小宮山(1995)による〔『地球温暖化問題に答える』(19p)から〕


 人類が使うエネルギーによる温暖化は?
 化石資源を燃焼させたり、原子力発電をしたり、木を燃やしたりすると熱が発生する。この熱によって、地球の温度は上昇するのではないか。この疑問にたいしても、地下からの熱流とおなじように計算すればよい。人類が使用する全エネルギーは、太陽からの入射エネルギーのほぼ1万分の1、0.01%である。火山の噴火で4%の日照が減った場合の例を思い出そう。4%の4分の1の1%温度が下がった。278Kにたいして、0.01%のさらに4分の1は0.008度である。この程度であれば、人類が直接地球を暖める影響はまだ当分考える必要はない。
 平均的には、これでよい。しかし、局所的にはすでに大きな問題となりつつあるのに気づかれるだろうか。それは、大都市のヒートアイランド現象である。これについては、第6章、第8章で議論しよう。』