『地球とその環境』のシラバス(平成19年度後期)〔旧『地学天文学概論』〕



年度 2007年度
科目番号
 63851001
科目区分 領域科目
授業科目 地球とその環境
授業科目名(フリガナ)  チキュウトソノカンキョウ
英文授業科目名 Introduction to Earth Science
担当教員名・内線番号・E-mailアドレス・研究室の場所
 福岡正人(責任者)〔内線:6523、E-mail:mfukuok@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C505)
 於保幸正〔内線:6521、E-mail:yoho@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C506)
 佐藤高晴〔内線:6520、E-mail:staka@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C503)
 海堀正博〔内線:6522、E-mail:kaibori@hiroshima-u.ac.jp〕(総合科学部 C515)
開講部局 教養教育
開講キャンパス 東千田
授業の形式 講義
単位 2
週時間 2
開設期 1年次生 後期(2セメスター)
講義室 東千田 402
曜日時限
  夜3時限・夜4時限(19:40〜21:10

【授業の目標等】
 地球の現在の姿と生い立ちを理解する。とくに、地球の現在の形、地球の内因的・外因的諸現象、地殻の歴史的変遷、地殻で起きる地質現象などについて学ぶ。

【授業の内容・計画等】
  開講日

題目(担当)

授業内容
第1週 10/2(火) 全授業内容の紹介
(於保)
 全授業内容の概略について説明する。
第2週 10/9(火) 宇宙の中の地球
(於保)
 およそ150億年前にビッグバンにより誕生したといわれる宇宙の中で、私たちの銀河が生まれ、そしてその中で太陽系が誕生したのは46億年前頃である。その一員である地球は、私たちが知りうる限りでは、唯一の生命をもつ惑星である。授業では、宇宙の中で地球というのはどのようにして生まれ、進化してきたかについて説明する。
第3週 10/16(火) 地球の形・地球の内部構造
(於保)
 地球の形はどのようにして分かるの?、楕円体に近い形というけれどどうして楕円体になったの?、地球の重さはどのようにして分かるの?、地球の内部の様子はどのようにして分かるの?,地震ってなんだろう?、岩石が破壊するとは?などなど、地球に関して素朴な質問があります。貴方はどこまで地球の事を知っていますか。いっしょに考えましょう。

第4週

10/23(火)
地質年代区分
(佐藤)
 地球は46億年前に誕生し、最初の生命が誕生した約39億年前以降、生命は地球の変動に対応して変遷する一方、地球環境を変えていった。その中には、多くの生物が一時期に絶滅する事件が数回起こったことが知られている。これらの大絶滅事件を含めて生物種の変遷から地質年代区分が行われている。授業では、原始大気からの大気組成の変化、各地質時代の環境と動植物の特徴、出来事について説明する。

第5週

10/30(火)
地球誕生と進化
(於保)
 地球は46億年前に太陽系の一員として誕生した。その当時の固体地球およびそれを取り巻く大気の状態は、現在とは非常に異なっていたと考えられている。授業では、46億年の間に地球がどのように変遷してきたかについて、遅れて誕生した生物の進化と地球との相互作用も含めて、現在の新しい地球観をもとに説明する。
第6週 11/6(火) 地殻をつくる岩石と鉱物
(於保)
 地殻は一般に数種類の岩石の混合物であり、その岩石もまた数種類の鉱物の混合物である場合が多い。無機地球の最小構成単位である鉱物は、原子番号1番の水素から92番のウランまでの元素の中のいくつかの元素が、まわりの自然環境条件に支配された化学反応により形成された化合物である。したがって、元素の種類と存在量および環境条件の違いに応じてさまざまな鉱物そして岩石が形成されるが、授業ではこれらの概要を説明する。
第7週 11/13(火) 大陸移動とプレートテクトニクス
(佐藤)
 現在の地球科学の枠組みを成すプレートテクトニクス理論について、その歴史的成立過程を含めて説明する。具体的には、重要な役割を演じた古地磁気学、ウェゲナーの大陸移動説、海洋底拡大説、ヴァインとマシューズの理論、プレートテクトニクス、ホットスポットなどについて説明を行う。
第8週 10/20(火) 大陸地殻と海洋地殻
(於保)
 地殻は、おもに海嶺付近で形成された海洋地殻と、おもに沈み込み帯(海溝付近)で形成された大陸地殻からなる。これらの地殻は上部マントルの一部と共にリソスフェアつまりプレートを構成するが、形成条件を反映して異なる特徴をもつ。授業では、両者の特徴の違いを中心として、地殻がどのようにして形成され、どのような性質を持つのかについて、プレートテクトニクスの観点から説明する。
第9週 11/27(火) 地下資源
(於保)
 地下資源はエネルギー資源と鉱物資源に分けられる。エネルギー資源の大部分は化石燃料と総称される石油・石炭・天然ガスからなるが、鉱物資源は鉄やアルミニウムなどのように単元素の金属にまで分離して利用する金属鉱物資源と、セメント原料の石灰のように単元素にまで分離しない非金属鉱物資源とからなる。授業では、エネルギー資源の代表である石油に注目して、その現状と問題を説明する。
第10週 12/4(火) 地表の変化
(於保)
 地表で起きる自然現象にはどのようなものがありますか、災害に関係した地すべりなどは良く知っていると思います。他にも地形を変えたりする様々な現象があります。固い岩石は風化して土になります。その土が移動すると侵食が起こります。川は多くの土砂を海に運んでいきます。海岸付近でも地形を変える現象が起きています。このような自然現象について学びましょう。
第11週 12/11(火) 日本列島の形成
(於保)
 日本列島はなんで折れ曲がっているの?、いつのころから列島がつくられてきたの?、それはどのような歴史をもっているの?、何故日本海はあるの?、中央構造線は本当に活断層なの?などなど、日本列島について知りたいことが多くあると思います。この時間は日本列島とその形成史について学習します。
第12週 12/18(火) 地震と活断層
(海堀)
 地震とは何か、活断層とは何かがテーマ。まず、マントルの運動により地球表層のプレートが動かされ、その境界部に海嶺や海溝のできるメカニズムを説明し、続いて、プレート境界部の地震や内陸の活断層の地震の発生メカニズムにつなげる。補足的に、断層のタイプの説明と地震によって発生した過去の災害についてもふれる。
第13週 1/8(火) 地質と自然災害
(海堀)
 広島県に多く分布する花崗岩類地帯では崩壊や土石流がよく発生するが、地域によってはゆっくりとした大規模な地盤の動きである地すべりという分類の自然現象が発生して災害につながることがある。また、火山地帯では特有の土砂移動現象が災害につながっている。これら地質の違いと災害の発生状況を事例をもとに概説する。
第14週 1/15(火) 第四紀の自然環境
(佐藤)
 第四紀は、約180万年前から現在までの時代で、氷期・間氷期が繰り返し訪れた時代であり、また、人類が進化し活躍した時代でもある。授業では、まず、氷期・間氷期の周期性を予測したミランコビッチの日射量曲線と、その周期性を実証した、深海底堆積物から得られた酸素同位体曲線について説明する。次に、100m以上にも及ぶ海面変動などの氷期・間氷期変動の地球史における影響、氷期・間氷期変動に伴う急激な気候変動の考察を行う。
第15週 1/22(火) まとめ(福岡)  
  1/29 または 2/5 試験  持ち込み可。出席も考慮する。

【授業内容を理解するために読むべきテキスト等】
プリント使用。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/を参照。

【成績評価の方法】
おもに期末試験による。出席を考慮する。

【既修得要件等授業を受ける上での注意点】
地球科学Aおよび地球科学Bと重複して受講できる。 



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