日本語版の刊行にあたって | i | |
序文 | 1 | |
まえがき | 4 | |
謝辞 | 6 | |
緒言 | 7 | |
第1章 医薬における硝酸塩の歴史 | 11 | |
《囲み》 | ||
1.1. 硝石の天然および人工の鉱床 | 14 | |
1.2. 硝酸塩を含む薬品 | 15 | |
1.3. 調味料としての硝酸塩 | 17 | |
1.4. 硝酸塩が亜硝酸塩に変化したあとの抗菌作用−1930年代以降に食品研究者に知られるようになった効果 | 18 | |
第2章 自然界の窒素循環と自然肥よく性 | 21 | |
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窒素循環 | 22 |
(1) |
地球的循環 | 23 |
(2) |
水中の硝酸塩 | 25 |
(3) |
大気からの窒素 | 25 |
|
自然界における肥よく性の増加 | 27 |
《囲み》 | ||
2.1. 養分の投入と淡水および海洋環境における富栄養化 | 29 | |
第3章 体内での硝酸塩の生成と代謝 | 33 | |
|
硝酸塩は代謝産物 | 33 |
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体内の硝酸塩はどこから? | 35 |
(1) |
食事からの摂取と体内合成 | 35 |
(2) |
体内合成のカギは一酸化窒素の生成 | 36 |
(3) |
一酸化窒素の役割はきわめて重要 | 39 |
3 | 体内における硝酸塩の代謝変換とその行方 | 41 |
4 | 口内唾液による硝酸塩から亜硝酸塩への変換 | 45 |
(1) |
硝酸塩から亜硝酸塩、さらにアンモニアへ | 45 |
(2) |
唾液中と血漿中の硝酸塩レベルはパラレル | 48 |
5 | 胃における硝酸塩と亜硝酸塩の動向 | 49 |
6 | まとめ | 51 |
《囲み》 | ||
3.1. 硝酸イオンの分泌 | 34 | |
3.2. 代謝物研究における標識N(窒素)の利用 | 43 | |
3.3. 人間における亜硝酸塩の生成 | 46 | |
3.4. 硝酸塩の代謝を研究するための実験動物 | 52 | |
第4章 体液中の硝酸塩濃度の変動と役割 | 55 | |
1 | 健康な人間の硝酸塩濃度変化 | 56 |
2 | 病理的な条件下での変化 | 60 |
3 | 結論 | 63 |
第5章 硝酸塩は本当に危険か−科学的再考 | 65 | |
1 | 乳児におけるメトヘモグロビン血症のリスク | 66 |
(1) |
メトヘモグロビン血症とは | 66 |
(2) |
メトヘモグロビン血症の原因とその問題点 | 68 |
(3) |
ニンジンスープに起因する症例の検討 | 71 |
(4) |
ホウレンソウに起因する症例の検討 | 76 |
(5) |
腸炎に起因する症例の検討 | 78 |
(6) |
井戸水に起因する症例の検討 | 81 |
最初の報告と仮説 82/消化器官で硝酸塩が亜硝酸塩に変わるか? 83/地理的、時代的な分布のかたより 85/供給飲料水の性質 91/水中硝酸塩含量との因果関係 93/問題は衛生的観点の有無 96 | ||
(7) |
飲料水中の硝酸塩が原因とはいえない | 97 |
2 | 成人のガンのリスク | 100 |
(1) |
N-ニトロソアミン類と発ガン性 | 100 |
(2) |
N-ニトロソ化合物の体内生成 | 102 |
(3) |
動物実験と疫学調査の結果 | 106 |
(4) |
硝酸塩摂取をガン発生の原因に導く証拠はない | 111 |
3 | その他の不当な申し立て | 116 |
(1) |
妊婦とその胎児、新生児に対するリスク | 116 |
(2) |
遺伝子毒性のリスク | 117 |
(3) |
先天的奇形のリスク | 119 |
(4) |
甲状腺肥大の傾向 | 120 |
(5) |
高血圧の早期発生 | 121 |
(6) |
小児糖尿病の発生増大 | 122 |
(7) |
条件反射能力の低下など、そのほかのリスク | 122 |
4 | いずれの健康リスクも実証されていない | 124 |
《囲み》 | ||
5.1. チョコレート色の血液とメトヘモグロビン血症 | 74 | |
5.2. 野菜を含む市販ベビー食品 | 77 | |
5.3. 井戸水に起因する乳児のメトヘモグロビン血症の事例に関連した井戸について | 82 | |
5.4. 発ガン性のあるN-ニトロソ化合物 | 103 | |
5.5. N-ニトロソプロリン試験法 | 104 | |
5.6. リューマチ様関節炎、一酸化窒素、硝酸塩およびガン | 112 | |
第6章 硝酸塩の規制は正当化できるか | 127 | |
1 | 飲料水の硝酸塩規制 | 127 |
(1) |
規制の歴史 | 128 |
コムリーの報告から始まった 128/WHOの勧告とEUの委員会指示 130/逆戻りした基準値 134 | ||
(2) |
現在の規制を基礎づけた初期の疫学調査 | 135 |
一人歩きしたコムリーの「制限値」 136/原著者のコメントを無視して引用されたデータ 139 | ||
2 | 食品の硝酸塩規制 | 141 |
(1) |
野菜(ホウレンソウ、レタス)の基準 | 141 |
(2) |
肉と魚の基準 | 142 |
(3) |
離乳食品の基準 | 143 |
3 | 硝酸塩の許容日摂取量と参照投与量の根拠 | 144 |
(1) |
概説と恣意的計算に導かれた基礎 | 145 |
レーマンの報告 145/採用されなかった長期毒性試験の結果 146/不適切な安全係数 148/RfDの根拠もあやしい 148 | ||
(2) |
亜硝酸塩のADIも再検討が必要 | 149 |
4 | 認識の教条化がもたらされた | 151 |
《囲み》 | ||
6.1. 井戸水起源メトヘモグロビン血症を防ぐためにコムリーが行なった飲料水中硝酸塩の規制の提起とその評価 | 136 | |
6.2. メトヘモグロビン血症事例での水質に関する原著者の注釈 | 140 | |
6.3. レーマン(1958)からの引用と、FAO/WHOが勧告した硝酸塩の基礎となった実験 | 146 | |
第7章 硝酸塩の健康に対する効果 | 153 | |
1 | さまざまな感染症を防ぐ | 153 |
(1) |
口や消化器官での働き | 154 |
酸性条件下で殺菌物質を生成 154/口中での殺カビ効果 155/殺菌効果 156 | ||
(2) |
そのほかの器官での抗菌効果 | 159 |
皮膚上で 159/呼吸器官で 160/下部尿管で 160/抗ウイルス効果の可能性も 160 | ||
2 | 高血圧や心臓血管病を防ぐ可能性がある | 161 |
3 | 胃ガンや潰瘍も減らせるかもしれない | 164 |
(1) |
世界的な胃ガンの減少 | 164 |
胃ガンの発生とは負の相関 164/ピロリ菌の抑制 166 | ||
(2) |
胃潰瘍への有益な効果 | 167 |
4 | 結論 | 168 |
《囲み》 | ||
7.1. 口内の硝酸塩還元菌はどのようにして抗菌作用から逃がれているか | 157 | |
7.2. 硝酸塩のもっとも適切な日摂取量はどれだけか | 168 | |
第8章 総括および結論 | 169 | |
付録1 | 換算係数および換算表 | 173 |
付録2 | 食品に用いられる硝酸塩の起源 | 177 |
付録3 | 健康な成人に経口投与した硝酸塩の動態 | 183 |
付録4 | 血漿中硝酸塩濃度が高くなる病気および治療法 | 187 |
付録5 | 硝酸塩によるガンの発生および致死率に関わる疫学的研究 | 193 |
付録6 | 亜硝酸塩や硝酸塩の多量摂取が健康に及ぼす短期的影響 | 200 |
文献 | 207 | |
訳者解題 | 245 |