二酸化炭素の地球温暖化効果−その虚と実をめぐって
はじめに
1.温室効果とは
2.大気中の二酸化炭素濃度の増加による温室効果のシミュレーションの問題点
2.1. 温室効果による気温上昇のシミュレーションの問題点
2.2. 二酸化炭素の吸収源の行方
『3.温暖化現象のほかの要因
3.1. ほかの温室効果ガスの影響
「温室効果」とは、地球放射の赤外線の吸収に基づく地球表面温度の保温効果であり、大気中の二酸化炭素や水蒸気ばかりではなく、地球放射の赤外線を吸収するものであれば二酸化炭素と同様な「温室効果」を有することになる。表2には、二酸化炭素や水蒸気と同様に地球放射の赤外線を吸収する大気中のガス成分、すなわち、「温室効果」ガスについてまとめて示した。クロロフルオロカーボン(フロン)、亜酸化窒素、メタン、オゾンなどが主なものであり、これらのガス成分は、大気中の二酸化炭素濃度と比較してかなり低い濃度ではあるが、例えば、一分子当たりで比較すると、フロン11やフロン12による「温室効果」は二酸化炭素の1万倍に相当するといわれている。
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二酸化炭素(CO2) | 348ppmv | 1.6〜1.9ppmv | 0.45〜0.55 | |
フロン(CCl3F) | 240pptv | 9.5pptv | 4.0 | 110 |
フロン12(CCl2F2) | 415pptv | 16.5pptv | 4.0 | 75 |
一酸化ニ窒素(N2O) | 307ppbv | 0.6〜0.7ppbv | 0.2 | 150 |
メタン(CH4) | 1,680ppbv | 12〜16ppbv | 0.7〜1.0 | 10 |
一酸化炭素(CO) | 90ppbv |
北半球 約1 |
0.2 | |
オゾン(O3) | 約20ppbv |
北半球 約1 |
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フロン113(CCl2FCClF2) | 50pptv | 約6pptv | 10〜20 | 90 |
メチルクロロフォルム(CH3CCl3) | 115pptv | 約4pptv | 約4以下 | 6〜7 |
四塩化炭素(CCl4) | 105pptv | 約1pptv | 約1 | 約30 |
表中、二酸化炭素〜オゾンについては、「Scientific Assessment of Stratospheric Ozone:1989」(WMO/UNEP、1989)より抜粋、フロン113〜四塩化炭素については、巻出(1990)による。 * 濃度体積比の単位 ppmv、ppbv、pptvは、それぞれ、100万分の1、10億分の1、1兆分の1を示す。 |
3.2. 大気中粉塵(微粒子)の影響
3.3. 冷却効果ガスの影響
3.4. 地球自身の気候変動サイクルの影響
結論
文献
『(関係分のみ)
3) 気象庁(編):温室効果気体の増加に伴う気候変化(U)、大蔵省印刷局(1990)
6) 気象庁(編):「気候変動に関する政府間パネル(IPCC):科学的評価」、1990年報告書・1992年補遺概要、日本気象協会(1993)』
討論