首相官邸地球温暖化対策推進本部(HP)による〔『京都議定書目標達成計画』〕


平成17年4月28日(75p)

目 次

はじめに ……………………………………………………………………… 1
  ○地球温暖化に関する科学的知見
  ○京都議定書発効までの流れ
  ○我が国のこれまでの取組
第1章 地球温暖化対策の推進に関する基本的方向 …………………… 6
 第1節 我が国の地球温暖化対策の目指す方向 ………………………… 6
 第2節 地球温暖化対策の基本的考え方 ………………………………… 7
第2章 温室効果ガスの排出抑制・吸収の量に関する目標 …………… 9
 第1節 現状対策を踏まえた排出見通しと6%削減約束 …………… 9
 第2節 温室効果ガス別その他の区分ごとの目標 ……………………12
 第3節 個々の対策に係る目標 …………………………………………19
第3章 目標達成のための対策と施策 ……………………………………20
 第1節 国、地方公共団体、事業者及び国民の基本的役割 …………20
 第2節 地球温暖化対策及び施策 ………………………………………23
  1.温室効果ガスの排出削減、吸収等に関する対策・施策 ………23
   (1)温室効果ガスの排出削減対策・施策 …………………………23
    @エネルギー起源二酸化炭素 ……………………………………23
     ア.省CO2型の地域・都市構造や社会経済システムの形成 ……26
     イ.施設・主体単位の対策・施策 ……………………………31
     ウ.機器単位の対策・施策 ……………………………………38
    A非エネルギー起源二酸化炭素 …………………………………42
    Bメタン・一酸化二窒素 …………………………………………43
    C代替フロン等3ガス ……………………………………………45
   (2)温室効果ガス吸収源対策・施策 ………………………………47
   (3)京都メカニズムに関する対策・施策 …………………………49
  2.横断的施策 …………………………………………………………54
   (1)温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度 ………………54
   (2)事業活動における環境への配慮の促進 ………………………54
   (3)国民運動の展開 …………………………………………………54
   (4)公的機関の率先的取組の基本的事項 …………………………56
   (5)サマータイムの導入 ……………………………………………58
   (6)ポリシーミックスの活用 ………………………………………58
    (6−1)経済的手法 …………………………………………………59
    (6−2)環境税 ………………………………………………………59
    (6−3)国内排出量取引制度 ………………………………………59
  3.基盤的施策 …………………………………………………………60
   (1)気候変動枠組条約及び京都議定書に基づく温室効果ガス排出量・吸収量の算定のための国内体制の整備 ……60
   (2)地球温暖化対策技術開発の推進 ………………………………60
   (3)気候変動に係る研究の推進、観測・監視体制の強化 ………61
   (4)地球温暖化対策の国際的連携の確保、国際協力の推進 ……62
 第3節 特に地方公共団体に期待される事項 …………………………63
 第4節 特に排出量の多い事業者に期待される事項 …………………65
第4章 地球温暖化対策を持続的に推進するために ……………………66
 第1節 排出量・吸収量と個々の対策の評価方法 ……………………66
 第2節 国民の努力と技術開発の評価方法 ……………………………69
 第3節 推進体制の整備 …………………………………………………70
おわりに ………………………………………………………………………71

別表
(別表1)エネルギー起源二酸化炭素に関する対策・施策の一覧 ………別1
(別表2)非エネルギー起源二酸化炭素に関する対策・施策の一覧 ……別18
(別表3)メタン・一酸化二窒素に関する対策・施策の一覧 ……………別19
(別表4)代替フロン等3ガスに関する対策・施策の一覧 ………………別21
(別表5)温室効果ガス吸収源対策・施策の一覧 …………………………別22
(別表6)横断的施策

はじめに
 地球温暖化問題は、人類の生存基盤に関わる最も重要な環境問題の一つである。地球温暖化問題は、資源やエネルギーを効率良く利用する努力を行いながら、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済活動や生活様式を見直すことを迫るものであり、その意味で1997年の京都議定書の採択は転換点となるものである。
 その京都議定書が2005年2月に発効した。同議定書では、我が国について温室効果ガスの6%削減が法的拘束力のある約束として定められている。
 政府は、従来、地球温暖化防止行動計画(1990年)、地球温暖化対策に関する基本方針(1999年)、地球温暖化対策推進大綱(1998年、2002年)を定めるなど、地球温暖化対策を推進してきた。
 2002年の地球温暖化対策推進大綱は、2004年にその評価・見直しをすることとしている。また、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号。以下「地球温暖化対策推進法」という。)は、京都議定書発効の際に京都議定書目標達成計画を定めることとしている。
 これを受けて、地球温暖化対策推進法に基づき、京都議定書の6%削減約束を確実に達成するために必要な措置を定めるものとして、また、2004年に行った地球温暖化対策推進大綱の評価・見直しの成果として、同大綱、地球温暖化防止行動計画、地球温暖化対策に関する基本方針を引き継ぐ「京都議定書目標達成計画」を策定するものである。
 また、本計画を基に、京都議定書の約束達成についての明らかな前進を示すための報告書を作成し、2005年中に気候変動枠組条約事務局に提出する。

おわりに
(地球温暖化問題とは)

 地球温暖化問題は、人類の生存基盤に関わる環境問題である。
 地球温暖化の進行を防ぐため、温室効果ガスの濃度を安定化させるという気候変動枠組条約の究極的な目的を達成するには、世界全体の二酸化炭素の排出量を早期に少なくとも現在の半分以下にすることが必要とされている。しかしながら、温室効果ガス、とりわけ二酸化炭素は、経済社会活動や国民生活の日々の営みから発生するいわば副産物であり、その削減は容易でない。
 また、我が国一国の取組では足りず、地球規模で温室効果ガスの総量を削減していく必要がある。
(地球温暖化問題に取り組む我が国の立場)
 こうした課題を踏まえれば、我が国は自ら、持続可能な発展を可能とする技術革新、社会システム変革、一人一人の環境意識の向上に取り組むとともに、環境先進国として、国際的な連携に基づく地球温暖化防止に向けた取組を主導していく必要がある。
 国民生活と産業活動の基盤を海外の自然資源に依存する資源小国でありエネルギー・環境問題を克服するための技術を培ってきた我が国こそ、また、「もったいない」という言葉に代表される自然と調和した生活文化と歴史を有する我が国こそ、自然資源を効率的に利用する魅力的な社会像を示し、人類の安全・安心に向けて誰よりも努力し、成果を示し、世界に寄与すべきである。
(本計画で目指したこと)
 こうした観点から、本計画においては、京都議定書の約束達成という当面の目標を確実に達成する視点と、長期的、継続的な排出削減に向けて第1約束期間以降を見据えた視点とを同時に持ち、持続可能な発展を可能とする社会の実現につながる各種の対策・施策を盛り込むことに努めた。
 また、国ごとの様々な社会条件や歴史・環境の違いなどを乗り越えて一致協力し、持続可能な世界の構築に向けた取組を前進させていくため、長期的な視点に立った技術革新と地球規模での普及を進めるとともに、世界のすべての地域において、意識の変革、社会システムの変革、技術の開発・普及・投資が行われるよう取り組むこととした。
(今を生きる我が世代の責務)
 気候変動の影響は、既に世界各地で顕在化しつつあると考えられており、ここ数十年の人類の行動が、地球の将来を左右する。地球温暖化問題の解決が成功するか否かは、まさに、今を生きる我々の決断と行動にゆだねられている。
 重要なことは、我々自身が、過去の歴史を知り、現状を的確に把握し、将来を展望することである。現実を知り、将来を見通すことによって、地球環
境を守る価値を見いだし、社会の有り様を変革し、一人一人の日々の行動を変えていくことができる。
(国民へのメッセージ)
 おりしも「自然の叡智」をテーマとする愛知万博が開催されている。それが世界全体にとっても、長く有益な恵みとなるよう、自然と共生する日本古
来の叡智にかんがみ、国民全体で地球を守る努力をしていくこととしたい。

エネルギー白書2007年版の第122-2-1から(わかりやすい「エネルギー白書」の解説
京都議定書目標達成計画

区分

目標

2010年度排出量
(百万t-CO2

1990年度比
(基準年総排出量比)
温室効果ガス

1,231

▲0.5%
  @エネルギー起源CO2

1,056

+0.6%
A非エネルギー起源CO2

70

▲0.3%
Bメタン

20

▲0.4%
C一酸化二窒素

34

▲0.5%
D代替フロン等3ガス

51

+0.1%
森林吸収源

▲48

▲3.9%
京都メカニズム

▲20

▲1.6%※
合計

1,163

▲6%
※削減目標(▲6%)と国内対策(排出削減、吸収源対策)の差分


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