長期エネルギー需給シナリオの検討事例について http://aec.jst.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei2004/sakutei05/siryo2.pdf
日本原子力研究所の佐藤 治氏による(平成16年8月11日)。新計画策定会議(第5回)資料第2号。
1.世界のエネルギー需給シナリオ(スライド1〜 8)
(1)需給シナリオの検討事例
(2)世界人口の長期展望
(3)世界のGDP合計
(4)一人当たりGDP
(5)世界の一次エネルギー消費
(6)一次エネルギー消費の地域別見通し
(7)石炭消費量の見通し/再生可能エネルギー利用
(8)二酸化炭素の排出量
2.石油と天然ガス資源の展望(スライド9〜15)
(9)石油消費量の見通し/天然ガス消費量の見通し
(10)IIASA-WECシナリオでの累積消費量と資源量(石油/天然ガス)
(11)米国地質調査(USGS)による評価値の推移(石油の資源量/天然ガスの資源量)
(12)石油の究極資源量の評価値
(13)石油生産量の長期予測事例
(14)石油と天然ガス生産量の長期予測事例(石油の年間生産量/天然ガスの年間生産量)
(15)人口当たりでみた化石燃料資源の地域分布(石油と天然ガスの確認可採埋蔵量/石炭(全炭種合計)の確認可採埋蔵量)
3.原子力エネルギー利用の展望(スライド16〜19)
(16)原子力利用量のシナリオ
(17)原子力による発電電力量
(18)原子力の一次エネルギーに占める比率(IPCC-SRESシナリオ/IIASA-WECシナリオ)
(19)IIASA-WECにおける原子力発電利用規模(世界の原子力発電電力量/天然ウランの積算消費量)
4.日本のエネルギー需給シナリオ(スライド20〜23)
(20)需給シナリオの検討事例
(21)一次エネルギー供給量とCO2排出量(一次エネルギー供給量/CO2排出量)
(22)一次エネルギー供給構成
(23)発電電力量
5.需給シナリオのまとめ(スライド24 )
(24)需給シナリオのまとめ
参考1. IPCC-SRESの需給シナリオ(スライド25〜34)
(25)SRESシナリオの概要
(26)人口とGDPに関する前提条件
(27)世界の一次エネルギー消費量(燃料別)
(28)世界の一次エネルギー消費量(燃料別)(改訂データ)
(29)世界の一次エネルギー消費量(地域別)
(30)世界の一次エネルギー消費量(地域別)(改訂データ)
(31)原子力エネルギー利用
(32)各シナリオにおける二酸化炭素排出量
(33)各シナリオにおける世界の平均気温上昇
(34)(参考)4種の叙述的シナリオの考え方
参考2. IIASA-WECによる需給シナリオ(スライド35〜46)
(35)(1) シナリオの定義
(36)(2) 地域別人口の見通し
(37)(3) 国内総生産(GDP)の想定 @ GDPの絶対額
(38)A 地域別の一人当りGDP
(39)(4) エネルギー需給の見通し @ 一次エネルギー消費量(地域別)
(40)A 一次エネルギー消費量(燃料別)
(41)B 一人当りエネルギー消費量(地域別)
(42)C 電源別の発電電力量
(43)D 原子力利用の規模(世界の原子力発電電力量/一次エネルギー内の原子力比率)
(44)D 原子力利用の規模(発電に占める原子力の比率/原子力発電設備容量(推定値))
(45)天然ウランの積算消費量(推定値)
(46)(5) CO2排出量の見通し
参考3. エネ総研による需給シナリオ(スライド47〜52)
(47)シナリオの定義
(48)CO2排出量
(49)世界の一次エネルギー構成
(50)日本の一次エネルギー構成
(51)世界の発電電力量
(52)日本の発電電力量
参考4. Shell 2001の需給シナリオ(スライド53〜56)
(53)GDP(総額と一人当たり)
(54)世界の一次エネルギー消費量
(55)所得とエネルギー消費の相関/エネルギー消費の地域別割合
(56)石油生産のピーク/不確定な天然ガス生産ピーク
参考5. WEO2002の需給シナリオ(スライド57〜64)
(57)国内総生産(GDP)伸び率
(58)主要な地域・国の人口と国内総生産
(59)世界の一次エネルギー消費量
(60)主要地域の一次エネルギー消費量
(61)世界の発電電力量
(62)主要地域の発電電力量
(63)世界の最終エネルギー消費量
(64)二酸化炭素排出量(地域別)/原子力発電設備容量(地域別)
参考6. EC2003の需給シナリオ(スライド65〜70)
(65)世界の地域別人口/地域別の国内総生産(GDP)
(66)国内総生産(GDP)の伸率(地域別)/一人当たりGDP(地域別)
(67)一次エネルギー消費量(燃料別)
(68)発電電力量の電源構成(電源別)
(69)最終エネルギー消費量(燃料別)
(70)二酸化炭素排出量(地域別)/一人当たりCO2排出量(地域別)
参考7. IEO2003の需給シナリオ(スライド71〜76)
(71)世界の地域別人口/国内総生産(GDP)
(72)一次エネルギー消費量(燃料別)/一次エネルギー消費量(地域別)
(73)電力消費量(地域別)/二酸化炭素排出量(地域別)
(74)原子力発電電力量(地域構成)/発電の原子力比率[標準シナリオ]
(75)原子力発電設備容量の見通し
(76)
参考8. 原研による需給シナリオ(スライド77〜82)
(77)社会経済の長期指標
(78)エネルギー需給シナリオの定義/原子力利用規模(GW)
(79)各ケースのエネルギー需給推移 @ 一次エネルギー供給
(80)A 発電電力量
(81)B 最終エネルギー消費
(82)C 輸送用エネルギー消費
参考9. 総合エネ調による需給シナリオ(スライド83〜88)
(83)ケース設定と考え方
(84)レファレンスケースの主な前提条件
(85)一次エネルギー供給量
(86)最終エネルギー消費量
(87)発電電力量
(88)エネルギー起源のCO2排出量
参考10.市民エネ調による需給シナリオ(スライド89〜94)
(89)シナリオ設定と考え方
(90)主な前提条件
(91)一次エネルギー供給量
(92)最終エネルギー消費量
(93)発電電力量
(94)エネルギー起源のCO2排出量
1.世界のエネルギー需給シナリオ
需給シナリオの検討事例
( このうち2100年までの長期検討事例を中心に横断的、俯瞰的にシナリオの概要を整理した)
4.日本のエネルギー需給シナリオ
需給シナリオの検討事例
5.需給シナリオのまとめ
◆世界の社会経済展望
- 人口:2050年に100億前後、その後安定化に(途上国の所得増大を想定)。
- GDP:総額では2050年に3〜7倍、2100年に8〜20倍。
一人当たりGDPの南北格差が縮小していくことを想定。
⇒発展途上国のGDPが大幅増加。(2100年には世界の過半か?)
◆世界の需給シナリオ
- 総消費量:2050年に2〜3.5倍、2100年に1.7〜5.4倍。増加の大部分は発展途上国。
- 石油:2050年以前にピークの可能性。不確実性が大(楽観論と悲観論)。
- 天然ガス:ピークは今世紀の後半?
(非在来資源規模が大きいが、需要増大も顕著で、石油以上に不確実性が大)
- 石炭:グローバルな気候変動政策の動向に大きく依存。
アジア地域にとっては重要なエネルギー源(スライド60, 62参照)。
- 再生可能エネルギー:近未来に主要なエネルギー源となることは困難。
2050年以降に期待(今後の技術革新によるコストの低減が大規模利用の鍵)。
- 原子力:近未来の増加は政策的に困難(2030年頃までの「予測型見通し」ではこれを顕著に反映)。
長期的にエネルギー需要が増大した時には依存度が強まる可能性。
(IIASA-WECでは2050年に1700GWe、2100年に5000GWeのケースも
◆日本の需給シナリオ
- 総消費量:経済成長率、省エネ率等を主な要因として変化
- 構成:CO2排出量水準、原子力利用規模に関する仮定に応じて変化
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世界の一次エネルギー消費
(IPCC-SRESシナリオの定義はスライド25と34、IIASA-WECシナリオの定義はスライド35、IAEシナリオの定義はスライド47を参照)
世界の一次エネルギー消費 |
石炭消費量の見通し/再生可能エネルギー利用
石油消費量の見通し/天然ガス消費量の見通し
米国地質調査(USGS)による評価値の推移(石油の資源量/天然ガスの資源量)
石油の究極資源量の評価値
参考1. IPCC-SRESの需給シナリオ
SRESシナリオの概要
- ◆1996年〜2000年にIPCC第三次評価のために温室効果ガスの排出シナリオを作成。成果は「排出シナリオに関する特別報告書(Special
Report on Emission Scenarios)」としてまとめられた。そこで、作成されたシナリオは報告書名の頭文字を取って、SRESシナリオと呼ばれている。
- ◆シナリオ作成には世界の6つのモデリング・チームが参加し、4種の叙述的シナリオ(Illustrative Scenario
) の下に、40個のシナリオが作成された。この中から、各叙述的シナリオに対して、その特徴を最も表していると判断される標識シナリオ(Marker
Scenario)が1個ずつ選定された。
- ◆4種の叙述的シナリオ、及びその標識シナリオを作成したモデルは下記のとおり。
A1(高成長社会シナリオ) :AIMモデル(日本、国立環境研究所)
A2(多元化社会シナリオ) :ASFモデル(米国、ICF Consulting )
B1(持続発展型社会シナリオ): IMAGEモデル(オランダ、RIVM)
B2(地域共存型社会シナリオ): MESSAGEモデル(オーストリア、IIASA) |
(注) RIVM:国立公衆保健及び環境研究所
IIASA:国際応用システム解析研究所
叙述的シナリオの形容は国立環境研究所森田氏による
◆以下の人口、GDP、エネルギー需給見通し、CO2排出量は各叙述的シナリオにおける標識シナリオのものである。
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(参考)4種の叙述的シナリオの考え方
- A1シナリオ(高成長社会シナリオ): 高度経済成長が続き、人口は21世紀半ばでピークに達した後に減少し、新技術や高効率技術は早期に導入される。主要な基本テーマは地域間の収斂、能力強化および文化・社会交流の進展であり、一人あたり所得の地域間格差は大幅に縮小する。(A1は技術革新の方向に応じて幾つかのシナリオに分かれているが、通常は各種化石エネエルギーと新エネルギーの技術革新がバランスして進むA1Bを指す。)
- A2シナリオ(多元化社会シナリオ): 基本テーマは独立独行と地域独自性の保持である。出生パターンの地域間収斂は非常に緩やかで、このために世界人口は増加を続ける。地域的経済発展が中心で、一人あたりの経済成長や技術変化はほかの筋書きに比べて、散在的で緩やかである。
- B1シナリオ(持続発展型社会シナリオ): 収斂が進んだ世界で、人口はA1と同様に21世紀半ばでピークに達した後に減少するが、経済構造はサービス・情報経済へと急速に変化する。物質文明的要素は減退し、クリーン技術や省資源技術が導入される。経済、社会および環境の持続可能性を確保するための世界的対策に重点が置かれる。この対策には公正さの促進が含まれるが、新たな気候変動対策は実施されない。
- B2シナリオ(地域共存型社会シナリオ): 経済、社会および環境の持続可能性を確保するための地域的対策に重点が置かれる。人口はA2よりは緩やかに増加を続け、経済発展は中間的なレベルにとどまり、技術変化はB1およびA1よりも緩慢だが、より広範囲に起こる。このシナリオも環境保護や社会的公正に向かうものであるが、地域的対策が中心となる。
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(「排出シナリオに関する特別報告政策立案者向け要約」((財)地球産業文化研究所仮約)に基づく。)
人口とGDPに関する前提条件
世界の一次エネルギー消費量(燃料別)
世界の一次エネルギー消費量(地域別)
各シナリオにおける二酸化炭素排出量
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