小池(編)(2006)による〔『地球温暖化はどこまで解明されたか−日本の科学者の貢献と今後の展望 2006−』(175-176p)から〕




(1)AIM:Asian-pacific Integrated Model

(2)GDMEEM:Goto's Dynamic Macroeconomic-Energy Equilibrium Model

(3)MARIA:Multiregional Approach for Resource and Industry Allocation

(4)SGM:Second Generation Model

 以上のモデルによる分析結果は表5.6に示すとおりである。ここでは、京都議定書の目標(2010年時点での二酸化炭素排出量を1990年時点と比較して2%削減。ちなみに、残りの4%は森林による吸収などで達成する)を達成するために必要な炭素税の税率、および2010年時点で炭素税を課さない場合と比較したGDPの減少率を算出した。その結果、京都議定書の目標を達成するための温暖化対策税によるGDP減少率は0.06〜0.94%の範囲であることが示された。

〔大野英二〕

表5.6 温暖化対策税による経済影響の分析結果

モデル

ケース設定

炭素税率
〔円/炭素 t〕

GDP減少率
〔%〕
AIM/Enduse @ 炭素税 30,000  
A 炭素税+補助金 3,000  
AIM/Material @ 炭素税 15,587 0.54
A 炭素税+リサイクル水準固定 21,238 0.94
B 炭素税+リサイクル水準拡大 15,409 0.60
GDMEEM (炭素税) 34,560 0.72
MARIA (炭素税) 13,148 0.40
SGM @ 炭素税+政府支出増加 20,424 0.30
A 炭素税+財政赤字削減 21,100 0.06
B 炭素税+所得税還付 21,080 0.28
注:目標設定:2010年時点での二酸化炭素排出量を1990年時点と比較して2%削減


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