立見辰雄(編)(1977):現代鉱床学の基礎.(財)東京大学出版会、257p.


目次

まえがき

立見辰雄

第1部 地殻の進化と鉱床
第1章 大気・海洋系の初期進化

松尾禎士

はじめに 3
金星・火星と地球の比較 4
地球の集積過程と初期大気 6
初期の激しい脱ガスか? 徐々の脱ガス化? 9
初期大気の量と質 12
おわりに 15
第2章 鉛・ストロンチウム同位体と地殻の進化

佐藤和郎

鉛の同位体生長とアイソクロン 16
1.1  鉛同位体と閉鎖系 16
1.2  鉛同位体アイソクロン 17
1.3  隕石の鉛アイソクロン 18

地球の鉛の同位体進化モデル 19
2.1  単一ステージモデル 19
2.2  2ステージモデル 20

地殻物質の鉛同位体比 20
3.1  地殻における鉛の同位体生長 20
3.2  鉱床の鉛の同位体進化 21
3.3  長石の鉛同位体 23
3.4  深海堆積物の鉛 24
3.5  鉛同位体比から見た地殻の進化 24

ストロンチウムの同位体生長とアイソクロン 25
4.1  ストロンチウム同位体とアイソクロン 25
4.2  初生同位体比 26
4.3  隕石のRb-Srアイソクロン 26
4.4  地球におけるストロンチウム同位体進化のモデル 26

地殻物質のストロンチウム同位体比 28
5.1  同位体進化を見る方法 28
5.2  花崗岩類のストロンチウム同位体 28
5.3  海水のストロンチウム同位体 30
第3章 鉱床生成のテクトニクス

堀越 叡

はじめに 32

前線型鉱床 33

縁海型鉱床 34

海嶺型鉱床 37

深成型鉱床 39

先カンブリア代の鉱床 41

おわりに 43
第4章 花崗岩類の成因

池田幸雄

まえがき 44

花崗岩類の化学組成 45

花崗岩類の地質 45

花崗岩類の成因 50

花崗岩質マグマの上昇機構 53

まとめ 57
第5章 花崗岩系列と鉱床生成区

石原舜三・津末昭生

花崗岩類と鉱床 60

磁鉄鉱系とチタン鉄鉱系花崗岩類 61

花崗岩系列と鉱床の種類 65

日本の鉱床生成区の成因 68

まとめ 72

第2部 鉱液の性質と起源
第6章 安定同位体と鉱床

佐々木 昭

はじめに 77

同位体組成の表示法 78

同位体府分別の機構 79
3.1  同位体交換反応 79
3.2  動的同位体効果 81
3.3  物理的分別過程 81

鉱液の起源と同位体 84
4.1  温泉水 84
4.2  マグマ水・変成作用の水 85
4.3  鉱液 85

硫黄・炭素同位体と鉱床 87
5.1  鉱床中の硫黄の起源 88
5.2  熱水系での硫黄同位体 88
5.3  黒鉱鉱床の硫黄同位体組成 90
5.4  熱水系での炭素同位体 93
第7章 水および水溶液の同位体化学

酒井 均

はじめに 96

重水の物理化学的性質 96

純水の蒸気圧に対する同位体効果 97

蒸気圧比に関する幾何学平均の法則 100

氷の蒸気圧におよぼす同位体効果 101

天然水の重水濃度と水−水蒸気、水−氷間の同位体分配係数 102

濃厚塩溶液中の重水の活量係数 104

蒸発に伴う非平衡論的同位体効果 110

湖水の同位体比 114

10
塩水の蒸発による同位体比の変化 115
第8章 溶液と固相間の元素分配

一国雅巳

分配の理論 119

分配係数の測定 121

分配係数とイオン半径 123

元素の分配から推定された熱水溶液の組成 124
第9章 流通系の化学反応の現象

藤井 隆

はじめに 127

溶解と沈殿 128

流通系での溶解度 132

溶解・沈殿を伴う簡単な化学反応 135

平均年間雨量と岩石の風化 139

結論 143
第10章 鉱床母岩の変質作用

歌田 実

鉱床母岩にあらわれる変質作用とその意義 145

広域的な変質作用 146
2.1  風化作用 146
2.2  続成作用 146
2.3  貫入岩体周辺の変質作用 148

熱水変質作用 150
3.1  変質鉱物の種類と産状 150
3.2  変質帯と生成条件 151
3.3  累帯分布とその形態 155

変質作用の時間的空間的分布 158

第3部 鉱床とその成因
第11章 正マグマ性鉱床

兼平慶一郎・島崎英彦

はじめに 163

サドベリーのニッケル・銅硫化物鉱床 163
2.1  サドベリー貫入岩体 164
2.2  ニッケル・銅硫化物鉱床 165
2.3  ニッケル・銅硫化物鉱床の成因 165
2.4  隕石衝突説 166

ブッシュフェルト貫入岩体と金属鉱床 166
3.1  ブッシュフェルト複合火成岩体 166
3.2  クロマイト岩 168
3.3  白金鉱床 168
3.4  貫入岩体と鉱床の成因 169

実験的研究 169

正マグマ性鉱床の生成機構 172
第12章 スカルン鉱床

島崎英彦

はじめに 175
1.1  定義と用語 175
1.2  特徴 176

産状と鉱物共生 176
2.1  産状 176
2.2  スカルンの鉱物共生 178
2.3  特殊なスカルン鉱床 178
2.4  累帯構造 179
2.5  有用金属鉱物の沈殿 179
2.6  鉱床生成区 180

生成条件 180
3.1  生成条件 180
3.2  酸素分圧の影響 181
3.3  炭酸ガス分圧 183

スカルンにおける交代作用 184
4.1  交代作用の機構 184
4.2  開いた系での相律とスカルン解析への応用 185
第13章 鉱脈鉱床

鹿園直建

鉱脈鉱床とは 188
1.1  定義 188
1.2  分類 188
1.3  帯状分布 191

鉱脈鉱床の生成環境 193
2.1  流体包有物 193
2.2  安定同位体 194
2.3  鉱物の化学組成 196
2.4  酸素ガスフュガシティーとpH 197
2.5  鉱液の化学組成 199

おわりに 199
第14章 斑岩銅鉱床

石原舜三

まえがき 203

分布と時代 204

鉱床形成の場の地質 207

鉱化作用と変質作用 208

鉱床形成のモデル 210

二次富化作用 213

むすび 214
第15章 先カンブリア縞状鉄鉱層

梶原良道

まえがき 215

記載岩石学的特徴 215
2.1  組織構造 215
2.2  鉄鉱相 216
2.3  化学組成 216
2.4  鉱物組成 217
2.5  アルゴマ型とスペリオル型 217

分布−鉱床区・鉱床期 218
3.1  北アメリカ大陸 218
3.2  南アメリカ大陸 220
3.3  オーストラリア大陸 220
3.4  アフリカ大陸 221
3.5  インド亜大陸 222
3.6  ユーラシア大陸 222

大陸造構造史的背景 222

環境進化史的背景 225
第16章 層状マンガン鉱床

由井俊三

まえがき 229

マンガンの地球化学的性質 229

マンガン鉱物とその産状 232

チャートに伴う層状マンガン鉱床 232

岩石からのマンガンの溶出実験 234

マンガン鉱床と深海底堆積物の比較 235

秩父地向斜とチャート 236

層状マンガン鉱床の生成 236
第17章 別子型銅鉱床

加瀬克雄

はじめに 239

別子型鉱床の層序的位置 239

鉱床の形態と構造 241

別子型鉱床の生成時期 243

鉱石の特徴 244
5.1  鉱石の初生的な組織・構造 244
5.2  鉱石の変成組織・構造 244
5.3  鉱石の構成鉱物 246
5.4  磁硫鉄鉱の産状と成因 246
5.5  鉱石の鉱物組成 247
5.6  鉱石鉱物の微量成分 247

まとめ 248
鉱床学・鉱山地質学の主な教科書と参考書 250
索引 253


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