『1 多様化・広域化した人為影響
一口に海洋汚染といっても、実に多岐にわたっています。かつての水俣のように、人体に対する危険性がはっきりと認められる海洋汚染は日本では少なくなりました。一方で、海洋で検出される人為起源の化学物質のリスト(表1.1)を見ると、その種類の多いことに驚かれることでしょう。しかし、これでもその一端をみているにすぎないのです。これらの濃度が、有害なレベルに達しているかどうかは簡単には評価できないのですが、人為起源物質が、多様化しながら広域に拡がってきているといえそうです。
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農薬 | DDTs(DDT、DDE、DDD)、BHSs(α-、β-、γ-、δ-)、ディルドリン、アルドリン、エンドリン、クロルデン、(ダイオキシン)、ノナクロル、2,4-D、2,4,5-T、BHT、フルオレン |
溶剤 | トリクロロエチレン、ジメチルナフタレン |
絶縁材など | PCB、コプラナーPCB |
塗料(防腐剤) | TBT、TPT |
梱包材など | 発泡スチロール、塩化ビニール |
油類 | 原油、ビルジ水 |
重金属 | 水銀、鉛、カドミウム、セレン、ヒ素 |
その他 | ジイソプロピルナフタレン、アセナフチレン、アセナフテン、シクロヘキシルアミン、ジフェニルメタン、トリクロロベンゼン、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、ヘプタクロルエポキシド、ペンタクロロベンゼン |