地球化学入門

目次


1 序論

1.1
地球化学小史
1.1.1  化学と地球化学
1.1.2  地球化学の先達者たち
1.1.3  日本における地球化学の発展

1.2
地球化学研究の基本的な考え方
1.2.1  地球に生じる独自の現象
1.2.2  物質系(システム)としての地球の認識
1.2.3  認識は現在から
1.2.4  歴史的観点の重要性
1.2.5  物質系の姿の歴史的変化の方向性
1.2.6  法則の進化 10
1.2.7  物質系の発展と進化 11

2 地球化学の基礎 13

2.1
太陽系の起源 13
2.1.1  はじめに 13
2.1.2  隕石 15
2.1.3  年代測定 19

2.2
地球の構造と組成 20
2.2.1  地球の構造 20
2.2.2  地球の組成 23

2.3
地殻の化学 24
2.3.1  地殻を構成する物質 24
2.3.2  火成岩の構成する鉱物 26
2.3.3  火成岩の元素組成 30
2.3.4  微量元素の存在状態 34
2.3.5  マグマの結晶作用 37

2.4
風化作用と堆積作用 43
2.4.1  風化作用とその生成物 43
2.4.2  砕屑堆積物 49
2.4.3  化学堆積物 53

2.5
大気と海洋の進化 62
2.5.1  大気と海洋の出現 62
2.5.2  現在の大気と海洋 65

2.6
同位体地球化学 70
2.6.1  はじめに 70
2.6.2  天然水 71
2.6.3  地質温度計 73

3 有機地球化学

77

3.1
はじめに 77

3.2
地球における有機物の存在 79
3.2.1  炭素および有機物の存在量 79
3.2.2  地球表層付近の炭素のサイクル 81

3.3
大気中の有機物 83
3.3.1  都市大気中の汚染有機物 83
3.3.2  大気中に放出された汚染有機物の行方 85
3.3.3  地球(非都市域)大気中の有機物 86

3.4
水中の有機物 88
3.4.1  海洋における有機物の生産と分解 90
3.4.2  海水中の有機物 90
3.4.3  水中有機物の分子組成 92
3.4.4  水中有機物の役割 94
3.4.5  水中の汚染有機物 94

3.5
岩石中の有機物 95
3.5.1  海洋堆積物における有機物の存在 95
3.5.2  堆積物中の有機物の組成 97
3.5.3  有機物の続成作用 98
3.5.4  クロロフィル色素 99
3.5.5  ステロイド化合物 101
3.5.6  トリテルペノイド 102
3.5.7  ケロジェン 104

3.6
石油の成因 109
3.6.1  無機成因説と有機成因説 110
3.6.2  石油先駆体:ケロジェンの生成 112
3.6.3  ケロジェンから石油炭化水素の生成 113
3.6.4  石油炭化水素の移動と集積 116

3.7
有機地球化学の課題と展望 116
3.7.1  実験有機地球化学 117
3.7.2  化石有機物による古地球環境像の復元 118
3.7.3  汚染有機物質の地球化学 118

4 生物地球化学 121

4.1
はじめに 121
4.1.1  生物地球化学とは 121
4.1.2  生物地球化学の特徴 122

4.2
生元素系の進化 125
4.2.1  水と大気の存在と細胞の構造 125
4.2.2  始原有機物から機能性高分子へ 128
4.2.3  ポリマーの遷移 130
4.2.4  光合成植物の出現 133
4.2.5  地球の環境に関する二つの知見 135

4.3
生命活動と物質循環 138
4.3.1  生物活動の影響 138
4.3.2  窒素サイクル 139
4.3.3  窒素固定と脱窒 141
4.3.4  安定同位体が語ること 144

4.4
生物活動の化学 149
4.4.1  酸化還元電位 149
4.4.2  海洋における分解過程 151
4.4.3  エネルギー代謝から見た分解過程 152
4.4.4  食物連鎖の化学 154

4.5
おわりに 157

5 社会地球化学 161

5.1
はじめに 161
5.1.1  社会化する地球 161
5.1.2  社会地球化学の系譜 162
5.1.3  社会地球化学の研究課題 162

5.2
人間活動が自然を変化させるプロセスとその尺度 163
5.2.1  直接的および間接的変化 163
5.2.2  一次的変化と二次的変化との関係 164
5.2.3  人間活動の大いさを示す物的尺度 165
5.2.4  経済指標 168

5.3
現代の人間活動の諸パタンとそのひき起す変化 169
5.3.1  人間活動の多様性 169
5.3.2  人間活動のモデル 170
5.3.3  居住生活 171
5.3.4  農業 173
5.3.5  工業生産 173
5.3.6  エネルギー生産 175
5.3.7  廃棄物処理およびリサイクル 175
5.3.8  運輸交通 177
5.3.9  土木建設 177
5.3.10  戦争 178

5.4
都市の社会地球化学 178
5.4.1  社会化の高度な地域としての都市 178
5.4.2  都市における物質の存在、流れ、化学変化 179
5.4.3  都市の内部構造について 182
5.4.4  都市の社会地球化学的特徴における人間の役割 183

5.5
人間活動による水質の変化 184
5.5.1  大気の影響 186
5.5.2  水の利用と廃棄 187
5.5.3  河川自体の変化による水質の二次的変化 188

5.6
人間活動による地球の変貌と環境問題 189
5.6.1  地球規模の変貌 189
5.6.2  石炭・石油の燃焼・利用のもたらす問題 190
5.6.3  社会化された地球における物質循環の特徴 192
5.6.4  環境問題 194

5.7
社会r地球化学の課題と展望 195
5.7.1  環境問題の解決の基礎理論の提供 195
5.7.2  自然科学と社会科学との総合 195
5.7.3  社会地球化学の展望 196

6 地球化学の研究とその現代的意義

199

6.1
研究のおもしろさ

199

6.2
科学研究の目的

200

6.3
学際的研究の一分野としての地球化学

202

6.4
未来地球化学

203

6.5
おわりに

203
索引

205