全地球史解読

目次


まえがき
第1章 全地球史解読の考え方 1

1.1
全地球史解読の考え方 2

1.1.1

 全地球史解読を考える 3

1.1.2

 全地球史解読のスコープ 10

1.2
地球史概説 18

1.2.1

 はじめに−地球史研究の歴史 18

1.2.2

 地球の構造とマントル対流 19

1.2.3

 マントル対流の非定常性と地球史上の大事件 23

1.2.4

 地球史七大事件によって地球と生命の歴史を語る 32

1.2.5

 マントル対流の変動と生物の進化 51

1.2.6

 これから解明すべき大きな課題 53

1.3
システムに関係した言葉と概念の整理 55
1.3.1  はじめに 55
1.3.2  系とシステムという言葉の意味 56
1.3.3  考えているシステムの種類 61
1.3.4  線形システム 64
1.3.5  階層性のあるシステム 68
1.3.6  外力とパラメタと境界条件−偏微分方程式における外の影響の表現 71
1.3.7  時間スケールと応答 74
1.3.8  おわりに 76
第1章文献 77
第2章 全地球史解読の技術 81

2.1
全地球史解読のために必要な技術と方法 83
2.1.1  全地球史解読における連続試料と試料データベースの重要性 83
2.1.2  全地球史解読の試料データベースの作成手順 84
2.1.3  連続試料の一時記載の利用 91

2.2
連続試料に対する非破壊一次記載の方法 92
2.2.1  一次記載における課題 92
2.2.2  大量・連続試料に対する非破壊分析法の原理 92
2.2.3  非破壊分析法の技術条件 94
2.2.4  原理的に大型試料の非破壊分析が可能な方法 95

2.3
走査型X線分析顕微鏡の連続非破壊分析への応用 102
2.3.1  エネルギー分散型X線分光法の原理 102
2.3.2  SXAMの特徴と精度 103
2.3.4  具体例−ナミビアのキャップカーボネート 106

2.4
絶対年代測定 109
2.4.1  絶対年代 109
2.4.2  ウラン−鉛年代測定法の原理 111
2.4.3  ウラン−鉛年代測定法を用いたジルコン年代学 114
2.4.4  コンコーディア図 116
2.4.5  新しい分析法−プラズマ質量分析法 119
2.4.6  年代測定適用範囲 120
2.4.7  スタンダードレス化−次世代の分析法 123
第2章文献 128
第3章 地球の気候に影響を与える宇宙のリズム 131

3.1
IKダイアグラムの考え方 132
3.1.1  全地球史解読計画とIKダイアグラム 132
3.1.2  作業仮説としてのIKダイアグラム 134

3.2
日射量変動の基礎理論 137
3.2.1  惑星の公転軌道要素とその変化 138
3.2.2  自転軸の歳差運動 147
3.2.3  日射量変動に影響を与える力学変数 151
3.2.4  緯度別の日射量変動 156

3.3
月−地球力学系の潮汐進化 162
3.3.1  外部天体による潮汐ポテンシャルと地球の潮汐 163
3.3.2  天体の運動と潮汐の主要分潮 165
3.3.3  力学的偏平率と地球自転、および潮汐の角速度 171
3.3.4  地球力学時計と月−地球系 173

3.4
IKダイアグラムとその不確定性 188
3.4.1  IKダイアグラムの描画 188
3.4.2  IKダイアグラムが含む不確定性 201
3.4.3  太陽系の力学的安定性とカオス 204
3.4.4  歳差運動の安定性と赤道傾角の進化 216
第3章文献 223
第4章 地球表層環境の変遷 233

4.1
気候システムと地球史 234
4.1.1  地球の過去の気候変動 234
4.1.2  気候システムと外力 238
4.1.3  地球史解読のための気候モデリング 240
4.1.4  気候モデルによる数値実験と地球史解読への示唆 250

4.2
海洋物質循環と古海洋 259
4.2.1  過去の気候と地質学的証拠との関係 259
4.2.2  海洋物質循環 260
4.2.3  海洋物質循環モデルと堆積過程モデル 269

4.3
地球環境と物質循環 275
4.3.1  物質循環とモデリング 275
4.3.2  長期的炭素循環の素過程 278
4.3.3  炭素循環と地球環境の長期的安定性 282

4.4
ウィルソンサイクルと気候変動 286
4.4.1  海底拡大と気候変動 286
4.4.2  造山運動と気候変動 289

4.5
スノーボールアース仮説 292
4.5.1  原生代の氷河時代の謎 292
4.5.2  赤道傾角の進化 294
4.5.3  スノーボールアース仮説の登場 297
4.5.4  地球のエネルギー収支と全地球凍結解 300
4.5.5  炭素循環と全球凍結現象 302
第4章文献 308
第5章 地球深部ダイナミクス 313

5.1
マントル対流の進化 314
5.1.1  熱対流による地球の冷却 315
5.1.2  マントル対流とプレートテクトニクス 320
5.1.3  マントル対流と相変化の相互作用−フラッシング(なだれ現象) 326
5.1.4  マントル対流と化学的不均質との相互作用 329
5.1.5  溶融を考慮したマントル対流 331

5.2
核の誕生と内核の成長 333
5.2.1  はじめに−核の大まかな歴史 333
5.2.2  内核の歴史を解読するという観点 334
5.2.3  内核の成長の速さと内核の誕生の時期 335
5.2.4  内核の部分溶融構造 337
5.2.5  内核の異方的な構造 340
5.2.6  おわりに 344

5.3
マントルとコアの熱的相互作用 346
5.3.1  マントルとコアの熱的な性質 346
5.3.2  地球磁場の逆転頻度の変化をめぐって 349
5.3.3  地球磁場の停滞成分とその成因 357

5.4
地球史と地球磁場−とくに太古代の地球磁場 363
5.4.1  地球磁場による核の観測 363
5.4.2  太古代の地球磁場強度 368
5.4.3  太古代における地球磁場の逆転 376
5.4.4  まとめ 381
第5章文献 382
第6章 生命と地球の共進化 391

6.1
生命と地球の相互作用の歴史 393
6.1.1  生命と地球の共進化の解読に向けて 393
6.1.2  地球を変えた光合成 396
6.1.3  酸素濃度の増加と生物進化 414
6.1.4  光合成がもたらした生命と地球の共進化 421

6.2
分子化石が示す微生物の系統と進化 423
6.2.1  自然選択と中立的分子進化 423
6.2.2  多様性と生物進化 425
6.2.3  遺伝子に残された分子化石による進化系統の解析 427
6.2.4  進化のリズム 429
6.2.5  原核生物から真核生物へ 430
6.2.6  微生物の進化系統と化石証拠 432

6.3
原核生物の出現と生態系の形成 436
6.3.1  原核生物と生態系 436
6.3.2  原核生物の進化系統と生理生態 439
6.3.3  熱水環境の生態系 442
6.3.4  地球生態系と微生物の生態進化 444

6.4
大量絶滅と生命進化 449
6.4.1  大量絶滅の認定 451
6.4.2  大量絶滅の原因 454
6.4.3  生物進化史における大量絶滅の意味 456

6.5
P−T境界−史上最大の大量絶滅事件 458
6.5.1  P−T境界での大量絶滅 458
6.5.2  P−T境界ごろの世界の古地理:超大陸と超海洋 461
6.5.3  陸棚のP−T境界層 462
6.5.4  超海洋の深海P−T境界層 467
6.5.5  Superanoxia(超酸素欠乏事件) 470
6.5.6  2段階絶滅パタン 474
6.5.7  超大陸とプルーム 475
6.5.8  「プルームの冬」シナリオ 478
6.5.9  仮説の検証をめざして 481

6.6
白亜紀・第三紀境界の大量絶滅 483
6.6.1  小天体衝突説 483
6.6.2  衝突現場の検証 484
6.6.3  大量絶滅と小天体衝突の同時性の証明 484
6.6.4  衝突による環境変動の証明 487
6.6.5  絶滅と生き残りの理由 487
6.6.6  まとめ 488
第6章文献 489
第7章 むすび−われわれはどこへ行くのか 501
7.1 なぜ地球の歴史を研究するのか? 502
7.2 われわれはどこからきたのか、そして何者か? 503
7.3 われわれはどこへ行くのか? 513
7.4 おわりに 520
第7章文献 522
定冠詞の付く全地球史解読 523
あとがきにかえて−プルーム考 530
索引 533
 
コラム
「わかる」とはどういうことか? 6
ウィルソンサイクルの元の意味 27
従来の太古代・原生代境界について 36
ラグランジュの惑星方程式 142
歳差と章動 149
「ミランコビッチサイクル」の定義 160
月軌道面の歳差とIKダイアグラム 197
IKダイアグラムと潮汐モデル 198
太陽系外惑星系の発見が与えた衝撃 214
カオスと全地球史解読 220
暗い太陽のパラドックス 305
レイリー数とヌッセルト数の関係 316
相変化浮力パラメタとレイリー数の関係 327
地球磁場生成の基礎方程式−ダイナモ理論の基礎 354
古地磁気学の手法による磁場の観測

364



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