『資源と生活』のシラバス(平成26年度後期)



年度 2014年度
講義コード
 63853001
開講部局 教養教育
科目区分 領域科目
授業科目名 資源と生活
授業科目名(フリガナ)  シゲントセイカツ
英文授業科目名 Resources and life
担当教員名・内線番号・E-mailアドレス・研究室の場所
 福岡正人(責任者)〔内線:6523、E-mail:mfukuok@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C505)
 於保幸正〔内線:6521、E-mail:yoho@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C506)
 開發一郎〔内線:6497、E-mail:kaihotu@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C525)
 佐藤高晴〔内線:6520、E-mail:staka@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C503)
 小野寺真一〔内線:6496、E-mail:sonodera@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C612)
 山田俊弘〔内線:6508、E-mail:yamada07@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C416)
開講キャンパス 東千田
曜日時限 火曜日 夜1時限・夜2時限(夜1コマ)
授業の方法 講義
単位 2
週時間 2
開設期 1年次生 後期
講義室
 207
授業の方法【詳細情報】
 講義中心(討論もあり)
週時間
 2
対象学生 1年次生以降


【授業のキーワード】 
資源活用の歴史,生物資源,水資源,金属資源,エネルギー資源,資源と紛争

【教養教育又はパッケージの中でのこの授業の位置づけ】
社会が抱える課題について理解をし,将来の社会のあり方を考える基礎とする.

【学習の成果】
資源そのものについて理解を深めると共に,人間生活のあり方について考察する基礎をつくる.

【授業の目標・概要等】

人間の営みは資源に依存している。資源としては、水資源・生物資源・エネルギー資源・金属資源などの天然資源がある。これらの資源の枯渇が予想されており、持続可能な社会を構想していかねばならない。この授業では、資源そのものについて理解すると共に、,我々人間の生活と資源がどのような関係にあるかについて学ぶ。

【授業計画】
 

題目(担当)

授業内容
第1週 ガイダンス(於保)  (全授業内容の概略について説明する。)人類の生活・文化形成と資源との関わりについて説明をし、授業内容のガイダンスを行う。
第2週 資源活用の歴史【食糧・家畜】(於保)  類人猿は木の上で果実を食糧としてきたが、原人の頃には森林が無くなり草原化し,食糧を得ることが困難になってきた、。さらに地球に氷期となり、ますます食糧難となってきた。最終氷期が終わり次第に地球は暖かくなり新石器時代となり、農業が行われるようになる。穀物は最初から多くの実がなっていた訳ではなく改良によってもたらされたものである。また、人類は家畜を飼うようになり。新たな感染症とも戦わねばならなくなった。このような過程について理解する。

第3週
資源活用の歴史【石・宝石・粘土】(於保)  人類は道具などに岩石を用い、次第にそれを加工するようになり、細石器などが使われるようになる。また、ヒスイなどの宝石を身にまとうようにもなる。さらに岩石が風化した結果形成される粘土などを用いて土器などを使うようになった。土器を使うことで新たに料理を行うことができるようになった。それぞれの文化を象徴する建築物には石灰岩や大理石が石材として使われてきた。これらの金属以外のものを使った歴史について言及する。

第4週
資源活用の歴史【金属】(於保)  人類は有史以前から金、銀、銅、水銀、鉛、錫、鉄などの金属を利用していた。その後金属を加工することにより、青銅器や鋼が使われるようになる。金属の存在量などを比較しながら、何故青銅器が鉄より早く使われるようになったか、たたら製鉄はどのようにして行われてきたのか、など人類が金属を利用した歴史について学ぶ。
第5週 金属資源【地殻をつくる鉱物と岩石】(福岡)  鉱物資源を扱う場合には、鉱物そのものについて知る必要がある。鉱物は固体地球の最小構成単位であり、一般に複数の鉱物の集合体を岩石と呼ぶ。岩石を構成する造岩鉱物と資源となる資源鉱物とに分けることもできるが、資源となる岩石は鉱石と呼ばれる。鉱物の種類は全部で約四千種類程度あるが、普通に存在するものは数十種類程度である。ここでは、鉱物の一般的な説明(定義・種類・分類)と資源鉱物の特徴についての説明を行う。
第6週 金属資源【地下資源】(福岡)  地下に存在する資源としては、エネルギー資源(石油・石炭・天然ガスのような化石燃料やウランのような核燃料が主体)と鉱物資源が代表であるが、鉱物資源には単一元素まで分離して利用する金属鉱物資源と、それ以外の非金属鉱物資源とがある。金属鉱物資源の代表的なベースメタル(鉄・アルミニウム・銅・鉛・亜鉛等)・貴金属(金・銀等)・レアメタル(その他の金属類)について埋蔵量・生産量・可採年数等について説明する。
第7週 エネルギー資源【化石燃料】(於保)  人類は火を用いることを特徴とし、様々な加工を行う際に火を用いてきた。当初は薪などに頼ってきたが、次第に石炭や石油を用いることになる。人類が利用してきたこれらの化石燃料の形成過程やその用途について言及すると共に、エネルギー源としての化石燃料の将来について議論する。
第8週 エネルギー資源【電力】(於保)  電力とは単位時間に電流が行う仕事の量を意味し、ワット(W)を単位として用いる。19世紀前半に電気に関する研究が進んだ。電気エネルギーは他の運動エネルギーから電気エネルギーに変換することができ、また逆に他のエネルギーに変換することができ、かつ効率よく伝送ができるために、現代では広く利用されるようになった。最近は環境への負荷が少ない自然エネルギーや再生可能エネルギーによって発電されることが多くなっている。これらの風力発電、太陽光発電、地熱発電、小規模水力発電などに関して理解を深める。
第9週 エネルギー資源【原子力発電と放射能】(於保)  電子力発電とは核分裂反応によって発生する熱を使って水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回して発電することである。原子力発電にはウラン235を用い、これが中性子を捕捉することによって核分裂が起こり、さらに中性子が放出される。質量も核分裂反応後は少なくなり、その質量差によってエネルギーがもたらされる。原子炉内では放射性物質が発生することから、水素爆発や水蒸気爆発に伴って、放射性元素が拡散する可能性があり、大きなリスクが発生する。原子力発電の現状と課題及び高レベル廃棄物の処理について理解を深める。
第10週 エネルギー資源【木質ペレット燃料】(佐藤)  本講義では、まず、地球的な視野から、自然エネルギー普及の必要性とバ イオマスの可能性について概観し、京都議定書と日本における森林の整備の問題を取り上げる。次に、比較的少ないエネルギー消費で製造できる木質ペレットなどの木質バイオマス燃料について、価格や生産量の推移、先進地の取組などを概説し、持続可能な社会構築に向けた取組について考察を行う。
第11週 森林資源の持続的利用(山田)  私たちが食料や建材・燃料などとして利用する生物は、資源としてみることができる。私たちは生物資源を持続可能な方法で利用しなければならないが、本当にその方法で利用しているのだろうか? この講義では森林資源を題材に、まず私たちが持続可能な方法で森林資源を利用しているのかを考え、さらに森林資源の持続可能な利用の担保にもなりえる、新しい国際的な枠組みを紹介してゆく。
第12週 水循環と水資源(開發)  地域−地球の水循環の経路やそれに伴う自然の諸現象の解明は水資源の正確な推定に重要であり、我々の日々の生活に直接関係している。本講義では、基本的な水循環の概念と水資源賦存量について解説し、それらの実態を理解し、それらの変化が我々の生活にどのように影響するのかを講義する。
第13週 水資源とその利用と課題(小野寺)  世界における水資源の不均一な分布に応じた多様な利用形態(カナート、水道橋など)と過剰利用によって引き起こされた環境問題(塩類集積、断流、地盤沈下、枯渇など)を概説し、将来への課題も整理する。
第14週 資源と紛争(於保)  生活を維持・発展するためには様々な資源が必要である。これに向けて各国は大きな外交努力を行っている。時に、それが意に反して戦争へと発展する場合がある。国連は海洋資源開発や環境保全のために海洋法などを定めている。南極では環境の確保のために南極環境条約が定められ、19○○年から50年間資源の開発を行うことができない。世界ではどのような紛争が起きているか、また国連の役割について議論する。
第15週 まとめ【資源とリサイクル】(於保)  リサイクルは製品を再び資源化し、新たな製品の原料として利用することである。リサイクルには環境に負荷をかけないものと負荷をかけるものがあり、全ての資源をリサイクルできることではない。それは資源化するためにはそれ相当のエネルギーが必要であるからである。将来の資源のあり方を考える上でリサイクルのもつ意味について議論する。
  試験   

【教科書・参考書等】
教科書はなし.
次のホームページを参照;http://home.hiroshima-ac.jp/er/

【授業で使用するメディア・機器等】
配付資料,映像(ビデオ/PC/その他画像資料)

【予習・復習へのアドバイス】
資源として具体的にどのような物があるのか,あらかじめ調べておいて下さい.
授業後分からないことは自分で調べておくこと.

【成績評価の基準等】
試験(80%),授業への参加(20%)で評価する.

【メッセージ】
常識にとらわれずに考えよう.



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