アスベストモニタリングマニュアル(第4.0 版) 
http://www.env.go.jp/air/asbestos/monitoring_manu/rev4_full.pdf

http://www.env.go.jp/air/asbestos/monitoring_manu/rev4_d1.pdf
http://www.env.go.jp/air/asbestos/monitoring_manu/rev4_d2.pdf
http://www.env.go.jp/air/asbestos/monitoring_manu/rev4_d3.pdf
 環境省 水・大気環境局 大気環境課による(2010年6月、78p)。


一般環境 位相差顕微鏡法PCM法 総繊維数を測定
分析走査電子顕微鏡法A-SEM法 PCM法で総繊維数が1f/L超の場合(ただし、電子顕微鏡法のみでもよい)
分析透過電子顕微鏡法A-TEM法
解体現場   位相差顕微鏡法PCM法 総繊維数を測定
分析走査電子顕微鏡法A-SEM法 PCM法で総繊維数が1f/L超の場合(ただし、電子顕微鏡法のみでもよい)
分析透過電子顕微鏡法A-TEM法
迅速法 位相差/偏光顕微鏡法  
蛍光顕微鏡法  
可搬型等の分析走査電子顕微鏡法  
繊維状粒子自動測定器による測定  


― 目 次 ―

はじめに

第1部 総論
1.1 アスベストの測定 1
 1.1.1 一般環境 1
 1.1.2 解体現場等 1
1.2 測定計画 1
 1.2.1 測定の流れ 1
 1.2.2 事前調査 2
 1.2.3 測定計画の策定 3

第2部 一般環境におけるアスベストの測定方法
2.1 試料の捕集方法 4
 2.1.1 測定地点及び測定箇所の設定 4
 2.1.2 捕集用装置及び器具 5
 2.1.3 捕集条件 7
 2.1.4 捕集にあたっての注意事項 8
2.2 繊維数濃度の算出 8
2.3 測定方法各論 9
 2.3.1 測定手順 9
 2.3.2 位相差顕微鏡法(PCM法) 11
 2.3.3 分析走査電子顕微鏡法(A-SEM法) 22
 参考資料 アスベスト繊維及び類似繊維のSEM画像及びEDXスペクトル 31
 2.3.4 分析透過電子顕微鏡法(A-TEM法) 38

第3部 解体現場等におけるアスベストの測定方法 50
3.1 試料の捕集方法 50
 3.1.1 測定地点及び測定箇所の設定 50
 3.1.2 捕集用装置及び器具 50
 3.1.3 捕集条件 50
 3.1.4 捕集にあたっての注意事項 51
3.2 繊維数濃度の算出 51
3.3 解体現場における測定方法各論 52
 3.3.1 測定手順 52
 3.3.2 位相差顕微鏡法(PCM法) 52
 3.3.3 分析走査電子顕微鏡法(A-SEM法) 52
 3.3.4 分析透過電子顕微鏡法(A-TEM法) 52
 参考資料 解体現場における迅速な測定方法の紹介 54
  1 試料の捕集方法 54
  2 測定法の概要 54
  例1 位相差/偏光顕微鏡法 56
  例2 蛍光顕微鏡法 64
  例3 可搬型等の分析走査電子顕微鏡法 73
  例4 繊維状粒子自動測定器による測定 74


はじめに

 本マニュアルは、環境大気中のアスベスト濃度を測定する上の技術的指針として、昭和60年3月に作成し、平成5年12月及び平成19年5月に改訂を行ったが、従来のアスベス
トのモニタリング方法は、我が国において使用されていた石綿の大部分がクリソタイルであったことから、位相差顕微鏡法で総繊維数を計数した後、生物顕微鏡法でクリソタイルを除いた繊維数を計数し、両者の差を求めることによって石綿繊維数を測定していた。
 そして、平成19年5月の改訂時においては、参考法として「分散染色法」、「分析走査電子顕微鏡法(A−SEM法)」及び「分析透過電子顕微鏡法(A−TEM法)」を追加し、総繊維数が多い場合、石膏等、クリソタイルに近い屈折率を持つアスベスト以外の繊維の影響を受ける可能性がある場合、又はあらかじめクリソタイル以外のアスベスト繊維が使用されている事が確認されている場合には、参考法により確認を行っていた。
 しかし近年、アスベストによる健康影響が社会問題化したことや、石綿製品の製造が原則として禁止される等の社会的情勢の変化を受け、石綿製品製造工場が全て廃止されたため、アスベストの発生源としての石綿製品製造工場は存在しなくなった。
 今後は、クリソタイル以外のアスベスト繊維が使用されている可能性もある解体現場等が主な発生源となる。そのため、クリソタイルを中心とする従来の測定方法を見直し、位相差顕微鏡法により総繊維の計数を行ったあと、比較的濃度が高い場合には電子顕微鏡法で確認を行うこととし、場合によっては最初から電子顕微鏡で位相差顕微鏡法と同等のサイズのアスベストを計数することもできるように策定した。また、分散染色法については、微細なアスベストを精度良く計測しにくいということが判明したため、本マニュアルから除外した。一方、解体現場等は早いものではその工期が数時間で終わってしまうものもあり、飛散防止のための迅速な測定が必要とされていることから、解体現場において迅速に測定ができる方法の検討を行った。
 今回の改正における迅速な測定方法の部分は、現時点で従来の方法と比較して、必ずしも十分な知見が確立されていない部分もあり、また、同一のフィルターを各測定方法で測定しクロスチェックを行ったところ、定量的な観点からは十分な一致は見られなかった。しかし、解体現場等からアスベストが漏洩しているかどうかを確認する方法としては有効であると考えられるため、地方公共団体等からの要望も強いという事情を考慮して紹介という形で取り上げることとした。
 今後、さらなる知見の充実や技術の進歩に向け、光学顕微鏡法、電子顕微鏡法等によって得られた測定結果の評価等も含め、引き続き検討することとしている。


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