会と用いない教会があるが、特に青少年のための礼拝にはバンドまで繰り出して盛んに使われ、ローマ・カトリック教会でも事実上若い信者の獲得のために公認している。
なおゴスペル・ミュージックには、1930年代から黒人教会で演奏され始めたブラック・ゴスペル(一般的にはこちらを指す)と、南部州の白人クリスチャンアーティストが歌っていたホワイト・ゴスペルがある。ブラック・ゴスペルとホワイト・ゴスペル両者とも同じメソジスト賛美歌が源流であるが、黒人と白人の教会それぞれが完全に分離していたため、両者の音楽性もかなり異なったものになっている。今日では、ブラック・ゴスペルを「ゴスペル」、ホワイト・ゴスペルを「コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック (CCM)」と呼ぶのが通例。
教会、礼拝 (Christian
worship) に関連した場所・イベントのみで演奏したマヘリア・ジャクソン。ナイトクラブなど世俗での演奏をしたゴールデン・ゲート・カルテット、クララ・ワード。教会・クラブどちらでも活動したアル・グリーンなど。活動姿勢は様々だった。また、センセーショナル・ナイチンゲイルズで活躍したジュリアス・チークスは、その激情型の歌唱スタイルにより「最初のソウル・シンガー」と呼ばれた。 |
五線譜 |
Staff |
五線譜(ごせんふ)は、主に西洋音楽で最も広く用いられている楽譜。
5本一組の線からなる五線が上から下に数段書かれている用紙(五線紙)に音符や音楽記号を書いて楽譜とする。
縦が音高を表し、高い音が上に、低い音が下に書かれる。横が時間を表し、左から右に書かれる。
五線
五線譜においては、音符相互間の音高の高低関係や、音符と音部記号との高低関係を明確にするために、5本一組の等間隔な水平線を用いる。これを五線という。同一水平線上に書かれた音符は、同じ音とされる。線上ばかりでなく、線と線の間にも音符を置くことができる。また、一番上の線の上に接して、ないし、一番下の線の下に接して音符をおくことができる。これにより、五線は11の異なる高さの音を表すことができるが、これらの音は全音階的に置かれる。また、五線に書ききれない音を表すときには、その都度臨時の水平線を追加する。この線を加線と呼ぶ。
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古典派音楽 |
Classical
period |
古典派音楽(こてんはおんがく)は、クラシック音楽の歴史において、1730年代から1810年代まで続いた時期の芸術音楽の総称。
古典派音楽の始まりはバロック音楽の終焉と、古典派音楽の終わりはロマン派音楽の勃興と並行している。したがって古典派音楽の盛期は、バロック音楽とロマン派音楽の間に位置している。
曲の均斉感と合理的な展開が重視され、ソナタ形式が発展した。また機能和声法が確立され、調性が教会旋法から独立した。この時代の代表的な楽種として、交響曲や協奏曲、ピアノソナタや弦楽四重奏曲、などが盛んに作られた。 |
子守唄 |
Lullaby |
子守唄(こもりうた、子守歌)は、子供を寝かしつけたり、あやしたりするために歌われる歌の一種。世界各国で様々なものが歌い継がれている。ララバイ
(lullaby)、揺籃歌(ようらんか)ともいう。
子供を抱いたり、あるいは揺りかごで揺らしながら歌ったため、そのようなゆっくりしたリズムを持つものが多い。
クラシック音楽でも子守唄の名を付けた小品は多く、ベルナルト・フリース(まちがって「モーツァルト作」とされることが多い)、シューベルト、ブラームス、ゴダール(ジョスランの子守唄)などのものが有名。ピアノ曲(ショパン)やその他の器楽曲もある。
「ねんねんころりよ」で始まる日本の「江戸子守唄」は、江戸時代より代々受け継がれてきた歴史の長い唄である。
日本の子守唄には、親が歌うのでなく、幼くして故郷を離れた子守り娘が歌ったもの(子守唄というより守子唄というべきである)も多い。これらは彼女らが自分の辛さを歌ったものゆえ、歌詞も曲調も暗いものとなりがちであり、中には恨みをぶちまけたり、世間を辛辣に皮肉ったものなども散見する。子守唄の歌詞には、「眠らぬ奴は頭叩く」(五木の子守唄)や、「まな板のせて青菜のようにジョキジョキと」(中国地方の子守唄)というものもある。 |
コーラス |
Backing
vocalist |
コーラス(英: chorus)は、合唱を意味する音楽用語である。
ポピュラー音楽におけるコーラスとは、メイン・ヴォーカルに対比して用いられる言葉で、主旋律を歌う者に対して、その後ろで、補助的に歌を歌う、または、ハミング等で唱和することを言う。バッキング・ボーカル、バックグラウンド・ヴォーカルとも呼ぶ。そのようなコーラスをする者のことも、コーラスと呼ぶことが多い。
ただし、ア・カペラのように、コーラス(合唱ないし重唱)を主体とする場合もあり、そのような場合には、メイン・ヴォーカルとバックグラウンド・ヴォーカルとを区別せずに、コーラスと呼ぶこともある。また、そのようなコーラスをするグループを、コーラス・グループやクワイア(本来は聖歌隊の意)という。 |
さ |
作曲 |
Musical
composition |
作曲(さっきょく)は、曲および音楽作品を作ること。作曲をした人を作曲者、作曲を業とする人を作曲家と呼ぶ。
音楽行為の中で音楽の次第を考案する段階である。西洋音楽にあっては作曲とは具体的には楽譜を作成する作業である。特に著名作曲家の自筆による楽譜は珍重され、音楽博物館などに展示されていることがある。DTM技術が発達した昨今では、作曲家が自らパソコンを操作し、デジタルデータ形式のまま納品することが多くなった。ポピュラーミュージックでは、楽譜を書かずに歴史に残る名曲を作る者が、東西問わず、数
多く誕生している。
音楽行為は次の3段階を基本に考えられている。
作曲 − 演奏
− 鑑賞
これらの内、作曲と演奏とは能動的な活動であり、まとめて「表現」と呼ぶことができる。鑑賞は受動的な活動である。
作曲を行いながら演奏することを即興演奏という。録音された即興演奏から楽譜が書き起こされることもある。また、作曲行為に付随して、作曲した曲を実際の演奏のために変容させていく行為が作曲から切り離された作業であるならば、これを編曲という。編曲作業を専門に行う音楽家は編曲家と呼ばれるが、若い作曲家が編曲を受け持つケースも多い。
作曲のための技法を研究する学問を作曲学と呼ぶことがあり、このような名称の専攻をもつ音楽大学もある。 |
作曲家 |
Composer |
作曲家(さっきょくか)は、音楽を創作(作曲)する人のことであり、とくにそれを生業とする人を指す。日本語で作曲者というとそれより広い意味を持つことがある。コンポーザー、歌に関してはソングライターともいう。
日本のポピュラー音楽においては、歌手が自分が歌う曲を自分で作曲する場合が多くあるが、そのような歌手はシンガーソングライターと呼ばれる場合が多く、作曲家と呼ばれる事は稀である。通常自分では歌うことをせず、自作曲を他人に提供することを主に行う音楽家のみを「作曲家」と呼ぶ。
声楽曲においてはメロディーのみを作成する作曲家、楽曲にピアノやギターなどの伴奏を付けて仕上げる作編曲家、オーケストラ編曲まで手がける作編曲家、DTMソフトを使ってデジタルデータとして仕上げる作編曲家など、スタイルは様々ある。
作曲の印税は、著作権管理団体の使用料規程により、CDの場合は売上げの6%、ライブの場合は売上げの5%が著作権使用料として音楽出版社に分配され、その1/3または1/4が著作権印税として作曲家に支払われるのが一般的だが、音楽出版社との契約によって、また作曲様式によって印税契約が異なる場合もある。
古くは作曲家と演奏家の区別がなかったこともあり、民族音楽では伝承に基づいた音楽形態を即興を交えて演奏する形が普通で、作曲家の成立する余地はない。
少なくとも作曲家が成立するためにはいわゆる楽譜を作る記譜法が必須である。西洋のいわゆるクラシック音楽史上でも、J.S.バッハの頃までは即興演奏が常に要求され、ロマン派辺りまでの音楽家は演奏家もかねていた。また、ポピュラーミュージックの世界では、楽譜の読み書きのできない名作曲家が多数存在している。 |
サンバ |
Samba |
サンバ(Samba)は、ブラジルの代表的な音楽(ブラジル音楽)の一つである。なお、アルゼンチンにもサンバ(Zamba)と呼ばれる音楽があるが、まったくの別物である。ブラジルでは毎年12月2日をサンバの日と定められており、この日に翌年2月前後に行われるサンバカーニバル曲集が発売されるほか、多くのイベントも開催される。
4分の2拍子のダンス音楽で、19世紀の終わりごろ、ブラジル北東部の港町、バイーア(現在のサルバドール)で発祥したとの説が有力である。当時のバイーアは、奴隷貿易によってアフリカから連れて来られた黒人が上陸した場所である。
その後、リオ・デ・ジャネイロ(以下リオ)において、バイーアから移住したアフリカ系黒人の奴隷労働者たちが持ち込んだ、Batucada(バトゥカーダ、打楽器のみの構成によるサンバ)などの音楽をもとに、ショーロやルンドゥーなどの要素がとりこまれ成立し、ブラジルを代表する音楽ジャンルとなった。結果として、黒人たちの持ち込んだアフリカの宗教的民俗舞曲と、ポルカやマズルカといったヨーロッパの舞曲など様々な要素が混ざり合ったものである。したがって、サンバがアフリカ系の音楽だとする説は一般的に多いが、これには異論も多い。
また、ラテン音楽の一つに分類されるものの、ブラジルは中南米で唯一ポルトガル語を公用語とする国であり、また使用する楽器もサルサやマンボなどのラテン音楽の楽器とは異なるものが多いので、正確にはラテン音楽には入らないという意見もある。
もともとは黒人を中心とする「奴隷労働者階級の音楽」ゆえに、歌われる内容といえば、生活そのものを題材としたもの、人種差別や政治体制への批判などが中心であったが、後に白人を中心に比較的穏やかなリズムで叙情的な内容も歌われる、Samba
Cancao(後のcにセディーユが付く、後のaの頭に〜 )(サンバ・カンサゥン)なども生まれた。サンバ・カンサゥンはさらに発展し、1950年代後半から1960年代前半には、アメリカの音楽などの影響を受けた中産階級の若者たちを中心に、リズムをさらにシンプルにし、叙情的な歌詞をのせて歌うサンバ・ボサノヴァ (Samba Bossa Nova)が流行した。1980年代には、数人編成で演奏するスタイルPagode(パゴージ)が成立。大規模なカルナヴァル(カーニバル)のサンバに対して、パゴージの個人パーティー的で周囲の皆で共に合唱できる気軽さが受け、大流行している。
なお、サンバは多岐にわたり、細かいものを含めるとリズムやスタイルは100を越えるといわれ、それぞれに名称がつけられている。 |
賛美歌⇔聖歌 |
Hymnal |
賛美歌、讃美歌(さんびか)は、キリスト教(特にプロテスタント教会)において、礼拝や集会等で歌われる、神をたたえる歌のことである。「賛美」と言う場合には「賛美」・「讃美」のどちらの文字も使われるが、讃美歌集の書名には讃美歌の文字を使用することが多い(なお、元の用字は讚美歌で、讃は讚の略字である)。「聖歌」とも呼ばれるが、以下に説明する通り「聖歌」は「讃美歌」より多義的であり、指すものの範囲が広い。
讃美歌と聖歌
讃美歌の曲集に「聖歌」のタイトルが付けられている場合も少なくないが、「讃美歌」というタイトルの曲集と「聖歌」というタイトルの曲集に本質的な差異は無い場合もあり、編集の基準も同様となっていて同じ曲を採用している場合もある。なお、カトリック教会では「聖歌」と呼んで「讃美歌」とは呼ばず、歌の内容も異なるものが多い。 |
ジャズ |
Jazz |
ジャズ(英: jazz)は、19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカ南部の都市を中心に派生した音楽形式。西洋楽器を用いた高度な西洋音楽の技術と理論、およびアフリカ系アメリカ人の独特のリズム感覚と音楽形式とが融合して生まれた。演奏の中にブルー・ノート、シンコペーション、スウィング、バラード、コール・アンド・レスポンス(掛け合い演奏)、インプロヴィゼーション、ポリリズムなどの要素を組み込み奏者の力量と才覚に大きく左右されることが特徴的とされている。
その自由な表現形式は白人音楽家にも注目され、技法や理論など急速に発展した。20世紀半ばには人種の枠を越えた現代音楽の主要ジャンルの一つとして認識され、現代音楽理論を先導する高度な体系をつくりあげた。その結果、ジャンルを越えた音楽芸術の現代的様式の一つとなり、様々な方向性に発展を見せ、現代の音楽の源流を形作った重要な役割を担う存在である。 |
シャープ
(記号) |
Sharp |
♯(シャープ・英語: Sharp)は、縦棒2つと交差する斜線2つによって構成される記号である。通常音楽の楽譜で使用される。類似の記号である「#」(番号記号)や電話機の井桁の代わりに使用されることもある。音楽では半音あげる変化記号を意味する。日本語では嬰記号(えいきごう)ともよばれる。 |
重奏 |
Chamber
music |
重奏(じゅうそう)とは、複数の人が同時に演奏を行うアンサンブルのうち、各パートを一人ずつ演奏するもの。演奏者の中の少なくとも二人が同じ演奏をしているならば合奏という。伴奏を伴う場合には、伴奏も重奏の中に数え入れるのが一般的である。
対して一人で演奏することを独奏といい、通常伴奏を伴うものも含まれるが、ピアノなどによる伴奏を伴う独奏を二重奏と呼ぶことも多い。重奏はまた重唱の対語でもあるが、伴奏に関して用語の用法が若干異なる。
重奏の音楽、重奏のための楽曲を室内楽と呼ぶ。室内楽は英語でチェンバー・ミュージック(chamber music)といい、チェンバー(chamber)とは宮廷内の広間のこと。本来は宮廷楽と訳されるべきであるが、「室内楽」の訳が定着した。同様にチェンバー・オーケストラ(chamber orchestra)は室内オーケストラと訳された。 |
浄瑠璃 |
Joruri(oの頭に-) |
浄瑠璃(じょうるり)は、三味線を伴奏楽器として太夫が詞章(ししょう)を語る劇場音楽、音曲である。
詞章が単なる歌ではなく、劇中人物のセリフやその仕草、演技の描写をも含むものであるために、語り口が叙事的な力強さを持つ。このため浄瑠璃を口演することは「歌う」ではなく「語る」と言い、浄瑠璃系統の音曲をまとめて語り物(かたりもの)と呼ぶのが一般的である。
浄瑠璃の流派は、現在義太夫節・常磐津節・清元節など全部で8流派である。
なお義太夫節では同一の丸本が、丸本歌舞伎狂言に用いられる場合と、人形浄瑠璃における場合とでは、微妙に間合いが異なることとなる。
地方によっては、「浄瑠璃」という語が、浄瑠璃8流派の代表たる義太夫節のことのみを指す場合があるが、「若干の浄瑠璃は義太夫節ではない」という命題が論理学上正しい。 |
吹奏楽 |
Concert
band |
吹奏楽(すいそうがく)は、もっとも広義には、管楽器を主体として演奏される音楽の総称。一般には、ヨーロッパの軍楽隊およびアメリカのスクールバンドの編成、すなわち西洋の木管楽器・金管楽器を主体とし、打楽器やその他を加えた十数人から100人程度の編成で演奏される音楽を指す。軍隊や国民の士気を鼓舞するためのものなどの実用音楽として発達したが、今では、音楽ホールにおける演奏会や、マーチングバンドなどの活動が中心となっている。 |
聖歌⇔賛美歌 |
Hymn |
聖歌(せいか)は、キリスト教において用いられる宗教歌を幅広く指す語である。教派ごとにその指す内容は若干異なるが、下記のように「賛美歌」などに比べて広義の意味合いをもつ事が多い。
讃美歌と聖歌
キリスト教音楽が聖歌より広義の内容をもち、歌詞を伴わない器楽曲なども含まれるのに対し、「聖歌」はふつう歌詞が伴われるものをいう。正教会の聖歌は原則としてア・カペラ(無伴奏声楽)であって器楽を伴わないため、正教会の奉神礼で用いられる音楽は必然的に全て聖歌となる。 |
絶対音感 |
Absolute
pitch |
音感とは、音に対する人間の感覚である。識別した音の高さを音名・階名表記で表現する知識・能力も含めて音感と呼ぶことが多い。音の高さに対する感覚には、相対音感と絶対音感がある。
絶対音感(ぜったいおんかん、英語:perfect pitch)は、ある音(純音および楽音)を単独に聞いたときに、その音の高さ(音高)を記憶に基づいて絶対的に認識する能力である。狭義には、音高感と音名との対応付けが強く、ある楽音を聞いたときに即座に音名・階名表記で表現できる能力である。
別名として「絶対的音感」、「絶対的音高感」などがある。 相対的な音程で音の高さを認識する相対音感に対して、音高自体に対する直接的な認識力を「絶対音感」と呼ぶ。 |
全音階 |
Diatonic
scale |
全音階(ぜんおんかい、英語: diatonic
scale)七音音階の一種である。古代ギリシアのディアトノンのテトラコルドに由来する。
代表的な例としては、
・長音階
・短音階
・教会旋法の音階
などが挙げられる。 |
旋法 |
Mode |
旋法(せんぽう、英語:musical
mode、モード)とは、旋律の背後に働く音の力学である。
一般に旋法は音階を用いて記述されるので、音階と混同されがちであるが、音階が単に音を音高により昇順あるいは降順にならべたものであるのに対し、旋法は主音あるいは中心音、終止音、音域などの規定を含む。
旋法は特殊化した音階、あるいは一般化した旋律として定義できる。 |
ソナタ形式 |
Sonata
form |
ソナタ形式(ソナタけいしき)は、楽曲の形式のひとつ。古典派の時代に大きく発展した楽曲形式。
古典派ソナタや、古典派ソナタに類似している交響曲、独奏協奏曲、弦楽四重奏曲などの、第1楽章や終楽章に多く見られるところからソナタ形式と呼ばれている。ソナタ形式=ソナタの形式ではない。
シェーンベルク「作曲の基礎技法」においては「ソナタ形式、ソナタ・アレグロ形式、または第1楽章形式などと、さまざまに呼ばれる」と前置きした上で、基本的にソナタ・アレグロ形式という呼称を採用している。
ソナタ形式は、基本的に次のような形式をしている。
序奏 |
提示部 |
展開部 |
再現部 |
コーダ |
第一主題 |
第二主題 |
第一主題 |
第二主題 |
主調 |
属調、平行調等 |
|
主調 |
主調、同主調 |
|
た |
短音階 |
Minor scale |
短音階(たんおんかい、英語:minor
scale)とは、全音階の一種。別名、マイナースケール。もっとも基本的な短音階は自然的短音階といい、ii度音(音階の下から数えて2番目の音)とiii度音、v度音とvi度音の間が半音である。これ以外には、和声的短音階、旋律的短音階が存在する。
一般的に、短音階は、陰気、悲しさといった感情を励起するが、絶対的なものではない。例えばユーロビートなどは短音階で作られる曲が多いが、テンポが速いため、陰気さはあまり感じられないことが多い。また荘重な表現や、勇敢・ワイルドな表現、冷淡・恐怖感の表現にも適している。 |
タンゴ |
Tango |
タンゴはアルゼンチン・ブエノスアイレスやウルグアイ・モンテビデオのダンスおよび音楽。および、それを擬したダンス・音楽で、音楽業界から「タンゴ」と公認されたもの。
ポピュラー音楽およびダンスの一形態で、カンドンベ、ミロンガ、ハバネラなど複数の音楽が混ざり合って19世紀半ばにブエノスアイレス、モンテビデオ近辺のラ・プラタ川流域で生まれたとされる。
日本では、タンゴがヨーロッパに渡って変化したものをコンチネンタル・タンゴ(コンチネンタル=大陸の=ヨーロッパの)ないし「ヨーロッパ・タンゴ」と呼び、それに対して元来のものをアルゼンチン・タンゴと呼んで区別することが多い。日本でのタンゴの普及は、戦前(昭和初期)にアルゼンチンから一部移入がされたものの、その後戦後にかけて移入したのは、むしろヨーロッパからムード音楽の一環としてのそれであり、いわゆる「コンチネンタル・タンゴ」の類であった。すなわち、競技ダンス・社交ダンス(ソシアルダンス)で用いられる一ジャンルのタンゴのための舞踊音楽であった。よって、長らくタンゴと言えばマランド、アルフレッド・ハウゼといったイメージで、多くの場合理解されていた。
ただし、いったん上記の競技ダンスや社交ダンスが一般的には下火になっていた1980年代後半、米国で成功した「タンゴ・アルヘンティーノ」公演が日本にも移入し、これ以降、アルゼンチン・タンゴが普及するようになった。 |
調 |
Key |
メロディーや和音が、中心音(tonal centre)と関連付けられつつ構成されているとき、その音楽は調性(tonality)があるという。伝統的な西洋音楽において、調性のある音組織を調(ちょう、key)と呼ぶ。
狭義には、伝統的な西洋音楽において、全音階(diatonic scale)の音から構成される長調(major key)と短調(minor key)の2つの調が知られ、それぞれ全音階のドの音とラの音が中心音である(長調と短調の場合には、中心音を主音(tonic)と呼ぶ)。すなわち、長音階を用いる調が長調であり、短音階を用いる調が短調である。
バロック以降の西洋音楽にあっては、調性を確立する(聞き手に調性を確実に把握させる)ために和声(harmony)が重要な働きをする。
西洋音楽においては、必ずしも調は一定ではなく、転調(modulation)と呼ばれる手法によって、一時的に他の調に移行することがあるが、古いものにあっては調性を保持するため、必ず曲頭の調と曲尾の調が同じであるか、同じ主音を持つ長調と短調の関係にある調(同主調(parallel
key、same tonic key)となる。この調性が崩れるのは20世紀の最初頃である。 |
長音階 |
Major
scale |
長音階 (ちょうおんかい、英語:major
scale)とは、全音階の一種で、iii(3)度音(音階下から3番目の音)とiv度音、vii度音と(オクターブ上の)i度音の間が半音の音階である。もっとも基本的な長音階はこのような自然的長音階である。別名、メジャー・スケール。
これ以外には、和声的長音階、旋律的長音階が存在する(後二者は全音階であるとする見方と全音階ではないとする見方とがある)。
一般的に、長音階は、陽気、活発さといった感情を励起するが、絶対的なものではない。例えばバラード曲などは長音階で作られている曲も多いが、それにより短音階では出来ない独特の哀愁味を表現している場合も多い。また流麗な表現や、愛くるしい表現・温和な表現にも適している。 |
ディスコ
|
Disco |
ディスコ音楽(ディスコおんがく)はダンス・ミュージックのジャンルの一つ。
ファンクやソウルミュージックからの影響を含んでいる。音量の大きい反響するボーカル、一定のリズムを刻む4つ打ち、8分音符ないし16分音符刻みかつオフビート(アフタービート、弱拍)でオープンするハイハットパターン、そして突出したシンコペーションを持ち、時にはオクターブで成るエレキベースのベースラインの上で演奏される。ストリングスやホーンセクション、エレクトリックピアノ、エレキギターが華やかなバッキングを創出する。フルートのようなオーケストラ楽器がしばしばソロに用いられ、またロックと異なりリードギターが用いられることはめったにない。 |
電子楽器 |
Electronic
musical
instrument |
電子楽器(でんしがっき)とは、電子回路による演算によって波形信号を作り出す楽器である。電子回路の演算により、音の3要素である音程・音量・音色を制御することができる。音色を得る方式としては周期パルス列をフィルタリングすることで音色を得る減算方式、オルガンのように正弦波により倍音を合成する加算方式、FM音源などに代表される変調方式、録音した波形などをメモリに蓄えておき音程ごと再生するPCM方式など幾つかの方式がある。 |
な |
ナチュラル
(記号) |
Natural |
(ナチュラル・英語: Natural)は縦棒2つと間を?ぐ斜線2つによって構成される記号である。通常音楽の楽譜で使用され、シャープやフラットの機能を解除する意味を持つ。 |
ニューミュージック |
|
ニューミュージックは、都会的な情景を織り交ぜたポップ調のサウンドを基調とするシンガーソングライターによる作品群である。主として、1970年代から1980年代にかけての日本のポピュラー音楽の一部に対して使われた名称。ニュー・ミュージックとも表記される。広辞苑にもニューミュージックという呼称は掲載されている。
語源
この言葉の由来は明確ではないが、あるレコード会社が使用を始めたとする説(あるアルバムの帯に記載されたとする説、たとえば、猫のアルバム)、音楽評論家(三橋一夫とも富澤一誠とも言われているが不明)が使用を始めたとする説などがある。三浦光紀は1972年春、ベルウッド・レコードを作る時、「僕のやってる音楽はフォークでもロックでもない新しい音楽なんだってパンフに書いた時に"ニューミュージック"という言葉を初めて業界で使った」と述べている。
なお、一部には、雑誌「ニュー・ミュージック・マガジン」がもとになっているとする説もある。関係ないとは断言できないが、この雑誌は洋楽中心の雑誌であり、この雑誌の存在がニューミュージックの範囲についての混乱をかえって助長したという面は否めない。なお、誤解をきらった同誌は「ミュージック・マガジン」に名称変更した。
対象として、1970年代初頭の音楽を含むが、この言葉が実際に盛んに使われるようになったのは、1970年代半ば以降である。 |
は |
拍節 |
|
音楽にあって、等しい間隔で打たれる基本的なリズムを、拍節(はくせつ)と言い、そのひとつひとつの時間単位を拍(はく)という。拍は、一般に、人間の歩行の一歩一歩に擬せられる。拍節は、音楽に内在する固定的な周期であるから、ひとつひとつの拍が必ずしも常に実際の音によって示されなければならないわけでない。
拍の長さは曲によって様々であり、ひとつの曲の中でも変化することがある。拍の周期の速さのことをテンポという。
拍に重軽が生じる時、重である拍を「強拍(独 Niederschlag、英 downbeat)」、軽である拍を「弱拍(独 Auftakt、英 upbeat)」と呼ぶ。強拍は歩行の時の利き足、または踊りの重いステップに擬せられることが多い。ひとつの強拍とひとつまたはいくつかの弱拍との組み合わせが、規則的に繰り返す時、拍子(ひょうし)が生ずる。
拍節は基本的なリズムであると考えられがちであるが、拍節を持たない音楽は世界中に見られる。 |
バラード |
Ballade
(classical
music) |
バラード(仏語:ballade、英語:ballade、ballad)は、
1. ポピュラー音楽の曲調による区分の一つ(en:Ballad
(music))
2. 古いヨーロッパの詩形の一つ
3. バラッド(英:ballad)に由来する歌曲
4. 2.3.に由来する器楽曲の形式
ポピュラー音楽のバラード
ゆったりしたテンポ、静かな編曲、美しいメロディラインやハーモニー、そしてラブソングを中心とした感傷的な歌詞を特徴とする楽曲が、ポピュラー音楽におけるバラードと言える。
さらに、典型的なパターンとして、ピアノなどによる静かなイントロとエンディングに向けての劇的な盛り上がりも挙げられる。
ポピュラー音楽における「バラード」は、ジャズ、HR/HMと言った音楽のジャンルとは次元の異なる概念であり、同じアーティストであっても、曲によりバラードの該当、非該当が分かれる曲調による区分である。そのようにジャンルを問わず該当する作品があるため、ポピュラー音楽におけるバラード曲は多岐にわたり、無数に存在する。
1980年代後半以降は、ドラムスによるリズムが曲の全編を通して明確に刻まれているようなミディアム・テンポのポップスも、編曲が比較的静かで、美しいメロディラインや感傷的な歌詞を特徴とする場合は、バラード曲と呼ばれる傾向が強まっている。(en:Ballad
(music))
主な作品
洋楽曲
・セリーヌ・ディオン
- マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン
・フランク・シナトラ
- マイ・ウェイ
邦楽曲
・サザンオールスターズ
- TSUNAMI
・美空ひばり
- 川の流れのように |
バロック音楽 |
Baroque
music |
バロック音楽は、ヨーロッパにおける17世紀初頭から18世紀半ばまでの音楽の総称である。
バロック(仏英: baroque)という語はポルトガル語 barocco (いびつな真珠)が由来であるとされ、過剰な装飾を持つ建築を批判するための用語として18世紀に登場した。転じて、17世紀から18世紀までの芸術一般におけるある種の様式を指す語として定着した。
音楽史的な観点から「バロック音楽」に組織的に言及したのはドイツの音楽学者クルト・ザックス(1888年 - 1959年)である。彼の1919年の論文 "Barockmusik"
によれば、バロック音楽は「彫刻や絵画等と同じように速度や強弱、音色などに対比があり、劇的な感情の表出を特徴とした音楽」と定義される。
しかし、17世紀から18世紀にかけての音楽には地方や時期によって様々なスタイルのものがあるため、バロック音楽の特徴を簡略に総括する事は難しい。たとえば、フランスでは、フランス音楽史にバロック音楽は存在しない、と主張し、この時期の音楽を「古典フランス音楽」(la musique franc,aise classique)と呼ぶ者もいる。ノルベール・デュフォルク
Norbert Dufourcq は1961年の論文 "Terminologia organistica"
の中で、17世紀前半のフランス芸術は古典主義に席捲されているため、ドイツ音楽史学で広く用いられる「バロック」の語はフランスの音楽や文化に当てはめる事ができない、と述べている。
今日では「バロック音楽」の用語は、音楽様式・時代様式だけでなく、むしろ音楽史上の年代を指すものとしても広く受け入れられている。
『バロック音楽の作曲家一覧』も参照。 |
ピアノ |
Piano |
ピアノは、弦をハンマーで叩くことで発音する鍵盤楽器の一種である。鍵を押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩き、音が出る。また、内部機構の面からは打楽器と弦楽器の特徴も併せ持った打弦楽器に分類される。
一般に据え付けて用いる大型の楽器で、現代の標準的なピアノは88鍵を備え、音域が非常に広く、クラシックオーケストラの全音域よりも広い。
汎用性の高い楽器であることから、演奏目的として使われるのはもちろんのこと、音楽教育、作品研究、作曲などにも広く用いられている。そのためピアニストに限らず、他楽器奏者、声楽家、作曲家、指揮者、音楽教育者などにも、演奏技術の習得を求められることが多い。保育士試験、小学校教員採用試験などでも必要とされている。 |
ヒップホップ |
Hip
hop |
ヒップホップ (hip hop) は1970年代のアメリカ合衆国ニューヨークのブロンクス区で、アフロ・アメリカンやカリビアン・アメリカン、ヒスパニック系の住民のコミュニティで行われていたブロックパーティから生まれた文化。
アフリカ・バンバータによる造語であり、「アフロ・アメリカンが、文化(音楽、ファッション、アート)を取り入れ、新しいスタイルを生み出すこと」をヒップホップ(hipもhopも弾ける、躍動するという意味)と呼称したのが始まりである。
これは1974年11月のことだったとされる。この事から、11月を「Hip Hop History Month」として祝う習慣がある。
単に「ヒップホップ」と言った場合、文化から派生したサンプリングや打ち込みを中心としたバックトラックに、MCによるラップを乗せた音楽形態を特に指すことが一般化しているが、これらは本来はヒップホップ・ミュージックあるいはラップ・ミュージックと呼ぶのが正しい。 |
拍子 |
Meter |
拍子(ひょうし)は、一般には、拍や拍の連なりのこと。西洋音楽では強拍に連なるいくつかの拍の集まりの繰り返しを言う。日本では「三三七拍子」という言葉でわかるように、この言葉は、西洋音楽の定義の「拍子」とは異なる使われ方をする。アラブ古典音楽のイーカーア(イーカー)やインド古典音楽のターラ(サンスクリット読み)を「何々拍子」と表現することがあるが、これも西洋音楽の定義の「拍子」とは異なる。
西洋音楽における拍子
西洋音楽において拍子とは、拍の連なり(拍節)において、拍に重軽が生じたとき、ひとつの重である拍(「強拍」という)とそれに後続する1つないしいくつかの軽である拍(「弱拍」という)の集まりが(原則として)周期的に繰り返され、強拍から次の強拍まででひとつのまとまりを感ずることをいう。
ひとつの強拍に連なる拍の数によって、2拍子、3拍子、4拍子などと呼ぶ。また、ひとつの拍を示す音価を添えて、4分の2拍子、2分の3拍子と呼ぶ。楽譜には、五線の下半分に音価、上半分に拍数を書く。これを拍子記号という。なお楽譜上では、ひとつの拍を示す音価が付点音符の場合、便宜上本来の拍子と異なる数字を書き記すことがある。なお、2分の2拍子を、4分の4拍子をと書くことがある。これはかつて音価の分割において、3分割を完全分割、2分割を不完全分割とし、完全分割による3拍子を完全を意味する正円「○」で表し、不完全分割による2拍子や4拍子は正円の一部が欠けた「C」によって表したことに由来する。中には「Common
time (ありふれた拍子) の頭文字Cを図案化したもの」と解説する書もあるが、これは誤りである。
楽譜に書くとき、ひとつの強拍に連なる拍のまとまりを、小節と呼ぶ。 |
フォークソング |
Folk
music |
フォークソング(Folk Song)は、音楽のジャンルの一つ。元来は民謡を指すが、民謡から派生したポピュラー音楽をも含める。後者は主としてプロテストソングである。典型的な伴奏はアコースティックギターやバンジョーであり、ロックのように電気楽器は使わない。
英語圏でFolk
Musicというと、英語圏(やや範囲が広がっても欧州程度)の民謡に着目する傾向が強かったが、近年Folk Musicについて体系的に語られる際には、(Musicと結びつけない)Folkという単独の単語のもつ意味を反映して全世界の民族的なもの全般を扱うことが増えている。この意味では19世紀にジャンルが確立して20世紀に発展したような比較的新しい民族的音楽も含む場合がある。 |
ブラスバンド |
|
ブラスバンド(またはブラス・バンド)は、狭義において金管楽器を主体として編成される楽団。金管楽器と打楽器によって構成され、木管楽器や弦楽器は含まない。なお、ブラス
(brass) とは金管楽器の主材料である黄銅(真鍮)の英称である。
日本においては、世間一般的な認識・用法として戦前からいわゆる吹奏楽団、特に学校や職場もしくは市民団体などのアマチュア吹奏楽団を指して「ブラスバンド」と言うことがある。そのため、純然たるブラスバンド編成の団体名に金管バンドと謳うケースも見受けられる。イギリスでは吹奏楽はウィンド・バンド (Wind band) として明確に区別されている。
この他、次のような楽団を指す時に用いられる。
・英国式ブラスバンド(brass band)
・19世紀アメリカの民間吹奏楽団(brass band)
・ニューオリンズの黒人コミュニティの楽団(ニューオリンズ・ブラスバンド)(brass
band)
・ドイツの民間吹奏楽団(Blasband)
・西洋の軍楽隊が各植民地で土着化した民間の楽団
・その他の金管楽器を中心とした楽団 |
フラット
(記号) |
Flat |
♭(フラット・英語: Flat)は、アルファベットの小文字「b」に似た記号である。通常音楽の楽譜で使用される。音楽では半音さげる変化記号を意味する。日本語では変記号(へんきごう)ともよばれる。 |
ブルース |
Blues |
ブルース(Blues)は、米国深南部でアフリカ系アメリカ人の間から発生した音楽のひとつ、またはその楽式。19世紀後半頃に米国深南部で黒人霊歌、フィールドハラー(労働歌)などから発展したものと言われている。
アコースティック・ギターの弾き語りを基本としたデルタ・ブルース、バンド形式に発展したシカゴ・ブルース、ロックと融合したブルースロックなど、時を経て多様な展開をしている。
本来の発音は、ブルーズ[blu:z(uの頭に´)]である。 |
平均律 |
Equal
temperament |
平均律(へいきんりつ)とは、1オクターヴなどの音程を均等な周波数比で分割した音律である。一般には十二平均律のことを指すことが多い。
十二平均律
十二平均律とは、1オクターヴを12等分した音律である。隣り合う音(半音)の周波数比は等しく12√2:1(100セント)となる。
1オクターヴを12等分するという方法による十二平均律では、1度(ユニゾン)と8度(オクターヴ)を除いて簡単な整数比率による純正な音程は得られない。
その代わりピタゴラス音律や中全音律で生じる著しく誤差の大きな音程(ウルフ)によって妨げられること無く、全ての調で演奏が可能で、転調や移調が自由に行える。
十二平均律では半音の大きさは均一であり、異名同音は実際に同じ音となる。また不均一な音律に由来する個々の調の性格の特異性は生じない。
十二平均律はピタゴラス音律を調整してピタゴラスコンマを全ての完全5度に均等に拡散した音律であると考えることもできる。結果、十二平均律の完全5度は純正音程から1/12ピタゴラスコンマ分狭くなっているものの、その差は比較的少ない。一方で長短の3度は、ピタゴラス音律よりは純正音程に近いが、依然として差が大きい。
平均律はギターなどのフレット式弦楽器との親和性が高い。楽器の調律において、純正な音程は2つの音を同時に出し倍音のうなりが消えるようにすることで調律できるが、平均律ではユニゾンとオクターヴ以外に純正な音程が存在しないため、鍵盤楽器などの調律は容易ではない。一方、フレット式楽器やモノコードなどでは、幾何的に弦の分割点を設定することで平均律を実現できる。またフレット式楽器では、平均律以外の半音の音程が一定でない音律では、各弦に対するフレット間隔が揃わず、直線のフレットを用いるには不都合である。 |
邦楽 |
Music
of
Japan |
邦楽(ほうがく)とは、主に日本の伝統的な伝統音楽、古典音楽などを指す呼称である。和楽、国楽とも呼ばれる。日本のポピュラー音楽との区別のため、「純邦楽」とも呼ばれる。
伝統音楽としての邦楽
大宝元年(701年)に制定された大宝律令に雅楽寮(うたまひのつかさ)という音楽専門の部署を設置するという記述がある。外国の音楽と世俗の音楽をまとめ宮廷音楽とする試みである。
古代より室町時代前期の千年間に現れた邦楽の要素を大きく分けると、
・御神楽、東遊などの上代歌舞(国風歌舞)。
・中国、朝鮮、南アジアなど渡来の音楽を取り入れた宮廷音楽、雅楽。
・仏典に旋律を加えた歌曲(声明、和讃等)、現代でいう宗教音楽。
・世俗で育まれた歌曲、現代でいう民謡。
がある。これらが相互に混じりあい多くの邦楽が形成された。この期間に生まれた音楽は現代まで継承されているものも多い。 |
ポップ・ミュージック |
Pop
music |
ポップ・ミュージック(英: Pop
Music)は、クラシック音楽やフォークソングとは区別されるポピュラー音楽のジャンル。「ポップス(和製英語)」とも言われる。
主にフランク・シナトラやマイケル・ジャクソンがポップミュージックを代表するアーティストと言われている。 |
ポピュラー音楽 |
Popular
music |
ポピュラー音楽、ポピュラー・ミュージック(英語: popular music)は、何らかの「広く訴求力のある」音楽ジャンルに属し、典型的には音楽産業
(music
industry) を通して多数の聴衆に配給されるものである。ポピュラー音楽は、芸術音楽
(art music)
とも、伝統音楽 (traditional
music) のように典型的には学術的な形態や口承によって小規模の局地的に限定された聴衆に広められる音楽とも、対照的な存在である。この用語はもともと、1880年代のアメリカ合衆国でティン・パン・アレーの音楽を指したものであった。ポピュラー音楽は、「ポップ・ミュージック」のことだと了解される場合もあるが、この2つの用語は置き換えが可能ではない。ポピュラー音楽は、人々の好みに訴求した、あらゆる時代の音楽を包括的に指す用語であるが、通常、ポップ・ミュージックは、ある特定の音楽ジャンルを指している。
『ポピュラー音楽のジャンル一覧』・『ポピュラー音楽の音楽家一覧』なども参照。 |
ま |
マザー・グース |
Mother
Goose |
マザー・グース (Mother Goose) は、英米を中心に親しまれている英語の伝承童謡の総称。イギリス発祥のものが多いが、アメリカ合衆国発祥のものもあり、著名な童謡は特に17世紀の大英帝国の植民地化政策によって世界中に広まっている。600から1000以上の種類があるといわれるマザー・グースは、英米では庶民から貴族まで階級の隔てなく親しまれており、聖書やシェイクスピアと並んで英米人の教養の基礎となっているとも言われている。現代の大衆文化においても、マザー・グースからの引用や言及は頻繁になされている。
なお、英語の童謡を指す言葉としてほかにナーサリー・ライム (Nursery Rhymes)
があり、イギリスでは童謡の総称としてはマザー・グースよりもこちらが使われる傾向もある。しかし「ナーサリー・ライム」が新作も含む童謡全般を指しうる言葉であるのに対して、「マザー・グース」は伝承化した童謡のみに用いられる点に違いがあると考えられる。「マザー・グース」が童謡の総称として用いられるようになったのは18世紀後半からであるが、それに対して「ナーサリー・ライム」が童謡の総称に用いられるようになったのは1824年のスコットランドのある雑誌においてであり、「ナーサリー・ライム」のほうが新しい呼称である。 |
マーチングバンド |
Marching
band |
マーチングバンド(英: marching
band)は、もっとも広義においては、歩きながら楽器演奏し、ときにはダンスチームやカラーガードなどと行進するバンドのこと。トルコのメフテルやヨーロッパの鼓笛隊といった古典的な軍楽隊、フットボールのハーフタイムショーを行う。スクールバンド、青少年教育団体として発展してきたドラム・アンド・ビューグル・コーなど、幅広い種類のバンドをマーチングバンドという言葉は内包している。
用語があいまいに使われており、上記のように様々な編成の楽団を指すが、概ね管楽器、打楽器を中心とした編成である。楽器演奏のみならず、カラーガードの演技や大道具などの視覚効果を含むことも多い。また、マーチングバンドの指揮者をドラムメジャーと呼ぶ。
演奏行為はマーチング、ドリル、パレードなど様々な呼ばれ方をされ、その演奏・演技を競い合う大会も多数開催されている。 マーチング・バンドとは、吹奏楽活動のひとつの演奏形態のことである。 |
ミュージカル |
Musical
theatre |
ミュージカル(英語:musical)は、音楽、歌、台詞およびダンスを結合させた演劇形式。ユーモア、ペーソス、愛、怒りといったさまざまな感情的要素と物語を組み合わせ、全体として言葉、音楽、動き、その他エンターテイメントの各種技術を統合したものである。したがってジョン・ケアードが言うように、俳優が突然「私が歌うナンバーだわ」と言っているように思えるミュージカルほど悪いものはない。トレバー・ナンは「歌詞の言葉は誇張されている。だが、単純な朗唱か歌唱では、単純でつまらなくなる〜パフォーマーは歌詞やメロディを自分たちが創造していると感じるところまで行き着くべきだ」と言っているように、単純に歌と台詞と踊りが入っているだけの劇はミュージカルと言わない。ミュージカルとはミュージカル・シアター(演劇)の略語で、ミュージカル・プレイ、ミュージカル・コメディ、ミュージカル・レビューの総称である。 |
民謡 |
Min'yo(oの頭に-) |
民謡(みんよう)とは、特定の国や地域において、主に口承によって伝わってきた伝統的な歌唱曲。民族音楽の一種。
民謡の中には、童歌(わらべうた)や子守唄など子供向きのものも多い。
『世界の民謡一覧』も参照。
日本の民謡
邦楽の一種である日本の民謡は、古代から続く伝統的な歌唱曲の総称で、大部分は歌のみで楽器は加わらない。日本語の発声、韻から生まれたもので日本固有の音楽の原点といえる。陽旋法(長調)のものは、ヨナ抜き音階である。1987年(昭和62年)の調査では現存する民謡は、およそ58,000曲である。なお、狭義では琉球民謡、アイヌ民謡を含まないこともある。広義では、広く人口に知れ渡った歌という意味で、流行歌なども含むことがある。
特定の集団、農村や職業集団に固有の歌謡という捉え方が一般的だが、一方、数世代に渡って体験的に継承されたものに限り、芸能を専門とする者が修正を加えたものは除外するという立場もある。
「民謡」という呼び名は明治時代半ば、民俗学など学問的な必要からドイツ語のVolksliedもしくは英語のfolk
songの訳語として創出された。それ以前は地域や時代により様々に呼ばれていたものを総称したものである。当時は里謡、俚謡とも呼ばれていた。
明治時代後期から大正時代にかけて北原白秋らによって新たに創作された民謡は、それまでの民謡と区別して新民謡、もしくは創作民謡と呼ばれる。また大正時代から昭和初期にかけて中山晋平、藤井清水、野口雨情、西條八十らによって創作された、主に地域の宣伝のための新民謡は、特に「地方小唄」と呼ぶ場合がある。 |
メロディ
(旋律) |
Melody |
メロディ(英: Melody)は、ある高さと長さを持ついくつかの楽音が前後に連続して、それがリズムに従って、連続的に進行する(演奏される)ことによって、何らかの音楽的内容をもつもの。したがって、一連の音の高さの比率が同じならば,
最初の1音の高さが違っても、同一のメロディーとなる。和訳は旋律。節(ふし)のこと。
西洋音楽で、メロディはハーモニー(和声)、リズム(律動)と共に、音楽の三要素のひとつとされる。
旋律理論では、最初に現れた音をもとにして、反復または緊張という役割をもつ音が続き、解決をする音で終了すると考える。さらに、数秒または数小節の短いメロディ(楽句、フレーズ)を一つの単位としてとらえ、長いメロディを構成する各単位に反復、緊張、解決という役割を与えることができる。
一般的にメロディは音階や旋法といった音組織の上に成り立つ。特に西欧の古典音楽(ルネッサンス後期の調性が確立した以降の音楽で、シェーンベルクのような調性を持たない音楽以前のもの)においては、音階の選択は調性が強く意識されており、和音進行が重要な意味を持つ。その意味において、より緊張や解決という役割はハーモニーの考え方からよく理解できる、また反復とはリズムそのものである。それぞれは重なり合い明確に区別することはできない。
人は大量の音が含まれる音楽でも、印象的な音のつながりを直感的に認識しメロディとして楽しむことができる。
多くの西洋系音楽は、中心となるメロディを印象付けるように意図的に作曲されている。直感的に認識しがたいことを意図した楽曲もある。 |
や |
謡曲物 |
|
謡物(うたいもの)または謡曲曲(ようきょくもの)とは、能楽以外の種目において能楽に取材した音楽作品群のこと。
日本の伝統音楽(邦楽)において、能の声楽部分を「謡(うたい)」ないし「謡曲」と称することに由来する。18世紀中葉から後葉にかけて名古屋で活躍した地歌演奏者藤尾勾当の作品『八島』『富士太鼓』『虫の音』あたりにはじまったといわれる。当初は謡の歌詞を借用しただけであったが、しだいに曲調においても謡曲風の作品が創作されるようになった。 |
ヨーデル |
Yodeling |
ヨーデル(ドイツ語 jodel)とは、ファルセット(裏声)と低音域の胸声(地声)を繰り返し切り換えて歌う、アルプス地方など発祥の歌唱法である。
ヨーデルはヨーロッパのアルプス山麓の牧童が仲間と呼び交わすのに使用した、独特の裏声が元になっている。ファルセットと低音域の地声を交互に織り交ぜるようにして歌うのが特徴。
また、アルプス地方のヨーデルがアメリカ合衆国に伝わり、カントリー・ミュージックと結びついてカントリー・ヨーデル(ウェスタン・ヨーデル)(英語ではyodelと綴る)というアルプスのヨーデルとは違った一つのジャンルを形成した。当然、旋律や歌詞の主題そして歌唱法など大きく異なる。カントリー・ヨーデルは日本にも伝わり、ヒット曲をいくつか生んでいる。 |
ら |
ラテン音楽 |
Latin
American
music |
ラテン音楽(ラテンおんがく)は、中南米発祥の音楽の総称で、「中南米の音楽」を意味するラテン・アメリカ音楽(英語: Latin American music)とほぼ同一の音楽ジャンル概念。キューバ・カリブ系、ブラジル系など、それぞれに音楽的特徴があり、また、ラテン・アメリカ系移民の多いニューヨークが、ラテン音楽の一つの本場でもあるなど、成り立ちや歴史も複雑であり、一言では言い表せない。
スカ、ロックステディ、レゲエの発祥地、ジャマイカは主に英語が使われ、いわゆるラテン諸語圏ではないが、音楽においてはラテン音楽とみなされることが多い。また、中南米諸国が植民地であった時の宗主国であり、発生起源にも影響しているヨーロッパのラテン諸語圏(主にポルトガル、スペイン、イタリア)を含めた音楽を指すこともある。 |
リズム
(律動) |
Rhythm |
リズムは古代ギリシャに生まれた概念で、rhythmos(リュトモス)を語源とする。リュトモスは古代ギリシャ語では物の姿、形を示すのに一般的に用いられた語で、たとえば「αという文字とβという文字ではリュトモス(形)が違う」というように用いられた。やがて、音楽におけるひとつのまとまりの形をリュトモスと言うようになった。
時間軸の中に人間に知覚されるような2つの点を近接して置くと、2点間の時間に長さを感じるようになるが、その「長さ」をいくつか順次並べたものをリズムという。律動(りつどう)と訳される。 |
レクイエム |
Requiem |
レクイエム(英: requiem、レクィエムとも表記される)は、ラテン語で「安息を」という意味の語であり、以下の意味で使われる。
1.死者の安息を神に願うカトリック教会のミサ。死者のためのミサ(羅: missa pro defunctis)。聖公会においても行われる。
2.上記のミサで用いる聖歌。完全ミサ曲のひとつ。またそれに想を得て作られた楽曲。「死者ミサ曲」、「死者のためのミサ曲」などと訳される。「鎮魂歌」(ちんこんか)、「鎮魂曲」(ちんこんきょく)と訳されることもあるが、レクイエム自体には「鎮魂」の意味はない。
3. 宗教的な意味を離れて、単に「葬送曲」「死を悼む」という意味でレクイエムという語が使われる。このカテゴリーに声楽を伴わず、ピアノ独奏とトランペット独奏を伴う室内オーケストラのために書かれたハンス・ヴェルナー・ヘンツェの作品、オルガン独奏のための「ウェービング」に始まり、様々な楽器編成のための作品がほぼピッチ・インターヴァル技法で作曲されている松平頼暁の作品、「若き詩人の為のレクイエム」と題して電子音を含めた様々な楽器編成で構成されるベルント・アロイス・ツィンマーマンの作品などがある。またレクイエム本来の典礼文と他の詩作品を組み合わせたものに作曲した例として、ベンジャミン・ブリテンの作品などがある。
4.正教会におけるパニヒダのことを、永眠者の為の祈りであることの類似性から「レクイエム」と呼称することがあるが、西欧と日本以外ではこうした用例は一般的ではない。 |
浪曲 |
Rokyoku(最初のoの頭に-) |
浪曲(ろうきょく)は、明治時代初期から始まった演芸である。「浪花節」(なにわぶし)とも言う。三味線を伴奏に用いて話を語り、歌う。各演目ごとに歌う部分(節)と語り演じる部分(啖呵)を両方持つ。明治時代後期から昭和中期にかけて一世を風靡し、文化史・メディア史に欠くことができないものとなった。
一つの物語を節(ふし)と啖呵(たんか)で演じる。節は歌う部分で物語の状況や登場人物の心情を歌詞にしており、啖呵は登場人物を演じてセリフを話す。重視する順を「一声、二節、三啖呵(いちこえ、にふし、さんたんか)」と言う。浪曲を覚える時は節よりも啖呵が難しいと言われ「フシで三年タンカで五年」と言われている。
七五調で演じられる浪花節は、思わず真似をして唸りたくなる節回しという間口の広さと、その実うまくなるには鍛錬を要する奥の深さを同時に持つ。近接した芸能(多くの今で言う郷土芸能)を取り込むなど、浪曲師が節の運びなどに各人各様の創意工夫をすることで、発展してきた。その自由さ、融通無碍ぶりが特徴の一つである。
竹本義太夫が決定打であった義太夫節や鶴賀新内の新内節のような、様式を決定付ける存在は未だ出ていない。
ネタ(題材)は(特に近年のコンプライアンス重視の流れに対しての)侠客物のイメージが強いが、童話から、親子の情愛もの、仇討もの、戦争ものなど幅は広い。
一般的な譜面は存在しない。「浪花節を読む」という表現があるように、台本は存在する。
「曲師」(きょくし)と呼ばれる三味線の伴奏者(相方)のうち、主たる相手は「相三味線(あいじゃみせん)」と呼ばれる。譜面が無いため、浪曲師と曲師の呼吸がピタリと合うかどうかは、きわめて重要な事となる。調弦は三下り(さんさがり)にする。関西では曲師とギター奏者がつくこともある。
東京、大阪をはじめ、名古屋、そして九州・福岡に中心があった。
現在、浪曲の定席は東京都台東区浅草の「木馬亭」と、大阪府大阪市天王寺区の「一心寺門前浪曲寄席」がある。 |
ロカビリー |
Rockabilly |
ロカビリー(rockabilly)は、1950年代に誕生した音楽。RABなどと略記する場合もある。当時はロッカビリー(Rock-A-Billy)と呼ばれ、バップ(黒人ブルースマンなどが、床を'TAP'するより強く'BOP'した個人ダンス)やジャイヴ、ジルバを踊った。
1950年代初期のアメリカ南部、メンフィスなどの地域において、黒人音楽のブルースから生まれたロックンロールと白人音楽のヒルビリーが融合して生まれ、1954年〜1956年ごろまでおよそ2年間流行した。1950年代当時のロカビリーは、ピュアロカビリー(Pure Rockabilly)と呼ぶ場合もある。そして1970年代のパンク・ニュー・ウェイヴなど他のジャンルに影響を受けて1980年代に登場した新生ロカビリーをネオロカビリー(Neo Rockabilly)と呼ぶ。ネオロカビリーはネオロカともいう。
ロカビリーに欠かせない音楽的特徴として「スラッピングベース」奏法(コントラバスの弦を指で引っ張りつつ滑離し、低音とネックに当たる「カチッ」という中高音をミックスさせた音を出し、更に手の平で弦をネックに叩きつけてパーカッション効果を出す)が挙げられる。1920〜30年代、黒人のスイングバンドでは必須の奏法であった。
日本では1970年代後半から80年代初め、オールディーズブームと共に一部、50sファッションやコントラバスをスラップする音楽スタイルが見られたが、90年代のバンドブームにより多数の本格的なロカビリーバンドが登場し、音楽のみならずフラットトップやダックテール(ロカビリーのヘアスタイル)および50sアトミックデザインの生活用品やパターン、バップとジャイブ(ロカビリーのダンススタイル)と言った『ライフスタイル』のひとつとして認識され始める。2005年、湯川れい子・小野ヤスシ・高田文夫らにより「全日本ロカビリー普及委員会」が発足。その会長に日本を代表するロカビリーシンガーのビリー諸川が就任した。 |
ロック |
Rock
music |
音楽ジャンルとしてのロック、ないし、ロック・ミュージック、ロック音楽(ロックおんがく、英語: rock music)は、1950年代にアメリカ合衆国におけるロックンロールを起源とし、1960年代以降、特にイギリスやアメリカ合衆国で、幅広く多様な様式へと展開したポピュラー音楽のジャンルである。 |
ロックンロール |
Rock
and
roll |
ロックンロール(Rock and Roll,
Rock ’n’ Roll)は、1950年代半ばに現れたアメリカの大衆音楽スタイルの呼称である。語源については、古くからアメリカ英語の黒人スラングで「性交」及び「交合」の意味であり、1950年代はじめには「バカ騒ぎ」や「ダンス」という意味もあった。これを一般的に広め定着させたのは、DJのアラン・フリードであった。
1960年代後半には「ロック」という呼び方が一般化し、「ロックンロール」と呼ぶことは少なくなった。
一方で、「ロックンロール」と「ロック」は別の物として使われることもある。1960年代後半、ロックンロールが進化してその枠を壊し、新たなサウンドが生まれ、それらのサウンドの総称として「ロック」という言葉が使われている。 |
ロマン派音楽 |
Romantic
music |
ロマン派音楽(ロマンはおんがく)は、古典派音楽をロマン主義の精神によって発展させていった、ほぼ19世紀のヨーロッパを中心とする音楽を指す。
ロマン派音楽は、文学・美術・哲学のロマン主義運動と関連しているが、音楽以外の芸術分野でロマン主義が1780年代から1840年代まで続いたのに対し、音楽学で慣習的に使われている「ロマン主義の時代」は、それとは異なり、古典派音楽の時代と近代・現代音楽の間に挟み込まれている。従って、ロマン派音楽は、だいたい1800年代初頭から1900年代まで続いたとされている。
ロマン主義運動の思想は、「真実は必ずしも公理にさかのぼりうるとは限らず、感情や感覚・直観を通じてしか到達し得ない世界には、逃れようもない現実がある」というものであった。ロマン主義文学は、感情表現を押し広げ、より深層に隠れたこれらの真実を抉り出すための闘いだった。一方、ロマン派音楽は、オーケストラの規模を拡大したとはいえ、古典派音楽から受け継がれた楽式の構造は維持した。
「ロマンティックな音楽」という日常語は、やわらかく夢見がちな雰囲気を連想させるような音楽という意味で使われる。この用法は、当時確立した「ロマンティック」という言葉の含意に由来する。だが、ロマン派の楽曲がすべてこのような形容に当てはまるとは限らないし、ロマンティックな楽曲が必ずしもロマン主義の時代と結び付いているわけでもない。
『ロマン派音楽の作曲家一覧』も参照。 |
わ |
和楽器 |
Traditional
Japanese
musical
instruments |
和楽器(わがっき)とは、日本で、古来使われてきた伝統的な楽器のことである。邦楽器とも呼ぶ。
大陸文化の影響を受ける以前から伝承される日本固有の楽器としては、和琴(わごん)があげられる。神楽笛(かぐらぶえ)、笏拍子(しゃくびょうし)も日本固有のものと見なされ得る。そのほかの和楽器のほとんどは、大陸から渡来した楽器を基としているが、日本の文化や美意識のなかでそのかたちを変え、独自に完成されていった。「雅楽の琵琶」 (楽琵琶) のように、大陸では失われてしまった古い姿を残している楽器も多いが、三味線、尺八、能管、小鼓・大鼓のように独特な進化を遂げたものもある。
アイヌ音楽の楽器であるムックリやトンコリ、沖縄音楽の楽器三線もこの項の解説に含む。 |
和声
(ハーモニー) |
Harmony |
和声(わせい、戦前には「かせい」とも、英語:
harmony)は、西洋音楽の音楽理論の用語のひとつであり、和音(英語: chord)の進行、声部の導き方(声部連結)および配置の組み合わせのことである。メロディ(旋律)、リズム(律動)と共に音楽の三要素のひとつとされる。
また和声とは狭義には16世紀ヨーロッパに端を発した機能和声のことである。これは、個々の和音にはその根音と調の主音との関係に従って役割があると考えるものである。歴史的には機能和声に至る以前の和声が存在するが、現在の西洋音楽はほとんどがこの機能和声によって成り立っている。 |
童歌 |
Nursery
rhyme |
童歌(わらべうた)とは、こどもが遊びながら歌う、昔から伝えられ歌い継がれてきた歌である。伝承童謡(でんしょうどうよう)、自然童謡(しぜんどうよう)ともいう。民謡の一種ととらえられるものもある。 |
ワルツ |
Waltz |
ワルツ(英: waltz、英語発音:ウォルツ)とはテンポの良い淡々とした舞曲、及びそれに合わせて踊るダンスを言う(→ワルツ
(ダンス) )。舞曲は3拍子が一般的である。
仏: valse(ヴァルス)、独:
Walzer(ヴァルツァー)。和訳に円舞曲(えんぶきょく)がある。 |