目次
まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
第1章 総則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
1−1 適用範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
1−2 構成及び留意点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
第2章 平常時モニタリング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
2−1 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
2−2 各機関の役割・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
2−3 計画及び実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
2−3−1 空間放射線の測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
2−3−1−1 空間放射線量率の連続測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2−3−1−2 積算線量の測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2−3−2 環境試料の採取及び環境試料中の放射能の測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2−3−2−1 環境試料の採取・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2−3−2−2 環境試料中の放射能の測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
2−4 結果の評価等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
2−4−1 測定値の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
2−4−1−1 測定値の変動と平常の変動幅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
2−4−1−2 平常の変動幅の決定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
2−4−2 測定結果の評価等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
2−4−2−1 空間放射線及び環境試料中の放射能の測定結果の評価・・・・・・・・ 9
2−4−2−2 蓄積状況の把握・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
2−4−2−3 線量の推定・評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
2−4−2−4 総合評価の実施及び結果の公表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
2−5 操業前調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
2−5−1 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
2−5−2 留意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
第3章 平常時モニタリングの強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
3−1 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
3−2 各機関の役割・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
3−3 強化内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
3−4 留意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
第4章 緊急時モニタリング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
4−1 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
4−2 各機関の役割・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
4−3 計画及び実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
4−3−1 体制の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
4−3−2 実施方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
4−4 線量等の推定と評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
4−4−1 予測線量分布図等の作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
4−4−2 予測線量の推定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
4−4−3 線量の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
23
第5章 共通事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24
5−1 測定機器等の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24
5−1−1 測定機器に必要な性能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
5−1−2 テレメータシステムに必要な性能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
5−2 品質保証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24
5−3 データの記録等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
25
5−4 留意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
25
図表
第1表 代表的なモニタリングの調査内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
第1図 測定機器の選択のフロー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
解説
A 原子力施設の特性に応じた調査項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
B 空間放射線の測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
30
C 気象要素の計測・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
31
D 指標生物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
E 環境試料の保存・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
33
F 検出限界計数率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
34
G 核爆発実験による放射性降下物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
H 空間放射線が平常の変動幅を外れた場合の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
I 線量の推定と評価法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
J 操業前調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
49
K 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
L モニタリングチームの活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56
M 被ばくの経路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
57
N 機動的なモニタリングの実施体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58
O 簡易計算法による予測線量の推定手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62
P 測定機器の例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
68
Q 環境放射線モニタリングに係る指針の制定及び改廃の経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 74
本指針は、原子力施設の周辺で実施される環境放射線モニタリングの技術の水準を向上させ、及び斉一化させるため、環境放射線モニタリングの計画、測定、結果の評価等を行うにあたっての基本的考え方を取りまとめたものである。
平常時には、周辺住民等の健康と安全を守る観点に立ち、従来から地方公共団体が中心となり、環境放射線モニタリングが実施されている。また、原子力事業者は地方公共団体の環境放射線モニタリングに協力するとともに、自らも環境放射線モニタリング等を実施している。
また、原子力施設に異常事態が生じ、放射性物質若しくは放射線の異常な事業所外への放出又はそのおそれがある場合には、災害対策基本法(以下「災対法」という。)及び原子力災害対策特別措置法(以下「原災法」という。)に基づき、国、地方公共団体、指定公共機関及び原子力事業者は防災基本計画等のそれぞれの防災計画に従い、所要の防災対策を講ずることとされており、この防災対策の一環として、環境放射線モニタ
リングを実施することとされている。特に、緊急時の環境放射線モニタリングについては、原子力施設等の防災対策について(昭和55年6月30日原子力安全委員会決定。以下「防災指針」という。)において、詳細については原子力安全委員会が別途定める指針等によることとされており、本指針はこれに該当するものである。
本指針は、新たな知見等を積極的に取り入れるため、今後の調査研究の進展等を考慮し、必要に応じて見直すものとする。
空間放射線量又は環境試料中の放射能濃度からの線量の評価においては、その推定結果が可能な限り現実的な線量に近づくように算定する。
1.外部被ばくによる実効線量
空間放射線からの外部被ばくによる実効線量は、積算線量又は空間放射線量率の測定データを解析して算定される。積算線量は、その場の空間放射線量を一定期間積算したものであり、平常値と比較することにより原子力施設からの寄与を評価することが可能である。また、空間放射線量率のデータは、時々刻々の放射線レベルの変動パターンや、また場合によってはエネルギー情報も与えるので、それらを解析することによって施設からの寄与をかなり良く弁別することが可能である。
なお、以上の解析結果から実効線量(単位mSv)の推定値を求めるには、原則として、空気カーマ(単位mGy)に0.8 を乗ずることとし、また照射線量
(単位mR) の場合には 7×10-3 を乗ずることとする。ただし、緊急事態発生時の第1段階モニタリングにおいては1mGy=1mSvとする。
ガンマ線の放出率が小さく、ベータ線の放出が主要な割合を占める放射性希ガス(Kr−85等)が放出される場合は、別途、ベータ線による皮膚の実効線量に留意するものとする。
2.内部被ばくによる預託線量
ある放射性核種の一年間の経口摂取又は呼吸による預託実効線量は、〔表I−1〕の実効線量係数を用いて次式により計算することができる。
預託実効線量(mSv)=実効線量係数・表I−1の値(mSv/Bq)×年間の核種摂取量(Bq)×市場希釈補正×調理等による減少補正
市場希釈補正、調理等による減少補正は必要があれば行う。
平常時においては、環境中の放射能レベルは急激に変化することはないので、米のように一時期に収穫したとしても年間を通じて保存、摂取するものについては年間の核種摂取量は次式を用いて計算して良い。
年間の核種摂取量=環境試料中の年間平均核種濃度×その飲食物等の年間摂取量 (1)
また、対象とする時期(収穫時期等)が限られ、保存のきかない食品等については次式を用いる。
年間の核種摂取量=環境試料中の対象期間内の平均核種濃度×その飲食物の毎日摂取量×対象期間内摂取日数 (2)
放射能レベルが毎日変動するようなもので、毎日の核種濃度が求められるか、それに近いデータが得られる場合には、次式を用いる。
年間の核種摂取量=Σ(環境試料中の毎日の核種濃度×その飲食物の毎日の摂取量) (3)
飲食物等の摂取量については標準的な値が示されているが、地域によってこれと異なる値が得られている場合、又はここに示された以外の飲食物等については、各々適当な値をとり得るものとする。ただし、その場合には、その旨を明記しておく必要がある。
また、放射性ヨウ素については、〔表I−2〕より、年齢に応じた適切な実効線量係数を用いる。
なお、原則として甲状腺等の預託等価線量は平常時のモニタリングにおいては算定の必要性はないが、原子力施設からの予期しない放射性物質の放出があった場合等において放射性ヨウ素による甲状腺の預託等価線量が相当に上昇する可能性があって算定の必要が生じた場合には、〔表I−3〕の線量係数を用いて、上記と同様な方法で計算できる。なお、計算に用いる呼吸率は〔表I−4〕に示した。
参考のために、軽水炉原子力発電所から環境に放出される液体廃棄物中に含まれる主な放射性物質の核種組成を〔表I−5〕に、使用済核燃料再処理施設から環境に放出される液体廃棄物中に含まれる放射性物質の核種組成の平均的割合の例を〔表I−6〕に示した。
緊急事態においては、〔表I−7〕のパラメータを用いて、放射性物質の吸入摂取による内部被ばく線量は以下のとおり求める。
H=Σi(Ki・χi・M・T)
ここで、H:実効線量又は組織の等価線量[mSv]
Ki:線量係数[mSv/Bq]
χi:放射性物質の大気中濃度[Bq/cm3]
M:呼吸率[cm3]/h 又はcm3]/d]
T:滞在時間[h 又はd]
であり、Ki、M については、〔表I−7〕に示す値を用いるものとする。また、χi は、モニタリング結果又は計算結果より求める。添字iは放射性ヨウ素、ウラン、プルトニウムの各同位体を表す。
なお、安全側の評価となるよう、放射性ヨウ素については小児、ウラン及びプルトニウムについては成人の被ばく線量を評価するものとする。
放射性ヨウ素に係る線量換算係数については、ヨウ素が体液から甲状腺に移行する割合を平常時では0.2、緊急時では0.3 としているが、これは平常時においては海藻類を多く摂取する日本人の食生活を反映するため、緊急時においては保守的な評価とするためである。
〔表I−7〕緊急時における線量評価に必要なパラメータ
原子力安全委員会(2008)による『環境放射線モニタリング指針』から |