タイン・ヒックマン(1999)による〔『現代生物科学辞典』(214p)から〕


食物連鎖 しょくもつれんさ 〔food chain〕
 比喩的な生物の鎖であり、どんな自然の群集にも存在し、その中をエネルギーと物質が移動する。それぞれの鎖の輪は食べることによりエネルギーを得るが、1つ進むと食べられる側になり、エネルギーを与えることになる。鎖の輪の数は、普通は3〜4で、6を超えることはめったにない。鎖のはじめは緑色植物(独立栄養生物)である。緑色植物から数えて同じ数の輪を経た食物を得ている生物は、同じ栄養段階に属しているという。したがって緑色植物は一つの段階(T1)、すなわち生産者の段階を占める。他のすべての段階は消費者であり、T2(草食動物または一次消費者)、T3およびT4(二次消費者で、それぞれより小さい肉食動物とより大きい肉食動物)がある。それぞれの栄養段階において、多くのエネルギー(および炭素原子)が呼吸によって失われ、前段階よりも少ない生物量しか伝わらない。細菌、菌類およびある種の原生動物は、すべての段階において分解の機能を果たす消費者である。生物群集内のすべての食物連鎖は食物網を形成している。』